悪役の私と始の湖

神楽

文字の大きさ
上 下
7 / 7
終の物語

ありがとう、さようなら

しおりを挟む





                  あの”始の湖”に。














 「着いた。相変わらず変わらないのね。この場所は。あの時のあの美しさのまま。」


















                「ただいま。”私”」














あの湖は、五千年経ってもまったく変わっていなかった。


 湖には、精霊達が舞い、話し声が聞こえる。
 周りには、とうの昔に滅びたとされる、”月華”が咲いていた。


 湖を覗き込むと、”アルと昔の私”がいた。

















 「あぁ、これでやっと終わる。」


そう呟くと、私の仮面が剥がれ落ちた。


 「……まるで、ストーカー、いいえ、ヤンデレじゃない……」


 私の目から涙が流れた。


 「お母様、いいえ、ナルーシャ、貴女からアルを守れると言うのなら、私は、なんだってする。……この命をかけても……」


























       …………さようなら、アル…………
























          …………ありがとう…………
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...