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困った悪役令嬢。
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私は未来が見つからなくて困っていた。
その日、私は侍女の中に明らかに異質な光を放つピンク髪の美少女を見つけた。絶対にヒロインだ。
眼鏡と帽子で隠しても頭が小さくてオーラがありシルエットだけでも美少女なのに、周囲から冴えない娘の様に粗末に扱われてる辺りヒロインっぽさが溢れている。
ここで私はずっと用意していた「日本語で書かれたノート」を取り出し、チラチラ見えるように広げてみた。転生に使う魔方陣も描いてあるから多少距離があっても意図は伝わるだろう。
それが視界に入ったらしいヒロインは「あっ!」と叫んで震えだした。間違いなく日本からの転生者だ。私も嬉しくて叫びそう!
なかなか会いに来てくれないから不安だった。
だって私この世界の設定何も思い当たるものがない!
最初こそ異世界に来たテンションで楽観的だったが、先の見えない不安で落ち着かず、一時の気の迷いでとんでもない事になってしまったと一人震えていた。
相手が転生者なら話は早い。何かこの乙女ゲームの情報をくれるか、さっさと王太子とハッピーエンドを迎えて私にちょうどいいポジションを用意してほしい。
しかしここで問題が起きた!護衛の近衛騎士がヒロインに攻撃魔法を放ったのだ!なんてことするんだ!!
咄嗟に庇うが間に合わない!ここでヒロインに死なれては困る!
とにかく必死だった私は、心で謝りながらも側にあったワゴンを引き寄せると少しでも遠くへ飛ぶようにヒロインにぶち当てた。
そしてヒロインはいなくなった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私がいけなかったのだ。
せっかく会えたヒロインはワゴンにぶち当たりノートに描かれた魔方陣に着地し、また別の異世界へと転生してしまった。
図らずも転生の条件が揃ってしまった不幸な事故だった。生け贄が黒こげの七面鳥で大丈夫だったのか心配だ。ヒロインはちゃんと受肉できているだろうか。
計画がおじゃんになってしまい。脱力感からボーッと家で過ごしていると、王太子が気遣わしげに様子を見に通ってくる。
真面目に攻略してこなかったのにこの王太子は律儀である。
しかし王子とくっつけば女王教育頑張らなきゃだし
そもそも王子の他は攻略対象に出会えて無いので婚約破棄からの逆転狙いなら自分で事業なりなんなり生計たてるまで頑張らなきゃいけないし…
頑張らないでいいルートが消えてしまって頑張れない。
「…私って変わらないといけないのかな?」
今後の不安から思わずそう呟くと。
意外な事に「君は変わらなくて良い!」と即答で返ってきた。
王太子は真っ赤な顔でそのまま私への愛をなんやらかんやら叫びだす。その殆どはよく分からないけど、要約するとこのままの私の事が好きだから僕の側にいてくれって事らしい。
え!ラッキー!私って結構惚れられてるの!
なにもしなくていいなら助かる!!
何が良かったのかさっぱり分からないけど偶々「ちょっとおバカな手のかかる女子」がこの王太子の属性バッチリ好みドストライクとかそんなんだったんだろう。やったぜはっぴー!
とはならない。
私もそこまでバカではない。この人は良くても周囲が許さないだろう。大体この王子様は甘ちゃんだ。
自分の地位を危ういものだと認識しているが、そもそも質素倹約を重んじるこの王国、王はボロを来て粗食を食べ、国民に感謝して暮らす習わしがある。じゃあなんで他の王族は贅沢してるのか疑問だけど、それはそれ、これはこれ、建前上の問題だろう。とにかく、王族には「お小遣い」があっても、王は貧民に等しい生活を強いられると聞いている。外に出る事も稀だそうだ。これで誰が好き好んで面倒で自由の無い王位につきたがるというのだ。
王が副業をする事も禁じているため、王兄が盆栽事業を立ち上げるにあたって弟である今の王に頼み込んで王位を継承してもらった経緯もよくわかってないに違いない。第2王子も第3王子も王位なんか狙っておらず、体よく面倒事を押し付けられているだけなのに気付きもしない。父親に似て人が良いのだろう。
しかしこの王太子の私への愛を熱く語る姿は純真で可憐だ。守ってあげたくなってしまうとは正にこんなのだ。
この異世界は期待していたより甘さ控えめらしく、それなりに異世界らしい壮大な陰謀が渦巻いている。
女王陛下がにっこり笑って「この国ぶっ壊してみない?」と私に囁いた時さっさと逃げてしまえばよかったかもしれないがもう遅い。
私はこの甘ちゃん王子を守ってやらねばならないのだ。
これからは「悪役令嬢」として頑張ろうと思う。
その日、私は侍女の中に明らかに異質な光を放つピンク髪の美少女を見つけた。絶対にヒロインだ。
眼鏡と帽子で隠しても頭が小さくてオーラがありシルエットだけでも美少女なのに、周囲から冴えない娘の様に粗末に扱われてる辺りヒロインっぽさが溢れている。
ここで私はずっと用意していた「日本語で書かれたノート」を取り出し、チラチラ見えるように広げてみた。転生に使う魔方陣も描いてあるから多少距離があっても意図は伝わるだろう。
それが視界に入ったらしいヒロインは「あっ!」と叫んで震えだした。間違いなく日本からの転生者だ。私も嬉しくて叫びそう!
なかなか会いに来てくれないから不安だった。
だって私この世界の設定何も思い当たるものがない!
最初こそ異世界に来たテンションで楽観的だったが、先の見えない不安で落ち着かず、一時の気の迷いでとんでもない事になってしまったと一人震えていた。
相手が転生者なら話は早い。何かこの乙女ゲームの情報をくれるか、さっさと王太子とハッピーエンドを迎えて私にちょうどいいポジションを用意してほしい。
しかしここで問題が起きた!護衛の近衛騎士がヒロインに攻撃魔法を放ったのだ!なんてことするんだ!!
咄嗟に庇うが間に合わない!ここでヒロインに死なれては困る!
とにかく必死だった私は、心で謝りながらも側にあったワゴンを引き寄せると少しでも遠くへ飛ぶようにヒロインにぶち当てた。
そしてヒロインはいなくなった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私がいけなかったのだ。
せっかく会えたヒロインはワゴンにぶち当たりノートに描かれた魔方陣に着地し、また別の異世界へと転生してしまった。
図らずも転生の条件が揃ってしまった不幸な事故だった。生け贄が黒こげの七面鳥で大丈夫だったのか心配だ。ヒロインはちゃんと受肉できているだろうか。
計画がおじゃんになってしまい。脱力感からボーッと家で過ごしていると、王太子が気遣わしげに様子を見に通ってくる。
真面目に攻略してこなかったのにこの王太子は律儀である。
しかし王子とくっつけば女王教育頑張らなきゃだし
そもそも王子の他は攻略対象に出会えて無いので婚約破棄からの逆転狙いなら自分で事業なりなんなり生計たてるまで頑張らなきゃいけないし…
頑張らないでいいルートが消えてしまって頑張れない。
「…私って変わらないといけないのかな?」
今後の不安から思わずそう呟くと。
意外な事に「君は変わらなくて良い!」と即答で返ってきた。
王太子は真っ赤な顔でそのまま私への愛をなんやらかんやら叫びだす。その殆どはよく分からないけど、要約するとこのままの私の事が好きだから僕の側にいてくれって事らしい。
え!ラッキー!私って結構惚れられてるの!
なにもしなくていいなら助かる!!
何が良かったのかさっぱり分からないけど偶々「ちょっとおバカな手のかかる女子」がこの王太子の属性バッチリ好みドストライクとかそんなんだったんだろう。やったぜはっぴー!
とはならない。
私もそこまでバカではない。この人は良くても周囲が許さないだろう。大体この王子様は甘ちゃんだ。
自分の地位を危ういものだと認識しているが、そもそも質素倹約を重んじるこの王国、王はボロを来て粗食を食べ、国民に感謝して暮らす習わしがある。じゃあなんで他の王族は贅沢してるのか疑問だけど、それはそれ、これはこれ、建前上の問題だろう。とにかく、王族には「お小遣い」があっても、王は貧民に等しい生活を強いられると聞いている。外に出る事も稀だそうだ。これで誰が好き好んで面倒で自由の無い王位につきたがるというのだ。
王が副業をする事も禁じているため、王兄が盆栽事業を立ち上げるにあたって弟である今の王に頼み込んで王位を継承してもらった経緯もよくわかってないに違いない。第2王子も第3王子も王位なんか狙っておらず、体よく面倒事を押し付けられているだけなのに気付きもしない。父親に似て人が良いのだろう。
しかしこの王太子の私への愛を熱く語る姿は純真で可憐だ。守ってあげたくなってしまうとは正にこんなのだ。
この異世界は期待していたより甘さ控えめらしく、それなりに異世界らしい壮大な陰謀が渦巻いている。
女王陛下がにっこり笑って「この国ぶっ壊してみない?」と私に囁いた時さっさと逃げてしまえばよかったかもしれないがもう遅い。
私はこの甘ちゃん王子を守ってやらねばならないのだ。
これからは「悪役令嬢」として頑張ろうと思う。
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