見続ける者

ryU

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4月

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 4月1日、19時。
 今日は新しい人間がやってきた。
 この部屋での人間の入れ替えは何度目だろうか。今回のは真面目そうな青年だった。
 彼は部屋に入ってくるなり、慣れない手つきで荷解きを始めた。と、思ったら布団だけ出して寝てしまった。故郷からの移動で疲れていたのかもしれない。明日も休日であるから、明日やっつけてしまう予定なのだろう。
 その日は私も眠りについた。



 4月2日、7時。
 私より早く、彼は起きていた。どうやら朝食の真っ最中のようだ。彼は近くのコンビニで買ってきたであろう簡素な弁当を口に押し込み、軽く準備体操を始めた。やる気である。
 15時頃には、積まれていたダンボールの山はあらかた片付いていた。あとは小物が入ったものが2、3個転がっているだけである。
 17時。彼は身支度を私の前で軽く整え、部屋を出ていった。今夜は外食らしい。行ってらっしゃい。



 4月28日、18時
 彼もそろそろこの部屋にも街にも慣れてきた頃だろうか。しかし、仕事にはまだ慣れていない様子であった。
 この頃、彼は帰ってくるなり、買ってきた菓子パンやおにぎりを口に突っ込むだけ突っ込んで、すぐに寝てしまう。
 慣れないというものは、案外ストレスになりやすいのかもしれない。
 お疲れ様、おやすみ青年。明日は土曜だからゆっくり休むといい。もっとも、私の声など届くはずはないのだが。
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