7 / 8
オススメ武具店
しおりを挟む
教会の次は、装備を揃えるのにオススメの武具店か。
「いらっしゃいませ」
「どうも」
「色々置いてるので見ていってください」
店員の定型文だな。
頼んでみるか。
「販売防具の一覧をお願いします」
「かしこまりました。こちらです」
展示品と、名前と値段だけの一覧を見比べていく。
あんまりごてごても嫌だが、安かろ悪かろなところもあるはずだ。
一般アバターに舐められそうな安っぽいのは嫌だな。
チラリと店員を見るがカウンターから動かず何かを磨いているようだ。
こちらを気にもしていない。
サーバーマスターの外見はあまり広まっていないのか?
まあいい。
陳列されているすべての商品の表面の公式印から黄色の光が見える。
これは雑貨店でも見たNPCの能力だ。
公式システムが用意した品は黄色い光、
一般アバターが作った品は青い光、
イベント専用アイテムは白い光。
この店は黄色ばかりだ。
イベント用は情報を持ってきたアバターに奥から出すと言ってたしな。
ん?赤く光る呪いのアイテムがあった。
デザインはかなり良い。
一般泣かせのハズレ商品だな。
店員が磨いている品物を見ると紫色に光っている。
一般の作った呪いの武器か。珍しいな。
良い防具は外見がゴツイか、ものすごく高い。
ゴツイのは嫌なので高い方を見ていく。
高価なモンスターの皮を使った物が多いな。
雑貨屋でローブは買ったから、それに合わせるのもいいな。
ウォービスローブは白茶色だから濃い色が良いかもしれない。
……、……、……迷った。
仕方ない、店員の意見を聞くか。
「すまない、ちょっといいか?」
「はい、どうされましたか?」
いつの間にか店員に磨かれていた武器の公式印の光が赤に変わっていた。
ちょっと驚いた。
その事を聞いてみると、この店では買い取ってから店員が磨くことで売り物に変換しているのだそうだ。
店員はここでやっと俺がサーバーマスターだと認識したようだ。
「失礼致しました。武器防具をお探しですか?」
俺の装備を視線でチェックされた。
仕方ないな。ローブと鞄以外は初心者装備だ。
「こっちのローブに合わせた物が欲しいんだが、長く使える良いのを選んでもらえないか?」
「畏まりました。では、こちらへどうぞ」
いきなり試着室に通された。
「ローブは外していただいて、鏡の方を向いて立ってください」
言われるまま試着室の四面の一つ、丸々の鏡の方に向く。
「鏡が3D試着画面になっています。まずはお試しで巨角牛の角と革をふんだんに使った防具一式です」
店員が閉じたドアに内側から触れて言うと、鏡に映った俺の装備が変わった。
角の先端をくり抜いたような肩当てに表面の毛足を残した革を貼った板で胴回りと腰回りの装備が作られている。
脛と肘は革が直巻きで紐で動かないようにしてあるだけ。
動くと鏡の中の俺も動いて防具の側面なども見れる。
でも、胸を見ると実際の俺の服は初心者装備のままだ。
「こちらで希望を選んでから実際に試着して頂きます。では私が選んだものを映しますがよろしいですか?」
「任せるけど、一般のアバターが来た時も同じ対応なのか?」
「試着室の使用は出来ますが、実際の試着はしておりません」
「何でだ?使い心地とかあるんじゃないか?」
「一般の方に装備の手触りは解放されておりませんので」
「え、そうだったのか!?」
今着ている服に触ってみる。ちゃんと布の感触がある。
これを感じないのか。(注・装備と肌の違い位は分かる模様)
「でも、NPCも試着室と寝具の上でしか感覚を常時再現していません」
そういえば服の感触を普段から意識してはいないかもしれない。
そこまでは必要ではないって事か。
「寝具の上って何故?」
「布団や毛布のフワフワ感は何にも代えがたいのですわ!」
何だか力説されてしまった。
「俺もそれの対象かな?」
「もちろんです。一般の方は目覚めた瞬間寝具の外に立っていますし、寝具に向かって休息を選択するので感触の必要が無いのです」
「そう言えばそうだな」
そんな話をしつつ試着をしていく。
決めた三着を直接着てみる事に決めると、背中から抱き付かれる。
背中に感じる感触に動揺していると、その手が服の上から胸板と腹を撫で回し始めた。
動揺しているうちに手は脇を撫で、腰から尻にまで渡り、太腿まで撫でられた。
鏡に映った俺の顔が赤くなっていくのが恥ずかしい。
しかもどう言う訳か逃げられない!
「な、何を!?」
「意外と肉厚ですわね」
「だから、何をしてるんだ!?」
「役得の採寸ですわ」
ほんのり頬を赤くしてニッコリされた。
「それにしたって触りすぎだ」
「マスターの体格に合わせて衣装の内殻数値を変更いたしますので、必要な事です」
真顔に戻ってウインドウを操作し始めた店員に、つい口をとがらせてしまう。
「一方的に搾取されるのは納得いかない」
「体格数値搾取は仕事なのですが……何かご希望がございましたか?」
やり返すという意味なら、同じ体験をさせてみるのが良いかもしれない。
鏡の前で採寸させろと言ってみれば、簡単に了承した。
拍子抜けだが、まあこれも体験だな。
店員がサイズ変更した服を運んできて、実際に試着していく。
見た目は赤茶で鱗張りの服。クリーム色の厚地に色刺繍がふんだんな服。紺色で金縁取りの服。
デザインは良いんだが、みんな色が派手だな。
「服って、色の変更とか出来るのか?」
「オーダーメイドでしたら可能です。マスターのご希望でしたら目の前で変更して差し上げます」
「なら、基本は紺の服でベルト類は黒から薄茶に変更。
内服はクリーム色で前身頃とふくらはぎと上着の裾を鱗張りに変更。暗さを押さえて通気性を上げる。
色刺繍の防御の加護を肩に付ける。刺繍糸は透明に変更。
縁取りは燻し銀色に変更してくれ」
「肩のヨーク刺繍は身頃に密着させますか? それとも浮かせますか?」
「ローブが別にあるから密着で。生地色を深緑にしてみてくれ。
あ~ウォービスローブにヨーク付けは可能か?」
「はい。問題なく」
「なら、ローブと同色で浮きヨークにしてくれ。」
「畏まりました」
店員の手がウインドウの前で世話しなく動く。
ちなみにヨークと言うのはトレンチコートの肩から背中に流すようについている、ひらひらした布部分の事だ。
始めは雨除けのマントを小さくしたものだったと言う話だ。
ワイシャツの肩後ろの身頃もヨークと言うぞ。
「完了しました」
店員がウインドウのエンターキーを押すと、ウインドウの前にぶら下げていた紺の衣装が光のエフェクトを纏いながら変化していく。
指定通りの色合いだ。
全体も濃い色なので深緑のヨーク部分も意外と浮いていない。
「防御の加護ですが、通常または魔法攻撃を弾きます。防御力が+10されます。
これに加えてローブと重ね付けすることでさらに+10され攻撃自体を吸収する機能が働きます」
「それって偶然の相乗効果か?」
「いいえ。マスターの為ですのでこちらで追加致しました。
吸収された攻撃はアイテムとしてマスターの鞄に収納されます。不意の攻撃でも安心です。
武器時攻撃なら武器そのものを。魔法は術符に。体当たりや噛みつきなどの場合は対象そのものを分解(素材化)いたします」
オマケが凄いな。
早速着てみる。
「良くお似合いです」
「俺の用事は、あと君の採寸だけだな」
「……畏まりました」
「さあ、鏡の前に立って」
おずおずと店員が鏡の前に立ち、その後ろに俺が立つ。途端に不安そうな顔をする店員に苦笑せざるを得ない。
「前もって了承を得たんだからそんな嫌そうな顔をされるのは心外だ」
「申し訳ありませっ、んっ」
手を伸ばして胸をつかむと声を詰まらせた。
俺の手ですっぽり包まれた胸の上を親指だけ滑らせる。
「!」
店員がビクリとしたが、トップは見つからない。服の上からだしな。
今度は揉んで感触を確かめる。
水風船のように柔らかいのに内側に肉の弾力がある不思議な感触だ。
次に両脇を手の平を滑らせるように撫で下げて行き、抱き付くようにしてお腹を撫でる。
余分な肉が全くない引き締まった腹だ。
直ぐ上にある胸を思い出したように揉む。
肩に手を置くと、背中の真ん中を指先でツーと撫でる。
「はうっ」
これも感じるとは感度が良いな。
「あっ」
尻がすぐ目の前だがガッチリ行きたいので片手は腹に回し、もう片方で尻肉をガッチリつかみに行く。
おお、胸とはまた違う肉感。
これが無いと安心して尻もちが付けないものな。大事だ。
もちろん反対側もいく。
「じゃあ、太腿行くぞ」
太腿の外側を撫でながら告げて、抱き込むようにして両手を太ももの内側に滑らせる。
「あっ」
反射的にだろう、太腿が閉じられる。
「鏡を見て見な」
ずっと俯いていた店員に前を見るように促すとおそるおそる顔を上げ、自分の姿にほんのり赤かった顔を真っ赤にさせた。
鏡にはスカートを乱して股間に手を入れられている自分の姿。俺じゃなくとも恥ずかしいのよな。やっぱり。
「はうっ」
俺が手の指を動かすと体をビクつかせるが、挟んだ足の力を抜く気は無いようだ。
仕方ないので両手の親指をグリグリ動かす。
「んんっ!」
こんな部分の感度まで付いてるのか。スゴイなゲーム。
今やったのは花芽へのダイレクトアタック。
しばらく続けると、頑なだった締め付けが緩み店員は俺に背中を預けて機能停止した。
……やりすぎたかもしれない。
・武具店員カシャの個人情報
・武器防具の呪いの有効利用権。取得。
・耐久回復薬無料権。取得。
なんか貰ってしまった。
機能停止した店員カシャを揺すり起こす。
なんかよくわからない権利をもらったから、きちんと聞いておかないと後で困りそうだからな。
「ん? 私はどうしていたのでしょう?」
「俺の採寸で気絶したのは、覚えているか?」
「そうでした! マスターハルナ、やりすぎです!」
「じゃあ、もらった権利は返した方が良いのか?」
「それは不可能です! 詳細をご説明します」
「頼む」
店員カシャによると、『呪いの有効利用権』は呪いのBADステータスを無効させてプラスな効果は有効にする権利らしい。
呪いのアイテムは他のアイテムよりステータスUP率が高いのでかなり有用な権利だ。
それと、耐久回復薬は通常販売はしていない鍛冶屋の修理のみで使われる薬剤だが、それを持ち出して使う権利がもらえたらしい。
取り扱いはNPCの武具店のみらしい。
「君の個人情報の中にあった『武具目利き』の詳細もお願いできるか?」
「お使いになるのですか? 触れた武具が装備品より上か下かが色の赤青で光って見えます」
「それだけか?」
「熟練度が上がると装備時効果と買取り額がわかるようになります」
それは鑑定と同じ効果だな。
鑑定は教会で身に付いたスキルでNPCの個人情報から抜粋している。
「雑貨屋のNPCにもアイテム効果がGOODかBADかの判別が出来るスキルがありましたでしょう?
『武具目利き』と『道具目利き』は見えなくとも使えますので壁の罠を発見出来たりします」
「そんな使い方も?床には使えないのは残念だな」
「すり足なら反応します。後は触っているという範囲を広げる方法でしょうか?」
「応用か。空気の索敵に近いな」
「目利きはアイテム限定ですので索敵では判別が難しい部分を補えると思われます」
かなり有効なスキルのようだ。
俺が動き回る上で役に立てよう。
「ありがとうございました」
俺はさっさと店を後にした。
……あ、武器買うの忘れた!
俺は、送り出されたのに申し訳なく思いながらUターンした。
求めたのは短槍だ。身長より短く刀身がファルカタ型になっているもので、鞘がある。
長すぎるのも初心者には扱い辛く、全体が刃物の剣よりは安全に持てるからだ。
手にしたら速攻で武器スキルを習得した!(笑)
サーバーマスター特典のようだ。
「ありがとうございました~」
※肩マント(プリース)。ヨークより横に広い。肩章(エポレエット)で止める。
※ファルカタ。少し反りのある両刃の剣。片刃の根元だけ峰になっている。
「いらっしゃいませ」
「どうも」
「色々置いてるので見ていってください」
店員の定型文だな。
頼んでみるか。
「販売防具の一覧をお願いします」
「かしこまりました。こちらです」
展示品と、名前と値段だけの一覧を見比べていく。
あんまりごてごても嫌だが、安かろ悪かろなところもあるはずだ。
一般アバターに舐められそうな安っぽいのは嫌だな。
チラリと店員を見るがカウンターから動かず何かを磨いているようだ。
こちらを気にもしていない。
サーバーマスターの外見はあまり広まっていないのか?
まあいい。
陳列されているすべての商品の表面の公式印から黄色の光が見える。
これは雑貨店でも見たNPCの能力だ。
公式システムが用意した品は黄色い光、
一般アバターが作った品は青い光、
イベント専用アイテムは白い光。
この店は黄色ばかりだ。
イベント用は情報を持ってきたアバターに奥から出すと言ってたしな。
ん?赤く光る呪いのアイテムがあった。
デザインはかなり良い。
一般泣かせのハズレ商品だな。
店員が磨いている品物を見ると紫色に光っている。
一般の作った呪いの武器か。珍しいな。
良い防具は外見がゴツイか、ものすごく高い。
ゴツイのは嫌なので高い方を見ていく。
高価なモンスターの皮を使った物が多いな。
雑貨屋でローブは買ったから、それに合わせるのもいいな。
ウォービスローブは白茶色だから濃い色が良いかもしれない。
……、……、……迷った。
仕方ない、店員の意見を聞くか。
「すまない、ちょっといいか?」
「はい、どうされましたか?」
いつの間にか店員に磨かれていた武器の公式印の光が赤に変わっていた。
ちょっと驚いた。
その事を聞いてみると、この店では買い取ってから店員が磨くことで売り物に変換しているのだそうだ。
店員はここでやっと俺がサーバーマスターだと認識したようだ。
「失礼致しました。武器防具をお探しですか?」
俺の装備を視線でチェックされた。
仕方ないな。ローブと鞄以外は初心者装備だ。
「こっちのローブに合わせた物が欲しいんだが、長く使える良いのを選んでもらえないか?」
「畏まりました。では、こちらへどうぞ」
いきなり試着室に通された。
「ローブは外していただいて、鏡の方を向いて立ってください」
言われるまま試着室の四面の一つ、丸々の鏡の方に向く。
「鏡が3D試着画面になっています。まずはお試しで巨角牛の角と革をふんだんに使った防具一式です」
店員が閉じたドアに内側から触れて言うと、鏡に映った俺の装備が変わった。
角の先端をくり抜いたような肩当てに表面の毛足を残した革を貼った板で胴回りと腰回りの装備が作られている。
脛と肘は革が直巻きで紐で動かないようにしてあるだけ。
動くと鏡の中の俺も動いて防具の側面なども見れる。
でも、胸を見ると実際の俺の服は初心者装備のままだ。
「こちらで希望を選んでから実際に試着して頂きます。では私が選んだものを映しますがよろしいですか?」
「任せるけど、一般のアバターが来た時も同じ対応なのか?」
「試着室の使用は出来ますが、実際の試着はしておりません」
「何でだ?使い心地とかあるんじゃないか?」
「一般の方に装備の手触りは解放されておりませんので」
「え、そうだったのか!?」
今着ている服に触ってみる。ちゃんと布の感触がある。
これを感じないのか。(注・装備と肌の違い位は分かる模様)
「でも、NPCも試着室と寝具の上でしか感覚を常時再現していません」
そういえば服の感触を普段から意識してはいないかもしれない。
そこまでは必要ではないって事か。
「寝具の上って何故?」
「布団や毛布のフワフワ感は何にも代えがたいのですわ!」
何だか力説されてしまった。
「俺もそれの対象かな?」
「もちろんです。一般の方は目覚めた瞬間寝具の外に立っていますし、寝具に向かって休息を選択するので感触の必要が無いのです」
「そう言えばそうだな」
そんな話をしつつ試着をしていく。
決めた三着を直接着てみる事に決めると、背中から抱き付かれる。
背中に感じる感触に動揺していると、その手が服の上から胸板と腹を撫で回し始めた。
動揺しているうちに手は脇を撫で、腰から尻にまで渡り、太腿まで撫でられた。
鏡に映った俺の顔が赤くなっていくのが恥ずかしい。
しかもどう言う訳か逃げられない!
「な、何を!?」
「意外と肉厚ですわね」
「だから、何をしてるんだ!?」
「役得の採寸ですわ」
ほんのり頬を赤くしてニッコリされた。
「それにしたって触りすぎだ」
「マスターの体格に合わせて衣装の内殻数値を変更いたしますので、必要な事です」
真顔に戻ってウインドウを操作し始めた店員に、つい口をとがらせてしまう。
「一方的に搾取されるのは納得いかない」
「体格数値搾取は仕事なのですが……何かご希望がございましたか?」
やり返すという意味なら、同じ体験をさせてみるのが良いかもしれない。
鏡の前で採寸させろと言ってみれば、簡単に了承した。
拍子抜けだが、まあこれも体験だな。
店員がサイズ変更した服を運んできて、実際に試着していく。
見た目は赤茶で鱗張りの服。クリーム色の厚地に色刺繍がふんだんな服。紺色で金縁取りの服。
デザインは良いんだが、みんな色が派手だな。
「服って、色の変更とか出来るのか?」
「オーダーメイドでしたら可能です。マスターのご希望でしたら目の前で変更して差し上げます」
「なら、基本は紺の服でベルト類は黒から薄茶に変更。
内服はクリーム色で前身頃とふくらはぎと上着の裾を鱗張りに変更。暗さを押さえて通気性を上げる。
色刺繍の防御の加護を肩に付ける。刺繍糸は透明に変更。
縁取りは燻し銀色に変更してくれ」
「肩のヨーク刺繍は身頃に密着させますか? それとも浮かせますか?」
「ローブが別にあるから密着で。生地色を深緑にしてみてくれ。
あ~ウォービスローブにヨーク付けは可能か?」
「はい。問題なく」
「なら、ローブと同色で浮きヨークにしてくれ。」
「畏まりました」
店員の手がウインドウの前で世話しなく動く。
ちなみにヨークと言うのはトレンチコートの肩から背中に流すようについている、ひらひらした布部分の事だ。
始めは雨除けのマントを小さくしたものだったと言う話だ。
ワイシャツの肩後ろの身頃もヨークと言うぞ。
「完了しました」
店員がウインドウのエンターキーを押すと、ウインドウの前にぶら下げていた紺の衣装が光のエフェクトを纏いながら変化していく。
指定通りの色合いだ。
全体も濃い色なので深緑のヨーク部分も意外と浮いていない。
「防御の加護ですが、通常または魔法攻撃を弾きます。防御力が+10されます。
これに加えてローブと重ね付けすることでさらに+10され攻撃自体を吸収する機能が働きます」
「それって偶然の相乗効果か?」
「いいえ。マスターの為ですのでこちらで追加致しました。
吸収された攻撃はアイテムとしてマスターの鞄に収納されます。不意の攻撃でも安心です。
武器時攻撃なら武器そのものを。魔法は術符に。体当たりや噛みつきなどの場合は対象そのものを分解(素材化)いたします」
オマケが凄いな。
早速着てみる。
「良くお似合いです」
「俺の用事は、あと君の採寸だけだな」
「……畏まりました」
「さあ、鏡の前に立って」
おずおずと店員が鏡の前に立ち、その後ろに俺が立つ。途端に不安そうな顔をする店員に苦笑せざるを得ない。
「前もって了承を得たんだからそんな嫌そうな顔をされるのは心外だ」
「申し訳ありませっ、んっ」
手を伸ばして胸をつかむと声を詰まらせた。
俺の手ですっぽり包まれた胸の上を親指だけ滑らせる。
「!」
店員がビクリとしたが、トップは見つからない。服の上からだしな。
今度は揉んで感触を確かめる。
水風船のように柔らかいのに内側に肉の弾力がある不思議な感触だ。
次に両脇を手の平を滑らせるように撫で下げて行き、抱き付くようにしてお腹を撫でる。
余分な肉が全くない引き締まった腹だ。
直ぐ上にある胸を思い出したように揉む。
肩に手を置くと、背中の真ん中を指先でツーと撫でる。
「はうっ」
これも感じるとは感度が良いな。
「あっ」
尻がすぐ目の前だがガッチリ行きたいので片手は腹に回し、もう片方で尻肉をガッチリつかみに行く。
おお、胸とはまた違う肉感。
これが無いと安心して尻もちが付けないものな。大事だ。
もちろん反対側もいく。
「じゃあ、太腿行くぞ」
太腿の外側を撫でながら告げて、抱き込むようにして両手を太ももの内側に滑らせる。
「あっ」
反射的にだろう、太腿が閉じられる。
「鏡を見て見な」
ずっと俯いていた店員に前を見るように促すとおそるおそる顔を上げ、自分の姿にほんのり赤かった顔を真っ赤にさせた。
鏡にはスカートを乱して股間に手を入れられている自分の姿。俺じゃなくとも恥ずかしいのよな。やっぱり。
「はうっ」
俺が手の指を動かすと体をビクつかせるが、挟んだ足の力を抜く気は無いようだ。
仕方ないので両手の親指をグリグリ動かす。
「んんっ!」
こんな部分の感度まで付いてるのか。スゴイなゲーム。
今やったのは花芽へのダイレクトアタック。
しばらく続けると、頑なだった締め付けが緩み店員は俺に背中を預けて機能停止した。
……やりすぎたかもしれない。
・武具店員カシャの個人情報
・武器防具の呪いの有効利用権。取得。
・耐久回復薬無料権。取得。
なんか貰ってしまった。
機能停止した店員カシャを揺すり起こす。
なんかよくわからない権利をもらったから、きちんと聞いておかないと後で困りそうだからな。
「ん? 私はどうしていたのでしょう?」
「俺の採寸で気絶したのは、覚えているか?」
「そうでした! マスターハルナ、やりすぎです!」
「じゃあ、もらった権利は返した方が良いのか?」
「それは不可能です! 詳細をご説明します」
「頼む」
店員カシャによると、『呪いの有効利用権』は呪いのBADステータスを無効させてプラスな効果は有効にする権利らしい。
呪いのアイテムは他のアイテムよりステータスUP率が高いのでかなり有用な権利だ。
それと、耐久回復薬は通常販売はしていない鍛冶屋の修理のみで使われる薬剤だが、それを持ち出して使う権利がもらえたらしい。
取り扱いはNPCの武具店のみらしい。
「君の個人情報の中にあった『武具目利き』の詳細もお願いできるか?」
「お使いになるのですか? 触れた武具が装備品より上か下かが色の赤青で光って見えます」
「それだけか?」
「熟練度が上がると装備時効果と買取り額がわかるようになります」
それは鑑定と同じ効果だな。
鑑定は教会で身に付いたスキルでNPCの個人情報から抜粋している。
「雑貨屋のNPCにもアイテム効果がGOODかBADかの判別が出来るスキルがありましたでしょう?
『武具目利き』と『道具目利き』は見えなくとも使えますので壁の罠を発見出来たりします」
「そんな使い方も?床には使えないのは残念だな」
「すり足なら反応します。後は触っているという範囲を広げる方法でしょうか?」
「応用か。空気の索敵に近いな」
「目利きはアイテム限定ですので索敵では判別が難しい部分を補えると思われます」
かなり有効なスキルのようだ。
俺が動き回る上で役に立てよう。
「ありがとうございました」
俺はさっさと店を後にした。
……あ、武器買うの忘れた!
俺は、送り出されたのに申し訳なく思いながらUターンした。
求めたのは短槍だ。身長より短く刀身がファルカタ型になっているもので、鞘がある。
長すぎるのも初心者には扱い辛く、全体が刃物の剣よりは安全に持てるからだ。
手にしたら速攻で武器スキルを習得した!(笑)
サーバーマスター特典のようだ。
「ありがとうございました~」
※肩マント(プリース)。ヨークより横に広い。肩章(エポレエット)で止める。
※ファルカタ。少し反りのある両刃の剣。片刃の根元だけ峰になっている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
鎌倉、室町、あと俺。 ~ 弓道部エース、南北朝の英雄たちと歴史に挑む ~
月影 流詩亜
ファンタジー
全 16話、完結保証付き
足利尊氏と新田義貞
二人の英雄が覇を競う南北朝の動乱。
その真っ只中に、一人の現代高校生が放り込まれた。
歴史の知識はほとんどない。
だが彼には、戦の勝敗さえ左右する、異常な弓の才能があった。
これは、歴史に翻弄されながらも、大切な人を守るために運命に抗い、ついには日本の歴史そのものを書き換えてしまう、一人の少年の戦いの記録。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる