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新しい世界
夏休み旅行記~ブルームン王国編~
しおりを挟む「わぁ……」
俺は人生初の飛行機に乗っております。
空港の人の多さにも圧倒されたが、この鉄の塊が空を飛ぶと言うのも不思議な感覚だ。機内ではご飯や飲み物も出してくれるしで、至れり尽くせり。
隣の秋人と変装とかでペアルックのアロハシャツなんか着てバカンス楽しみます♪みたいな格好にもなんだか笑えてくるし、とにかく俺は旅行の移動ってだけでも楽しくて仕方なかった。
目的地の空港に着いて入国審査を受けた後、荷物を受け取って、迎えに来た車に乗り込んだ。
ここ、南国ブルームン王国は、俺達が住んでいる国の夏よりも少し暑いといった感じだ。
「雪疲れてないか?」
「全然!楽しくって仕方がないよ」
俺が楽しそうにしている姿に秋人も嬉しそうにしていた。空港から車で走ること一時間で先ずは宿泊先の別荘に辿り着いた。
ここも秋人の所有物。
この国で太陽光発電の開発を進めたのは秋人だそうだ。この国を発展させてくれた、とここの国王様からも色々与えて貰っているんだとか。
田舎っぽいと言うより大自然が残るこの国は観光産業ばかりだったそうだが、近年は自然エネルギーにも力を入れているそうで、その為には秋人の力が必要とだと頻繁に声が掛かるそうだ。秋人がいつも忙しそうにしてるのは頷ける。それでも一番は俺を優先してくれるので、こればっかりは頭が上がらない。
荷物を置いて、先ずは庭を散策する事になった。庭は綺麗に手入れされており、知らない植物や綺麗な花が沢山咲いており、心穏やかになる。
この別荘に仕えているメイドさんがお茶を出してくれて、俺達はゆっくりと午後を過ごした。
「あぁ~空気が美味しい。中学までは田舎に住んでたけど、この自然に囲まれた感じ好きだな~」
これも俺がこう言う所が好きだと知っていてこの国を選んだのだろう。俺の事好きすぎるもんな秋人は。
なんて愉悦に浸りながら、せっかく旅行に来て、こうして二人の時間を取れたのだから秋人にもゆっくり休んでもらいたい。
「今日は寝る前に俺が秋人の事マッサージしてあげるね」
「その細い腕でか?エッチなマッサージなら歓迎だが」
「…エロオヤジ…」
昨日もしたのに…。ってまぁ、少しだけだけど。顔を赤くする俺を見て満足そうにお茶を飲む秋人は絵になるようなカッコ良さだ。そんな彼がこんな俺を愛してるだなんて一体この世界はどうなっているんだよ。と自分でツッコミたくなる。
(ご褒美タイムも必要だよな…)
「エッチなのもちょっとだけ…ね?」
周りのメイドさん達に聞こえないよう、耳元で伝えたら、スっと秋人の顔の表情が消え、携帯を取り出したと思ったらどこかへかけだした。
「……?」
その理由が分かったのは夜、手に渡されたマッサージ用のオイルがこの国の特産の花で出来ていたから、急いで取り寄せのだろう。やっぱりこう言う時の行動力は早いなと笑いながら受け取った。
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