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あなたは私にドキドキしない①~リンゴとアランの華やかなクリスマス~
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今日はクリスマス。
花屋としてはかきいれ時で、アランとスモモは両親を手伝い店先に立つ。
「マダム、花束のご注文ありがとうございます。」
「はいは~い!スモモ専用のお花はここにありますよ~!買ってくれたらお花にスモモがチュッてしてあげま~す。」
母親の前は花束の注文、父親の前は既製品の支払い、二人の前には当人目的の列ができ連携の取れた客さばきだ。
昼過ぎには在庫切れの花も出てきてクリスマスの恩恵に家族で感謝した。
「は~い!スモモ専用のお花は売り切れで~す!」
完売宣言したスモモは早々と支度をして休憩と言って出かけた。
その姿を女性客の相手をしながらチラリと見たアランは自分はまだ休憩できそうにないなと出そうになるため息をグッと我慢した。
アランの行列が無くなりかけの頃、少し離れた場所に列をなす人々の姿が見えた。その先頭では膝上までスリットの入ったワンピース姿のリンゴが笑顔で何かを販売しており、アランはコートを手にリンゴの元へと駆け出していく。
「さあさクリスマスにピッタリ、小さなお子さんから恋人や嫁皆さん喜ぶ真っ赤なリンゴの薔薇買ってってや~!」
「そんな格好してると風邪ひくぞ!」
「あら、花屋のプリンスさんおおきに。でもこの身体も商売道具やコートなんて羽織ったら台無しや。」
リンゴはアランが肩にかけたコートを脱ごうと手をかけたが、アランがコートから手を離さないので脱ぐことが出来ない。手を離すよう言おうとするとアランが意外に真剣な顔をしていたので何だか言い出しづらかった。
「ん~ならウチの身体が冷えてまう前に売ってしまえばええな!流石プリンスさん、自ら手伝ってくれるなんて優し~!!」
リンゴは茶化しながらアランの手伝いを促した。アランは素直にリンゴに優しいと言われ顔を真っ赤にしながら「し、仕方がないな!」と手伝い始める。
最後の一人にリンゴの薔薇が渡される頃、チラチラと雪が降り始めリンゴとアランは撤収作業を始めた。
「おおきに。プリンスさんのお陰ではよお客さん捌けたわ。」
「べ、別に暇だっただけだ。それより早く帰らないと雪、酷くなるぞ。」
「ふふ、これはお礼ね。」
リンゴは最後に残ったリンゴの薔薇をアランに差し出す。アランがそれを受け取ろうと手を伸ばすとリンゴはアランの冷たくなった手を取りリリンの薔薇をその手のひらに乗せた。
「ウチやと思うて堪能したってな。」
「なっ?!」
顔を真っ赤にして身を強ばらせたアランから手を引いたリンゴはさっさと荷物を持って歩き出す。
アランはリンゴが見えなくなってやっと正気に戻るとフラフラと家に戻って行った。
次の日、リンゴはコートを返しにアランの元に行くとアランの母親から熱を出して寝込んでいると言われた。少し罪悪感を感じたので看病を申し出てアランの部屋に上がり込むとリンゴの薔薇が飾られているのを発見。
「病人にはリンゴやんな。」
リンゴの薔薇を手際よく食べやすい大きさに切るとそれをあ~んと言いながら真っ赤な顔のアランの口に運んだ。
花屋としてはかきいれ時で、アランとスモモは両親を手伝い店先に立つ。
「マダム、花束のご注文ありがとうございます。」
「はいは~い!スモモ専用のお花はここにありますよ~!買ってくれたらお花にスモモがチュッてしてあげま~す。」
母親の前は花束の注文、父親の前は既製品の支払い、二人の前には当人目的の列ができ連携の取れた客さばきだ。
昼過ぎには在庫切れの花も出てきてクリスマスの恩恵に家族で感謝した。
「は~い!スモモ専用のお花は売り切れで~す!」
完売宣言したスモモは早々と支度をして休憩と言って出かけた。
その姿を女性客の相手をしながらチラリと見たアランは自分はまだ休憩できそうにないなと出そうになるため息をグッと我慢した。
アランの行列が無くなりかけの頃、少し離れた場所に列をなす人々の姿が見えた。その先頭では膝上までスリットの入ったワンピース姿のリンゴが笑顔で何かを販売しており、アランはコートを手にリンゴの元へと駆け出していく。
「さあさクリスマスにピッタリ、小さなお子さんから恋人や嫁皆さん喜ぶ真っ赤なリンゴの薔薇買ってってや~!」
「そんな格好してると風邪ひくぞ!」
「あら、花屋のプリンスさんおおきに。でもこの身体も商売道具やコートなんて羽織ったら台無しや。」
リンゴはアランが肩にかけたコートを脱ごうと手をかけたが、アランがコートから手を離さないので脱ぐことが出来ない。手を離すよう言おうとするとアランが意外に真剣な顔をしていたので何だか言い出しづらかった。
「ん~ならウチの身体が冷えてまう前に売ってしまえばええな!流石プリンスさん、自ら手伝ってくれるなんて優し~!!」
リンゴは茶化しながらアランの手伝いを促した。アランは素直にリンゴに優しいと言われ顔を真っ赤にしながら「し、仕方がないな!」と手伝い始める。
最後の一人にリンゴの薔薇が渡される頃、チラチラと雪が降り始めリンゴとアランは撤収作業を始めた。
「おおきに。プリンスさんのお陰ではよお客さん捌けたわ。」
「べ、別に暇だっただけだ。それより早く帰らないと雪、酷くなるぞ。」
「ふふ、これはお礼ね。」
リンゴは最後に残ったリンゴの薔薇をアランに差し出す。アランがそれを受け取ろうと手を伸ばすとリンゴはアランの冷たくなった手を取りリリンの薔薇をその手のひらに乗せた。
「ウチやと思うて堪能したってな。」
「なっ?!」
顔を真っ赤にして身を強ばらせたアランから手を引いたリンゴはさっさと荷物を持って歩き出す。
アランはリンゴが見えなくなってやっと正気に戻るとフラフラと家に戻って行った。
次の日、リンゴはコートを返しにアランの元に行くとアランの母親から熱を出して寝込んでいると言われた。少し罪悪感を感じたので看病を申し出てアランの部屋に上がり込むとリンゴの薔薇が飾られているのを発見。
「病人にはリンゴやんな。」
リンゴの薔薇を手際よく食べやすい大きさに切るとそれをあ~んと言いながら真っ赤な顔のアランの口に運んだ。
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