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不服
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セブルはとぼとぼと開け放たれた扉から外に出る。大工房に来てからというもの二度にわたってユウトを守ることが出来なかった自身の情けなさが嫌になったいた。
マレイには歯が立たずジヴァにも完全に手玉に取られ、なされるがままユウトの窮状を眺めているしかなかった不甲斐なさがぐるぐるとセブルの頭の中を駆け巡っている。なんのためにユウトについていこうとしたのかという目的さへかすみ始めるほど思考が重たくなっていた。
扉を出た軒先には日が差し込み石畳を照らしている。セブルはそこまで歩いてこてんとふてくされるように横たわった。
セブルの後ろでもぞもぞと気配がしている。それは人形に運ばれるラトムだろうとセブルには予想が着いたが反応するにも億劫になりそのまま放って置くことにした。
人形たちに運び出されたラトムはそっと石畳の上に置かれると同時に縛られていた糸が解けたようでバサバサと羽ばたかせて立ち上がった。
それと同時に扉は閉められる。
「あのあのっ!セブルさんっ!どうするっスか?ユウトさんがあの化け物みたいな人と二人きりっスよ!」
騒ぎ立てるラトムがセブルには煩わしく感じる。すでに自分たちではどうすることもできない状況であることを理解できていないラトムにせかされているようで腹立たしく感じていた。
「うるさいなラトム。ボクたちにはどうすることもできないんだよ。ユウトさんにはボクたちじゃ力不足で役に立てない」
「でもっ、でもっ」
ラトムは扉の前で閉ざされた扉を見上げてあきらめきれないようにそわそわしている。
「セブルとやら。君は自身の主人に仕えることをあきらめるつもりか?」
突然声を掛けられセブルは面倒そうにその方向へ顔を向ける。老人の頃のジヴァが座っていた椅子のひじ掛けにとまったラトムに似た鳥が一匹、名前をジェスと言ったかと鈍い思考のセブルは思い起こした。
「ジェスと言ったか。ジヴァのしもべが何のようだ」
「主人から仰せつかった指令はこなせばならん。セブル、ラトムの両目に技術を教えるという役目がある」
「えっ!ほんとっスか!何か強くなる技を教えてくれるっスか!」
ラトムは嬉しそうにそれまでの心配をよそに飛び跳ねて羽ばたかせながら興味津々にジェスのもとに歩み寄る。
「どうするセブル。ラトムはやる気のようだぞ」
「ぐっ」
無邪気にはしゃぐラトムに対してセブルは不満の視線でにらむもののラトムは頭上のジェスに気を取られていて気づかないようだった。
「聞けセブル。あのジヴァ様が技術の教授を指示されるということはまずありえないことだ。それだけセブルの忠誠心に敬意を払われたのだと私は考える。ならばその対価を受け取らないと頑なになるのは君の主人のユウト殿をないがしろにすることではないか?」
セブルはラトムに向けていた視線をそのままジェスへと向けた。
「ボクがユウトさんをないがしろにするだって?」
怒気を込められた声がジェスに向けられる。ジェスはさらに言葉を続けた。
「そうだ。セブル、君は自身の意思で主人を決めただろう。生命の輪廻から外れた我々魔物は仕える主人がいてこその生物だ。主人が我々の生きる意味になる。理由は知らないが君が仕えたいと願ったユウト殿は変わってしまったのか?ユウト殿は君が仕えるにふさわしくないのか?」
「さえずるな!あんたがユウトさんを語るんじゃない!救いを求める手をユウトさんは絶対に無視しない!嫌味な笑みで悦に入ることなんてしないんだ!」
気づけばセブルはジェスに正対してしっかりと立ち上がり言い迫っている。無意識の行動を自覚してセブルは居心地悪そうにジェスから目を背けた。
「オイラもユウトさんに救ってもらったっス!一生ついていくっス!」
ラトムがセブルの様子をお構いなしにぴょんぴょんと跳ね回ってはしゃぐ。
「ならば二方共、ユウト殿の力になるために修練を積む必要がある。経緯はどうあれ、私から話を聞いて損はないだろう?」
ジェスはそう言うとひじ掛けからセブルたちと同じ石畳の上に舞い降りる。バツが悪そうにしていたセブルもジェスへしっかりと向き直った。
「わかったよ。よろしく頼むジェス。確かにボク達はもっとユウトさんの役に立てるようになりたい」
落ち着いた声色で語るセブルに扉を抜けた時のような鬱々とした雰囲気はなくしおれていた体毛は精気を取り戻したようにふんわりとしている。興奮していたラトムも落ち着きを取り戻し三匹は向き合った。
日差しのあたたかな光が三匹を照らして修練が始まる。その様子をヨーレンは遠く庭の隅から眺めていた。
一時騒がしかった軒先が落ち着いたのを確認してほっとする。ジヴァとユウトとの会話中、暇を持て余していたヨーレンは庭師の人形達に目を付けられ手伝わされていたのだが扉が開いたことでしばらくその様子がうかがっていた。
ほっとしたつかの間、一体の人形がヨーレンの足元をつつき花壇を指さす。ヨーレンは苦笑いをしてしゃがみ込み草むしりを再開した。
マレイには歯が立たずジヴァにも完全に手玉に取られ、なされるがままユウトの窮状を眺めているしかなかった不甲斐なさがぐるぐるとセブルの頭の中を駆け巡っている。なんのためにユウトについていこうとしたのかという目的さへかすみ始めるほど思考が重たくなっていた。
扉を出た軒先には日が差し込み石畳を照らしている。セブルはそこまで歩いてこてんとふてくされるように横たわった。
セブルの後ろでもぞもぞと気配がしている。それは人形に運ばれるラトムだろうとセブルには予想が着いたが反応するにも億劫になりそのまま放って置くことにした。
人形たちに運び出されたラトムはそっと石畳の上に置かれると同時に縛られていた糸が解けたようでバサバサと羽ばたかせて立ち上がった。
それと同時に扉は閉められる。
「あのあのっ!セブルさんっ!どうするっスか?ユウトさんがあの化け物みたいな人と二人きりっスよ!」
騒ぎ立てるラトムがセブルには煩わしく感じる。すでに自分たちではどうすることもできない状況であることを理解できていないラトムにせかされているようで腹立たしく感じていた。
「うるさいなラトム。ボクたちにはどうすることもできないんだよ。ユウトさんにはボクたちじゃ力不足で役に立てない」
「でもっ、でもっ」
ラトムは扉の前で閉ざされた扉を見上げてあきらめきれないようにそわそわしている。
「セブルとやら。君は自身の主人に仕えることをあきらめるつもりか?」
突然声を掛けられセブルは面倒そうにその方向へ顔を向ける。老人の頃のジヴァが座っていた椅子のひじ掛けにとまったラトムに似た鳥が一匹、名前をジェスと言ったかと鈍い思考のセブルは思い起こした。
「ジェスと言ったか。ジヴァのしもべが何のようだ」
「主人から仰せつかった指令はこなせばならん。セブル、ラトムの両目に技術を教えるという役目がある」
「えっ!ほんとっスか!何か強くなる技を教えてくれるっスか!」
ラトムは嬉しそうにそれまでの心配をよそに飛び跳ねて羽ばたかせながら興味津々にジェスのもとに歩み寄る。
「どうするセブル。ラトムはやる気のようだぞ」
「ぐっ」
無邪気にはしゃぐラトムに対してセブルは不満の視線でにらむもののラトムは頭上のジェスに気を取られていて気づかないようだった。
「聞けセブル。あのジヴァ様が技術の教授を指示されるということはまずありえないことだ。それだけセブルの忠誠心に敬意を払われたのだと私は考える。ならばその対価を受け取らないと頑なになるのは君の主人のユウト殿をないがしろにすることではないか?」
セブルはラトムに向けていた視線をそのままジェスへと向けた。
「ボクがユウトさんをないがしろにするだって?」
怒気を込められた声がジェスに向けられる。ジェスはさらに言葉を続けた。
「そうだ。セブル、君は自身の意思で主人を決めただろう。生命の輪廻から外れた我々魔物は仕える主人がいてこその生物だ。主人が我々の生きる意味になる。理由は知らないが君が仕えたいと願ったユウト殿は変わってしまったのか?ユウト殿は君が仕えるにふさわしくないのか?」
「さえずるな!あんたがユウトさんを語るんじゃない!救いを求める手をユウトさんは絶対に無視しない!嫌味な笑みで悦に入ることなんてしないんだ!」
気づけばセブルはジェスに正対してしっかりと立ち上がり言い迫っている。無意識の行動を自覚してセブルは居心地悪そうにジェスから目を背けた。
「オイラもユウトさんに救ってもらったっス!一生ついていくっス!」
ラトムがセブルの様子をお構いなしにぴょんぴょんと跳ね回ってはしゃぐ。
「ならば二方共、ユウト殿の力になるために修練を積む必要がある。経緯はどうあれ、私から話を聞いて損はないだろう?」
ジェスはそう言うとひじ掛けからセブルたちと同じ石畳の上に舞い降りる。バツが悪そうにしていたセブルもジェスへしっかりと向き直った。
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落ち着いた声色で語るセブルに扉を抜けた時のような鬱々とした雰囲気はなくしおれていた体毛は精気を取り戻したようにふんわりとしている。興奮していたラトムも落ち着きを取り戻し三匹は向き合った。
日差しのあたたかな光が三匹を照らして修練が始まる。その様子をヨーレンは遠く庭の隅から眺めていた。
一時騒がしかった軒先が落ち着いたのを確認してほっとする。ジヴァとユウトとの会話中、暇を持て余していたヨーレンは庭師の人形達に目を付けられ手伝わされていたのだが扉が開いたことでしばらくその様子がうかがっていた。
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