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第26話 そもそもの勘違い
しおりを挟む「それがどうしたと言うのだ?」
しかし、そこまで丁寧に説明をしたというのに、私の話を聞いた上でカイザルは『それがどうした』と言い放つではないか。
いったい、先ほどの話を聞いて、どういう事を想定していれば『それがどうした』などと言えるのだろうか?
はっきり言って私からしたらこのカイザルは、最早ただの馬鹿にしか見えない。
「どうしてそのように思えるのでしょうか? 私には普通に帝国の危機にしか思えないのですが?」
そのカイザルへ私は、ただ単純にカイザルへと『何故そう思えるのか』を聞いてみる。
「そんな事も分からないのか? お前は。 それは、この帝国が役数百年間に及びこの世界の覇者として君臨し、そしてそれはこれからも変わらない。 それが何でか分かるか? 帝国が最強であり、俺の頭脳があればどんな敵だろうとも帝国が負けるなどという事はあり得ないからだ」
そして、カイザルはまるで私の事を『知能が足りない可哀そうな奴』というような表情をしたかと思うと、ガバガバな理論をさもそれが当たり前であるかのように言うではないか。
もし争いに負ける、または天空城がどこかへ移動、それこそ他国へ移動したらどうするか、飛竜部隊が全滅した場合はどうするかなどまったく考えていない事だけは痛い程良くわかった。
「丁度良い。 貴様にはいかに帝国が最強であるか、そして俺の頭脳が優れているかをこれから学んで行けばいい」
そうカイザルは、まるでそうなるのが決まっているかのような素振りでそんな事を宣うではないか。
そもそもの勘違いが、ここ帝国は天空城から漏れ落ちてくる高濃度の魔素のお陰でここまで発展してこられたのである。
それは帝国が強いからだとかカイザルが強いだかでは断じてなく、今まで天空城のおこぼれを貰っていたお陰でしかないのである。
そしてそのおこぼれだけで数百年に渡って帝国は周囲の国へ一目置かれる程の強さを維持してこられたという事は、それほどの魔素を垂れ流し続けている天空城はこの帝国よりも比べものにならない軍事力を持っている可能性が高いと何故考えられないのだろか。
「どうだ? 少し考えれば俺の言っている事が正しいという事が、お前ごときでも分かるだろう? それにできる俺はただ相手が動き出すのを待ってから打つ手を考えるというのが苦手でな、既に一手
打っているんだよ。 そう、俺の息子を今天空城へと向かわせたところだ。 きっとアイツならば馬鹿で使えない飛竜部隊たちよりもきっといい結果を残してくれるに違いない」
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