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第1話
その2
しおりを挟むわたしがサージェ様のお屋敷にお世話になる事になったのは、魔法を使っているところを見られて聖女様と間違われちゃったからだ。
ただ、見てたのが一人だけだったから、わたしは否定しまくって誤魔化している。
だから神殿は聖女認定が出来ず、候補という形でわたしを保護及び観察することになった。
冗談じゃないよね。四六時中見張られてるなんて。万が一魔女だってバレた時の事も怖いし。
けどそのおかげでサージェ様の屋敷に住まわせてもらうことになったの。
最初はわたしの住んでる場所に定期的に様子を見に来たりするって言ってたんだけど、わたしが拒否したのね。「今住んでるのは遠い親戚のおばあちゃんちだから、そんな迷惑はかけられない」って。
そしたらサージェ様の所にお世話になったらって話になって。
サージェ様は神殿に仕える聖騎士で、元々は他の聖騎士達と一緒に神殿で暮らしていたらしい。
けどサージェ様のお兄さん、マビちゃんのお父さんにあたるんだけど、その人が亡くなって、マビちゃんのお母さんが再婚するのにマビちゃんもついて行く事になって、それでこのお屋敷がサージェ様のものになったらしい。
ちなみに今わたしが使ってるのは、元々マビちゃんの部屋だったって。
まあそんなわけで、大きな家を持ってる聖騎士、しかもわたしとは親子程の年の差があるってんで、神殿側はわたしにサージェ様のところでお世話になれって言ってきたわけ。
「エミるんが聖女様じゃないって言いはるのは、本当に違うから? それとも叔父さんの事が好きだから?」
聖女様じゃないって主張するわたしに最初マビちゃんはびっくりしてたけど、すぐにニマニマとしてそう訊いてくる。
「本当に違うの。あ、もちろんサージェ様の事も好きだけど」
この主張だけは変えるつもりはない。だって本当に違うし、万が一魔女だってバレた時、ただ「魔女だ!」って言われるより「聖女様の名を語った魔女め!」って言われる方が怖いじゃん。
もちろん魔女だって事はバレないよう、気をつけてるけどね!
そんな話をしていると、ノックと共に声をかけられた。
「エミルさん。聖騎士のコーウィさんがいらしていますが、お通ししてもよろしいですか?」
コーウィさんはサージェ様の部下に当たる人で、わたし達とほぼ同じくらいかちょっと年上の人だ。
「お久しぶりです、聖女様。再びお会いすることが出来て光栄です」
瞳を潤ませコーウィさんがわたしを見る。うん。ウザい。
「つい先日会ったばかりだし、わたしは聖女様じゃありません」
何度言ったところでコーウィさんはわたしを聖女様と呼ぶ。なぜなら。
「何故聖女様が否定されるのかは分かりませんが、私はこの目でその奇跡を見ておりますから」
そう、コーウィさんが唯一わたしが魔法を使ってるところを見た目撃者なのだ。
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