2 / 8
学園図書館
しおりを挟む
手元のタブレット端末に写し出された小説を読んでいるとふと妙な感覚を覚える。こうなにか大きな見落としをしているような。
「如何かしたか蒼司?」
「いや少し嫌な気配がしただけ」
すぐ側でスマホを弄っていた親友の本城颯太にはその違和感を感じたことを悟られていたらしい。ただそれとは別に少しソワソワしている。
「あ~お前の直感って変な癖があるよな」
「変なってな。今回も良いとは思うが…」
端末の向きを変え一部の設定を指す。
「毎度思うが人をモデルにするなよ」
颯太は人気ラノベ作家白峯ハジメとして活動しており誤字脱字がないかの確認をする事が多い。なんでも著者や編集だけでは気付かないこともよくあることだと。コイツの場合は本当に稀なのだが本人的には0にしたいらしい。あと何故かよく自分の周辺の人物をモデルとすることが多い。今回に関してはそれが顕著だ。
「孤児でとある秘密を抱えた女性に拾われてその女性に武芸を仕込まれたが故にいろんなモノに目を付けられる俺この人物を知ってるんだが」
というか俺自身だ。渡辺蒼司という名前もその女性が名付けたものだし自衛のためと叩きつけられた武芸により色々と眼を付けられていることも事実。
「はっはっはそれは気のせいさ」
「高笑いやめい。今日は居るのか?」
「午前中だけだし居るよ。誰かとは違って学園内での仕事なんてないし」
授業中に小説書いているくせによく言うな。それでも自身の執筆ジャンルに関わる場合は高得点を普通に出すしそうでない場合も平均点はキープしているから問題は無い。
「…仕事してくる」
少しだけ恨めし顔で颯太の顔を睨み手荷物を纏めるとすぐに学園内にある図書館へと向かう。
学園図書館は教室がある高等部A棟から約100mは離れている特別棟でそこから50m離れた地点に旧特別棟という今は使われていない特別教室が多く点在する校舎もある。その旧特別棟は根も葉もない噂だったりちょっとした火遊びの場にも使われていたりするのであまり近寄りたくもないのだが地下には最新鋭のシェルターという災害時には非常にお世話になるので常時開放されている。
…もっともその所為でそんな事態になっていたりするのだが。
ちなみに屋上は告白スポットとしても有名である。ここかなり良い私立にしてはそこら辺がかなり緩いだよな。
今時珍しい事に家が決めた婚姻関係のせいだろうか?どちらにしろ孤児である俺には関係のない事だが。
「ごめんね渡辺くん。急に呼びつけて」
図書館の司書室に入ると既にその人物はいた。…機械音痴なのにまたパソコンと睨めっこしているよこの人。
「いえ大丈夫ですよ赤嶺さん」
某メロンパン大好きツンデレのような赤髪をポニーテールで纏めた人物はこの学園図書館の司書の赤嶺四葉さん。現在の俺の親権保持者でもありカウンセラーやソムリエなどの資格を持つエリートでもありお目付役でもある。
ただ仕事を掛け持ちしすぎて今のようにかなり危険水準に落ちるまで周りにヘルプを出さないのでかなり大変な事にもなる。今回はたまたま気がつけたのでセーフだが。
「取り敢えずラミネートとデータ入力をお願い」
「了解。って今日会合の日ですか?」
「うん。珍しく遠場でね。お昼には閉めないといけないんだ」
そういえば今日ってそんな長く開けないって図書館通信に書いたよな。ここ最近珍しくやる事が多かったからこっちまで思考をあまり割けていなかったのが仇になったか。
「分かりました」
ラミネート作業用の道具を俺専用の机の上に広げて足元にある新刊の図書を幾つか取り出しナンバーシールを貼りカバーを掛ける。
「終わりました」
「は~い。というか今日もう終わってるよ?」
手元の時計を見ると既に13時である。全然気付かないのもなんだが少しは声掛けてくれよ。
「っとマジか。会合は?」
「大丈夫よ今から出ればって」
微かな地震が起きる。揺れ具合からしてマグニチュード3くらいか?
「最近多いわねこの手の地震」
「ええ。少なくとも今日だけで50件目だ」
「まあ最近多いからこの程度の地震じゃあ公共交通機関は止まらないよね」
確かに。新年度から異様なほどにマグニチュード3以下の地震の数が増えている。
「コレって何かの凶兆よね?」
「如何かしたか蒼司?」
「いや少し嫌な気配がしただけ」
すぐ側でスマホを弄っていた親友の本城颯太にはその違和感を感じたことを悟られていたらしい。ただそれとは別に少しソワソワしている。
「あ~お前の直感って変な癖があるよな」
「変なってな。今回も良いとは思うが…」
端末の向きを変え一部の設定を指す。
「毎度思うが人をモデルにするなよ」
颯太は人気ラノベ作家白峯ハジメとして活動しており誤字脱字がないかの確認をする事が多い。なんでも著者や編集だけでは気付かないこともよくあることだと。コイツの場合は本当に稀なのだが本人的には0にしたいらしい。あと何故かよく自分の周辺の人物をモデルとすることが多い。今回に関してはそれが顕著だ。
「孤児でとある秘密を抱えた女性に拾われてその女性に武芸を仕込まれたが故にいろんなモノに目を付けられる俺この人物を知ってるんだが」
というか俺自身だ。渡辺蒼司という名前もその女性が名付けたものだし自衛のためと叩きつけられた武芸により色々と眼を付けられていることも事実。
「はっはっはそれは気のせいさ」
「高笑いやめい。今日は居るのか?」
「午前中だけだし居るよ。誰かとは違って学園内での仕事なんてないし」
授業中に小説書いているくせによく言うな。それでも自身の執筆ジャンルに関わる場合は高得点を普通に出すしそうでない場合も平均点はキープしているから問題は無い。
「…仕事してくる」
少しだけ恨めし顔で颯太の顔を睨み手荷物を纏めるとすぐに学園内にある図書館へと向かう。
学園図書館は教室がある高等部A棟から約100mは離れている特別棟でそこから50m離れた地点に旧特別棟という今は使われていない特別教室が多く点在する校舎もある。その旧特別棟は根も葉もない噂だったりちょっとした火遊びの場にも使われていたりするのであまり近寄りたくもないのだが地下には最新鋭のシェルターという災害時には非常にお世話になるので常時開放されている。
…もっともその所為でそんな事態になっていたりするのだが。
ちなみに屋上は告白スポットとしても有名である。ここかなり良い私立にしてはそこら辺がかなり緩いだよな。
今時珍しい事に家が決めた婚姻関係のせいだろうか?どちらにしろ孤児である俺には関係のない事だが。
「ごめんね渡辺くん。急に呼びつけて」
図書館の司書室に入ると既にその人物はいた。…機械音痴なのにまたパソコンと睨めっこしているよこの人。
「いえ大丈夫ですよ赤嶺さん」
某メロンパン大好きツンデレのような赤髪をポニーテールで纏めた人物はこの学園図書館の司書の赤嶺四葉さん。現在の俺の親権保持者でもありカウンセラーやソムリエなどの資格を持つエリートでもありお目付役でもある。
ただ仕事を掛け持ちしすぎて今のようにかなり危険水準に落ちるまで周りにヘルプを出さないのでかなり大変な事にもなる。今回はたまたま気がつけたのでセーフだが。
「取り敢えずラミネートとデータ入力をお願い」
「了解。って今日会合の日ですか?」
「うん。珍しく遠場でね。お昼には閉めないといけないんだ」
そういえば今日ってそんな長く開けないって図書館通信に書いたよな。ここ最近珍しくやる事が多かったからこっちまで思考をあまり割けていなかったのが仇になったか。
「分かりました」
ラミネート作業用の道具を俺専用の机の上に広げて足元にある新刊の図書を幾つか取り出しナンバーシールを貼りカバーを掛ける。
「終わりました」
「は~い。というか今日もう終わってるよ?」
手元の時計を見ると既に13時である。全然気付かないのもなんだが少しは声掛けてくれよ。
「っとマジか。会合は?」
「大丈夫よ今から出ればって」
微かな地震が起きる。揺れ具合からしてマグニチュード3くらいか?
「最近多いわねこの手の地震」
「ええ。少なくとも今日だけで50件目だ」
「まあ最近多いからこの程度の地震じゃあ公共交通機関は止まらないよね」
確かに。新年度から異様なほどにマグニチュード3以下の地震の数が増えている。
「コレって何かの凶兆よね?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
台風のよる、君ひそやかに、魔女高らかに
にしのくみすた
ファンタジー
【空を飛ぶ魔女たちの、もちもち百合ファンタジー・コメディ!】
台風の夜、魔女はホウキで空を翔け――嵐と戦う!
この街で台風と戦うのは、ホウキで飛ぶ魔女の仕事だ。
空を飛ぶ魔女に憧れながらも、魔法が使えない体質のため夢を諦めたモチコ。
台風の夜、嵐に襲われて絶体絶命のピンチに陥ったモチコを救ったのは、
誰よりも速く夜空を飛ぶ“疾風迅雷の魔女”ミライアだった。
ひょんな事からミライアの相方として飛ぶことになったモチコは、
先輩のミライアとともに何度も台風へ挑み、だんだんと成長していく。
ふたりの距離が少しずつ近づいていくなか、
ミライアがあやしい『実験』をしようと言い出して……?
史上最速で空を飛ぶことにこだわる変な先輩と、全く飛べない地味メガネの後輩。
ふたりは夜空に浮かんだホウキの上で、今夜も秘密の『実験』を続けていく――。
空を飛ぶ魔女たちの、もちもち百合ファンタジー・コメディ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる