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私が尽くす貴方は絶対②~プリマとジルの苦リスマス~
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「ジル今年もこの季節が来たわ。」
「そうですね。周辺国は警戒している事でしょう。」
「あら、クリスマスは感謝の意味を込めてプレゼントをする日でしょう。」
キラキラと子供のような笑顔を浮かべ言い放つプリマだが、毎年自分が迷惑をかけられたと思う人物に感謝という名のプレゼントを送り付け贈られた者達は恐怖に震えていた。
「昨年は確かサイロの商人に宝石を主食にする蛇を送り付けて破産に追い込んでおられましたね。」
「破産はギリギリして免れたので残念だったわ。」
「一昨年はテンダムの貴族令嬢に映る度に五歳老ける鏡を送り付けご令嬢は三度映り込み婚約破棄され今も独り身とか。」
「あの鏡、割れないようにしておくべきだったわ。」
ジルは残念そうに頬に手を当てるプリマを冷えきった目で見つめた。
今年は世話になった者が多い。大惨事にならない事をジルは密かに願った。
クリスマス当日、ジルは朝から屋敷を飾り付け豪華な料理といつもより華やかにしたケーキを用意してプリマが起きるのを待った。
クリスマスの当日の朝はいつも起こさないように言われているので準備が終わっても呼びには行かない。
プリマからの感謝のプレゼントは昨日三つ用意され、日付が変わった瞬間に届けられるように魔法がかけられた。
既に時刻は昼前の為、今頃は開封され被害にあっている頃と推察される。
「おはようジル。」
「おはようございます。プリマ様。」
「ジル、貴方に私からのプレゼントよ。」
ジルは一瞬耳を疑った。
今までプリマからプレゼントなどもらった事が無い。つまりは昨日用意されたモノと同様のプレゼントがジルに渡された疑いが強い。
もしそうであれば全力で拒否したいところだが 、恋人からのプレゼントを拒否するなどそれこそ恐ろしくて出来ない。
「ありがとうございます。プリマ様からプレゼントをもらったのは初めてですね。」
笑顔でプレゼント箱を受け取ったジルは後で森に入り被害が出ないかたちで開封しようとプレゼントを異空間の収納に入れようとした。
「開けてはくれないのかしら。」
「後でゆっくりと、と思っておりましたが…」
プリマは開けるように目で強く訴えかけた。
逃げたい気持ちでいっぱいのジルだったがその願いは叶いそうもない。苦肉の策でジルはプリマにプレゼントの入った小箱を渡した。
「私からのクリスマスプレゼントです。私にも貴女の喜ぶ顔を見せてください。」
「し、仕方ないから開けるわ。」
ジルの策は成功しプリマは箱を開ける。
中に入っていたのはラピスラズリの指輪でその色はジルの瞳と同じ色だった。
「ベタですが、今の私の色を身につけて欲しくて。」
「……悪くないわ。ありがとう。」
照れているのを顔に出さないように頑張るプリマを可愛いと思いながらも意を決してジルは手に持つ箱を開ける。箱の中にはイエローダイヤモンドのピアスと折りたたみの杖が入っていた。
「少し似たものになってしまったわね。」
ジルは心の中でプリマに謝罪をしプリマに礼を言った。
後ほど、鏡でプレゼントの送り先を映し出したプリマは送り付けた足に絡みついてくるスカーフが大活躍しているのを満足気に眺めていた。
「そうですね。周辺国は警戒している事でしょう。」
「あら、クリスマスは感謝の意味を込めてプレゼントをする日でしょう。」
キラキラと子供のような笑顔を浮かべ言い放つプリマだが、毎年自分が迷惑をかけられたと思う人物に感謝という名のプレゼントを送り付け贈られた者達は恐怖に震えていた。
「昨年は確かサイロの商人に宝石を主食にする蛇を送り付けて破産に追い込んでおられましたね。」
「破産はギリギリして免れたので残念だったわ。」
「一昨年はテンダムの貴族令嬢に映る度に五歳老ける鏡を送り付けご令嬢は三度映り込み婚約破棄され今も独り身とか。」
「あの鏡、割れないようにしておくべきだったわ。」
ジルは残念そうに頬に手を当てるプリマを冷えきった目で見つめた。
今年は世話になった者が多い。大惨事にならない事をジルは密かに願った。
クリスマス当日、ジルは朝から屋敷を飾り付け豪華な料理といつもより華やかにしたケーキを用意してプリマが起きるのを待った。
クリスマスの当日の朝はいつも起こさないように言われているので準備が終わっても呼びには行かない。
プリマからの感謝のプレゼントは昨日三つ用意され、日付が変わった瞬間に届けられるように魔法がかけられた。
既に時刻は昼前の為、今頃は開封され被害にあっている頃と推察される。
「おはようジル。」
「おはようございます。プリマ様。」
「ジル、貴方に私からのプレゼントよ。」
ジルは一瞬耳を疑った。
今までプリマからプレゼントなどもらった事が無い。つまりは昨日用意されたモノと同様のプレゼントがジルに渡された疑いが強い。
もしそうであれば全力で拒否したいところだが 、恋人からのプレゼントを拒否するなどそれこそ恐ろしくて出来ない。
「ありがとうございます。プリマ様からプレゼントをもらったのは初めてですね。」
笑顔でプレゼント箱を受け取ったジルは後で森に入り被害が出ないかたちで開封しようとプレゼントを異空間の収納に入れようとした。
「開けてはくれないのかしら。」
「後でゆっくりと、と思っておりましたが…」
プリマは開けるように目で強く訴えかけた。
逃げたい気持ちでいっぱいのジルだったがその願いは叶いそうもない。苦肉の策でジルはプリマにプレゼントの入った小箱を渡した。
「私からのクリスマスプレゼントです。私にも貴女の喜ぶ顔を見せてください。」
「し、仕方ないから開けるわ。」
ジルの策は成功しプリマは箱を開ける。
中に入っていたのはラピスラズリの指輪でその色はジルの瞳と同じ色だった。
「ベタですが、今の私の色を身につけて欲しくて。」
「……悪くないわ。ありがとう。」
照れているのを顔に出さないように頑張るプリマを可愛いと思いながらも意を決してジルは手に持つ箱を開ける。箱の中にはイエローダイヤモンドのピアスと折りたたみの杖が入っていた。
「少し似たものになってしまったわね。」
ジルは心の中でプリマに謝罪をしプリマに礼を言った。
後ほど、鏡でプレゼントの送り先を映し出したプリマは送り付けた足に絡みついてくるスカーフが大活躍しているのを満足気に眺めていた。
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