甘い言葉を囁いて

聖 りんご

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じゅうきゅう

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カフェからそのままお祖母様の家に行く事になりもうすぐお祖母様のお家に着きます。
レン兄様が先触れを出していたけれど私達が着くのとそんなに時差はないから普通ならギリギリ失礼です。

でもお祖母様はきっと怒らない。
お祖母様はレン兄様を溺愛されているから…。

お祖母様の家に着くと応接間に通されてお祖母様を待ちます。
伏せっていると聞いていましたが大丈夫なのでしょうか。

「皆さんようこそ我が家へ。ああ…レン、会いたかったですよ。この婆によく顔を見せて下さい。」

「…お久しぶりですお祖母様。この場にはミシュもいるのですが。」

「ミシュ…ミシュラン。屋敷を出るとは何事ですか。貴女は誰の迷惑にもならぬように屋敷から出ぬよう言ってあったはずです。」

「…お祖母様、俺が連れてきたんですよ。伏せっていると聞いていましたが見舞いの必要は無かったようです。


「レンの顔を見て元気になっただけです。それよりこちらはレンのご友人かしら。」

お祖母様は相変わらずですね。
レン兄さまが第一でその他は次、私は気に食わない行動をした時だけ叱咤する。
存在を無視するお母様よりマシなのかもしれませんが。

「こちらはミシュの婚約者のロードウィン侯爵子息とゆ、友人のエルメ公爵子息です。」

「侯爵家と公爵家のご子息?!しかもミシュランの婚約者ですって!!ミシュラン、身の程を弁えなさい。貴女にはすぎた身分の方々です。

ああ、ろくにご挨拶もせずに申し訳ございません。
レンの祖母の「ああ、挨拶は結構です。」…え?」

「エルメ公爵子息の言うとおり時間の無駄だし本題に入ろう。レン。」

レン兄様もハリー様も…フラット様さえ怒りを抑えてる声でした。
やはりここに皆で来るべきでは無かったですね。
さっさと確認だけして終わりましょう。
どうせお祖母様から“愛してる”なんて言われる訳が無いのですから…。

「単刀直入に伺います。
ミシュの眼に呪いをかけて見えなくしたのはお祖母様で間違いありませんね?」

「な、何を言っているのです。お客様の前ですよ。」

「今日は皆でそれを確認に来たのです。」

「呪い師のナタレという女性、知ってますね。」

「ナタレからミシュの眼の呪いについては聞いています。祖母である貴女がかけた事の確認も。」

「な、な、そんな何処の誰とも知れない者の言葉を信じるとは愚かなっ!ミシュラン、貴女が彼らを騙しているのですね?!このっ!」

パシンと音と共に私の左頬が痛みました。
ジンジンと熱を持って…。
ああ、もうウンザリです!


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