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ミラ編
ミラの看病
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「院長様お呼びでしょうか」
院長室にノックして入室すると院長様に手招きされた。
「ミラあなた怪我の手当ての経験があると言ってたわね」
「はい ボランティアで医療院のお手伝いに通っていたので、簡単な治療の知識と経験はあります」
「では怪我人がいるので手当てをお願いできるかしら。それとその子がいろいろ言うかもしれないけれど、他の修道女に漏らさないでくれる」
一体どんな人が来たのだろう。どんな事が起きているのかと不安でもあった。
院長様に連れられて、昨日まで空室だった部屋に行くと、ベットに寝かされた誰かとエレナがいた。
「薬や包帯などは連れてきた騎士達が持ってきたからここにあるわ。ミラ治療お願いね」
エレナが座っていたベットサイドの椅子を譲ってくれた。寝てる人に近づいた。胸から首まで包帯でぐるぐる巻きにされていたので、とりあえず傷口を見ようと、寝ている人に半身を起こすように声を掛けたが無視された。
「あのう 治療ができません。身体を起こして下さい」
「うるさい!あたしなんてもう死んだのよ!手当しても無駄!」
「それが治療してくれる人に言う言葉ですか!あなたがどんな目にあったかは私達にわかりません。でも今からはあなたは私達の仲間です。私達はあなたを受け入れます」
院長様の大きな声初めて聞きました。彼女は院長様の言葉に肩を震わせて、初めてこちらを見ました。
「この痺れた痛みやだるさは治るの?」
「まず傷口を見せて貰わないとわかりません」
彼女はのろのろと身体を起こして、ベットの下に足を下ろしたので、ぐるぐる巻きの包帯を丁寧に剥がしていった。途中から血が滲んで黒く固まっているのが見えた。
「傷口に布が張り付いていると痛いと思います。我慢して下さい」
包帯を取っていくと、油紙が挟んであった。丁寧に治療はしてあるのねと思いながら、油紙と布を傷口から剥がしていくと、唸り声を上げたけれど彼女は我慢してくれた。
鋭利な刃物で切られたと思わしき、肩甲骨から胸に掛けた傷が出てきた。傷ができてまだ日が浅いらしく傷口は鮮やかな赤みを帯び、じくじくと出血していた。そして身体が熱い。
騎士が持ってきたと言う傷薬を見ると、消毒薬と血止め薬、油紙に布、包帯と揃っている。消毒すると身体がびくりとはねたが彼女は何も言わなかった。血止め薬を塗り、新しい布と油紙で傷口を覆い包帯を巻いていく。
しかしこれではかなり広範囲に傷跡が残るだろう。私と変わらない年頃なのにと内心思って治療した。
「熱があるので、水を飲んで安静にしてください」
そう言うと彼女がのろのろとまたベットに横になる。
「彼女の看病をミラとエレナにお願いします」
そう言って私達の返事を聞いて院長様は部屋から出て行かれた。エレナが近くに来た。
「ミラ 私は水を持ってくるわ。彼女食事はできるかしら」
「熱が高そうなので今は無理かと」
エレナが持ってきてくれた水を彼女に渡して飲んでもらう。
「ぬるい。冷たい水はないの」
「ここに冷たい水はないわ。冷たくするなら真冬に外に出しておくしか方法がないから」
「ふーん そんなとこであたし暮らすんだ」
文句を言ってたが、熱が辛いらしく寝息を立て始めた。また見に来ることにしてエレナと他の仕事をしに部屋を出た。
「ミラ 彼女王宮にいた事があるみたいね」
「どうして」
「ミラは知らない?王宮には氷室がいくつもあって真夏でも氷があるのよ」
「王宮に行ったことはあるけど、それは知らないわ」
「彼女も貴族ーそれも高位貴族かもね」
エレナこそどうしてそんな事知ってるのだろうか。
院長室にノックして入室すると院長様に手招きされた。
「ミラあなた怪我の手当ての経験があると言ってたわね」
「はい ボランティアで医療院のお手伝いに通っていたので、簡単な治療の知識と経験はあります」
「では怪我人がいるので手当てをお願いできるかしら。それとその子がいろいろ言うかもしれないけれど、他の修道女に漏らさないでくれる」
一体どんな人が来たのだろう。どんな事が起きているのかと不安でもあった。
院長様に連れられて、昨日まで空室だった部屋に行くと、ベットに寝かされた誰かとエレナがいた。
「薬や包帯などは連れてきた騎士達が持ってきたからここにあるわ。ミラ治療お願いね」
エレナが座っていたベットサイドの椅子を譲ってくれた。寝てる人に近づいた。胸から首まで包帯でぐるぐる巻きにされていたので、とりあえず傷口を見ようと、寝ている人に半身を起こすように声を掛けたが無視された。
「あのう 治療ができません。身体を起こして下さい」
「うるさい!あたしなんてもう死んだのよ!手当しても無駄!」
「それが治療してくれる人に言う言葉ですか!あなたがどんな目にあったかは私達にわかりません。でも今からはあなたは私達の仲間です。私達はあなたを受け入れます」
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「この痺れた痛みやだるさは治るの?」
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彼女はのろのろと身体を起こして、ベットの下に足を下ろしたので、ぐるぐる巻きの包帯を丁寧に剥がしていった。途中から血が滲んで黒く固まっているのが見えた。
「傷口に布が張り付いていると痛いと思います。我慢して下さい」
包帯を取っていくと、油紙が挟んであった。丁寧に治療はしてあるのねと思いながら、油紙と布を傷口から剥がしていくと、唸り声を上げたけれど彼女は我慢してくれた。
鋭利な刃物で切られたと思わしき、肩甲骨から胸に掛けた傷が出てきた。傷ができてまだ日が浅いらしく傷口は鮮やかな赤みを帯び、じくじくと出血していた。そして身体が熱い。
騎士が持ってきたと言う傷薬を見ると、消毒薬と血止め薬、油紙に布、包帯と揃っている。消毒すると身体がびくりとはねたが彼女は何も言わなかった。血止め薬を塗り、新しい布と油紙で傷口を覆い包帯を巻いていく。
しかしこれではかなり広範囲に傷跡が残るだろう。私と変わらない年頃なのにと内心思って治療した。
「熱があるので、水を飲んで安静にしてください」
そう言うと彼女がのろのろとまたベットに横になる。
「彼女の看病をミラとエレナにお願いします」
そう言って私達の返事を聞いて院長様は部屋から出て行かれた。エレナが近くに来た。
「ミラ 私は水を持ってくるわ。彼女食事はできるかしら」
「熱が高そうなので今は無理かと」
エレナが持ってきてくれた水を彼女に渡して飲んでもらう。
「ぬるい。冷たい水はないの」
「ここに冷たい水はないわ。冷たくするなら真冬に外に出しておくしか方法がないから」
「ふーん そんなとこであたし暮らすんだ」
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「どうして」
「ミラは知らない?王宮には氷室がいくつもあって真夏でも氷があるのよ」
「王宮に行ったことはあるけど、それは知らないわ」
「彼女も貴族ーそれも高位貴族かもね」
エレナこそどうしてそんな事知ってるのだろうか。
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