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手段:消しゴム

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 僕は田中、能力を作る能力を持っている以外は普通の高校生。
 世界で一番頭が良くなる能力を作ったから一番頭が良い筈なんだけど、何故かテストで普通な点数しか取れないのと――
「お前が田中だな、今日お前はここで死ぬ」
 他の能力者に狙われやすいのが悩みかな。
「何をいきなり言ってくるんですか、貴方は誰?何故僕に襲い掛かろうと?」
「お前に名乗る名は無い!お前の存在は私の罪なんだ、ここで消させてもらう」
「何をいきなり?!僕が何をしたと?!」
「そうか自覚もしていない……お前には私の苦しみが分からないだろう――死ねい!」
「ガハッ――何を、したん、だ……」
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
 僕の背中に熱を感じる、何だこの何かでグリグリと抉られるような痛みは!
「お前には私の能力は避けられないだろう、第4の壁を超えお前を間接的に直接攻撃しているからな!」
「第4の壁……って何?」
 何だっけどこかで聞いたことある気がするんだけど、ちょっとまって思い出せないからまっ痛たたたたた?!?!
「ほら死ね!さっさと死ね!」
 僕を殺そうとどんどん僕を攻撃してきている、早く対処……の前に第4の壁ってなんだか調べないと。 
 世界で一番頭が良くなる能力!
――第4の壁:演劇の観客席側は壁がないけど演者達は透明な壁があると認識し、観客は存在しないものとして演じているよ!
第4の壁を超える、役者が第4の壁を認識せずに観客に声をかけたりする……つまりメタ発言?よく分かんないや――
「この世界の存在は3次元だ!しかし私は4次元から攻撃している!お前には避けることすらままならないだろうさ!高い次元は認識できないからな!」
「……漫画のキャラクターっで2次元だけど、僕ら3次元から修正液で真っ白にしたらその2次元のキャラクターって死ぬ?」
「お前は何を言っているんだ?死ぬわけないだ……ろ?」
 よし、痛くなくなった。
「僕が能力を今作った、謎の理論にツッコミを入れ相手に疑問を覚えさせる事で能力を封じる能力……貴方はもうその能力を使えないでしょう!」
「くっ、覚えていろ田中!お前は私の黒歴史なんだ、いつか絶対に殺してやる!」
 目の前の男はそう吐き捨てると、どこかへ走り去っていった……一体何だったんだろうか。
 僕は不審者が怖いということを改めて認識し、身を守る手段を考えながら家に帰った。
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