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〜第一章〜
〜プロローグ〜
しおりを挟む誰もが眠り込んだ深夜の空を小さな光が駆けていた。
それを見上げた者がいたとすれば飛行機だと思うだろう。
しかし、それは魔法使いの飛 翔魔法による魔力の発光だ。
凍てつくような空気を切り裂く様に飛んでいるのは、ぼろぼろな外套を纏った少女だ。
少女は右の懐から掌サイズの箱を取り出し、確認をすると、後方へと目を向ける。
魔力を掻き乱さずに飛翔する事は不可能だから追っ手があるのならば魔力を感じる事ができるはずだ。が、その魔力は今はない。
逆に言えば、少女も場所を教えている様なものの為、目的地の少し手前の路地裏へと降り、誰も居ない事を確認すると歩きだす。
路地裏を出て商店街に入ると流石に今の時間では店なども開いておらず、点々と外灯が虚しく光っているだけである。ここを抜ければ目的地まであと少しである。足が徐々に速まる。
ーギギギギッー
微かに聴こえる不気味な音が近づいてきた。
ー殺気だ。
少女が振り返った瞬間、戦斧を振り上げた豚の化け物が目に映った。
頭は豚、銀色の鎧を着たそれは俗に言うオークである。
オークは戦斧を少女の頭目掛け振り下ろす。
少女はそれをバックステップで避け、右中指の指輪を瞬く間に白いロッドに変化させ、オークへと魔法弾を放つ。オークは吹っ飛ぶこともなく灰と化す。
少女はそのまま飛翔魔法を使い、地面スレスレを飛び、目的地の神社の神木の前で止まる。 左手を神木に当て、魔法を唱えだす。足元から魔法陣が浮かび上がり徐々にその範囲は神社全てを白く発光させた。
光が失われた時には少女の左手にはビー玉位の緑色の水晶玉が握られていた。
そして、水晶玉を箱にしまおうとした時、強大な魔力を感じた。それは神木の上空の陰を歪め、現れた。
少年は頭を黒い布で覆い、外套を纏い、右手には黒刀が握られている。
少女は少年に何か叫んでいるが少年は無表情のまま左手を横に振り、五つの黒い魔法弾を放つ。
少女は飛翔魔法を使い、空へと離脱。しかし、黒い魔法弾は地面にぶつかって爆発する事はなく、角度を少女へ変えた。
少女も左手を振り、白い魔法弾を放ち、粉砕する。
二人の間に白い煙が壁を作る。
少女は白い壁の中に蠢くモノに気付くと右手に持っていたロッドを自分の前に構え、少年の黒刀を防ぐ。
しかし、黒刀の衝撃に耐えられず少女の身体は飛ばされ、木にぶつかり、動かなくなってしまった。
少年は地上に降りると少女へと近付いて行き、持っていた緑色の水晶玉と箱を持ち、また、陰へと消えていった。
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