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しおりを挟むそして、俺はもう一度この世に生まれ落ちた。
生みの両親は、戦争の火種を被り共に亡くなったらしい。身寄りもなかった俺は辺境の教会へと預けられ、今は修道者として教会を手伝っている。
「ヘーラ!」
「はい、なんですか? 院長」
広場で他の修道者と洗濯物を干しているとき、院長がやってきて呼び出された。
「明日は王城へいってもらえるか」
「…あ、月に一度の検診ですか?」
「あぁ、やっぱり人が足りないらしくてね。お前の手を借りたいそうだ」
「そんな。俺なんかで役に立てるなら構いませんよ」
月に一度、王城で軍人たちの検診を行なっているのだが、薬学に明るい人が少ないらしい。
母親が薬師だったこともあり俺は幼い頃に覚えさせられていて、簡単なことなら分かっていたのでそれで増援に駆り出されていた。
「……いつも、お前にばかり負担をかけてすまないな」
「何をいってるんです。身寄りを亡くした俺をここまで育ててくれた院長に、恩返ししたいんです。………あの人たちには、できなかったから」
「………そういうお前にいつも甘えて、私は悪い大人だな」
「またそうやって、院長はすぐ卑屈になんだから!」
「本当に感謝してるんだぜ、俺たちは」
話を聞きつけてやってきた他の修道者と、そう言い合って笑い合う。
前の生ではあり得なかった光景。どうやっても手が届くことがないと分かっていた『普通』に、俺は今存在している。
なんて幸せなんだろうか。優しい人たちに囲まれ、こうして日々を過ごせるのは。
…それに、月に一度王城へ行くのは俺の密かな楽しみになっていた。
「…また会えるかな」
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