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追跡
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天窓の隙間から光が漏れ出し寝室に朝を告げる。平たく伸びたセブルにくるまっているユウトは照らされて明るくなりゆく壁から背を向けるようにもじりと寝返りをうった。
「ユウトさん、ユウトさん。朝ですよ。起きなくていいんですか」
セブルはユウトの耳元で語り掛ける。その声はどこか心苦しさが滲んでいた。
「あー・・・。ありがとうセブル。今、起きるよ・・・」
ユウトは申し訳なさそうなセブルの声が自分を気遣ってのことだとすぐに想像がつき、眠たそうな返事を返しつつだるさの残る身体を起こす。ユウトの脳内は前日の眠りにつく前に自らセブルに頼みごとをした時の記憶が鮮明に思い浮かんだ。
「セブル、日が昇ったのを確認してオレが起き上がろうとしなかったら声を掛けてくれないか」
ベッドの上で身体をほぐしながら同じくベッドの上で平たくなっているセブルに声を掛けるユウト。
「はい、構いません。けど、どうしてですか?ここ数日、試作魔術具の試用試験でかなりお疲れですよね。朝食まで時間はあることですし、しっかり寝て疲労回復させた方がいいと思いますけど」
耳と顔を浮き上がらせたセブルは鳴き声を上げず魔力を発して意思を伝える。
「ガラルドを追いかけてみたいんだ。今後のことについても話しておきたい。いつも朝早く出かけていてオレが帰ってきた時にはもう寝てるしで、しばらく会ってないからな」
「わかりました。声を掛けますね。ガラルドの追跡にはボクやラトムに任せてください」
「はいっス!お役に立つっス」
セブルの上でころころと転がって遊んでいたラトムは仰向けのまま元気よく答える。
「うん、それじゃよろしく頼むよ。さて寝るか」
ユウトはそういって魔術灯の明かりを落とした。
そんなやり取りをしたことが脳内を駆け巡り半ば強制的に脳を叩き起こして寝ぼけた瞳がばちりと見開かれる。急いでセブルの温かい毛布とベッドから脚を出して靴を履き、剣や丸薬の付けられたベルトを巻いてフード付きのマントを羽織った。
セブルはまだ寝ぼけたラトムを加えてベッドからユウトに飛び移りマントの装飾品として擬態する。それを確認してユウトは部屋を小走りに出ると廊下をできるだけ音を立てずに小走りで駆け抜け玄関への階段を下った。
ちょうどその時ネイラとすれ違う。
「おはよう、ユウト。今日はどこかでかけるのか。朝食はどうする?」
「おはよう。朝飯は食べに戻るよ」
お互いに振り向きつつ短く言葉を交わす。ユウトはすぐに戸口へと向き直って大きな音を鳴らさないよう身長に開閉して外に出た。
外に出てユウトはあたりを見回す。建物がぎっしり並んだ街並みは直接日の光に照らされることはなく鳥のさえずりとそれぞれの建物の中からかすかに生活音を聞こえる程度だった。人の姿はなくガラルドすでに見えない。
「もういないか。セブル、ラトム。ガラルドを見つけられるか?」
「了解です。ラトム、起きた?」
「は、はいっス。起きてるっス」
ユウトの肩にとまるラトムの声はまだ少し眠気が見えるが水を浴びるように身体を震わせて準備を整えているようだった。
「じゃあラトム飛び上がって上空からガラルドを探して。まだ遠くには言っていないはず」
「了解っス!」
ラトムはユウトの肩から羽ばたいて飛び立ち、ある程度の高度まで昇ると羽ばたくのをやめる。そして翼を折りたたみ弾丸のように加速してさらに上昇速度を上げて空に昇った。
「すごいな、ラトム。どうなってるんだ」
ユウトは感嘆の声を漏らしながらラトムを目で追い空を見上げる。
「ラトムの種は羽に魔力を蓄積させて発熱やらできるらしいですよ。ジェスが言ってました。
それじゃあボクも準備しますね」
セブルはそう言うとユウトから少し離れた所に四つ足で降り立つ。ぐっと踏ん張り全身の毛をまるでウニのように全方向へ伸ばした。するとセブルは次第に白く染まりだし、さらにセブルを中心に石畳も白くなっていく。ユウトはその現象を注意深く観察すると白く見えるのはどうやら霜であるとわかった。
セブルを含め周辺の温度が急激に落ちたらしいようにユウトは感じる。セブルは針のように伸ばした毛を身体に戻すと身震いして全身の霜を落とした。それと同時にセブルの身体は膨れ、それまで胴の長い猫のような姿から今や豹のような大型のネコ科動物の姿へ変貌する。そのセブルの姿は魔女の森でもユウトは見ていたがその変身ぶりは初めて目にした。
「丸薬を使った時ほどじゃないけど変身できるようになったんだな。空気中の魔力を吸収しているのか?」
「そうです。丸薬よりも長い時間、身体の中に魔力を維持しておけますね」
その時ラトムの火の玉がユウト達の前に戻ってくる。翼を広げたまま器用にその場で滞空を始めた。
「見つけたっス。先導するのでついてきて欲しいっス。セブルに乗ってくださいっス」
「わかった。よろしく頼む」
「了解しました」
セブルは滑るような滑らかさでユウトに歩み寄り後ろから股をくぐると魔鳥との戦いと同様にユウトの身体を固定する。それを確認してラトムはさっそく目的地に向かって飛行を始め、セブルは高速で飛翔するラトムを追い始めた。
「ユウトさん、ユウトさん。朝ですよ。起きなくていいんですか」
セブルはユウトの耳元で語り掛ける。その声はどこか心苦しさが滲んでいた。
「あー・・・。ありがとうセブル。今、起きるよ・・・」
ユウトは申し訳なさそうなセブルの声が自分を気遣ってのことだとすぐに想像がつき、眠たそうな返事を返しつつだるさの残る身体を起こす。ユウトの脳内は前日の眠りにつく前に自らセブルに頼みごとをした時の記憶が鮮明に思い浮かんだ。
「セブル、日が昇ったのを確認してオレが起き上がろうとしなかったら声を掛けてくれないか」
ベッドの上で身体をほぐしながら同じくベッドの上で平たくなっているセブルに声を掛けるユウト。
「はい、構いません。けど、どうしてですか?ここ数日、試作魔術具の試用試験でかなりお疲れですよね。朝食まで時間はあることですし、しっかり寝て疲労回復させた方がいいと思いますけど」
耳と顔を浮き上がらせたセブルは鳴き声を上げず魔力を発して意思を伝える。
「ガラルドを追いかけてみたいんだ。今後のことについても話しておきたい。いつも朝早く出かけていてオレが帰ってきた時にはもう寝てるしで、しばらく会ってないからな」
「わかりました。声を掛けますね。ガラルドの追跡にはボクやラトムに任せてください」
「はいっス!お役に立つっス」
セブルの上でころころと転がって遊んでいたラトムは仰向けのまま元気よく答える。
「うん、それじゃよろしく頼むよ。さて寝るか」
ユウトはそういって魔術灯の明かりを落とした。
そんなやり取りをしたことが脳内を駆け巡り半ば強制的に脳を叩き起こして寝ぼけた瞳がばちりと見開かれる。急いでセブルの温かい毛布とベッドから脚を出して靴を履き、剣や丸薬の付けられたベルトを巻いてフード付きのマントを羽織った。
セブルはまだ寝ぼけたラトムを加えてベッドからユウトに飛び移りマントの装飾品として擬態する。それを確認してユウトは部屋を小走りに出ると廊下をできるだけ音を立てずに小走りで駆け抜け玄関への階段を下った。
ちょうどその時ネイラとすれ違う。
「おはよう、ユウト。今日はどこかでかけるのか。朝食はどうする?」
「おはよう。朝飯は食べに戻るよ」
お互いに振り向きつつ短く言葉を交わす。ユウトはすぐに戸口へと向き直って大きな音を鳴らさないよう身長に開閉して外に出た。
外に出てユウトはあたりを見回す。建物がぎっしり並んだ街並みは直接日の光に照らされることはなく鳥のさえずりとそれぞれの建物の中からかすかに生活音を聞こえる程度だった。人の姿はなくガラルドすでに見えない。
「もういないか。セブル、ラトム。ガラルドを見つけられるか?」
「了解です。ラトム、起きた?」
「は、はいっス。起きてるっス」
ユウトの肩にとまるラトムの声はまだ少し眠気が見えるが水を浴びるように身体を震わせて準備を整えているようだった。
「じゃあラトム飛び上がって上空からガラルドを探して。まだ遠くには言っていないはず」
「了解っス!」
ラトムはユウトの肩から羽ばたいて飛び立ち、ある程度の高度まで昇ると羽ばたくのをやめる。そして翼を折りたたみ弾丸のように加速してさらに上昇速度を上げて空に昇った。
「すごいな、ラトム。どうなってるんだ」
ユウトは感嘆の声を漏らしながらラトムを目で追い空を見上げる。
「ラトムの種は羽に魔力を蓄積させて発熱やらできるらしいですよ。ジェスが言ってました。
それじゃあボクも準備しますね」
セブルはそう言うとユウトから少し離れた所に四つ足で降り立つ。ぐっと踏ん張り全身の毛をまるでウニのように全方向へ伸ばした。するとセブルは次第に白く染まりだし、さらにセブルを中心に石畳も白くなっていく。ユウトはその現象を注意深く観察すると白く見えるのはどうやら霜であるとわかった。
セブルを含め周辺の温度が急激に落ちたらしいようにユウトは感じる。セブルは針のように伸ばした毛を身体に戻すと身震いして全身の霜を落とした。それと同時にセブルの身体は膨れ、それまで胴の長い猫のような姿から今や豹のような大型のネコ科動物の姿へ変貌する。そのセブルの姿は魔女の森でもユウトは見ていたがその変身ぶりは初めて目にした。
「丸薬を使った時ほどじゃないけど変身できるようになったんだな。空気中の魔力を吸収しているのか?」
「そうです。丸薬よりも長い時間、身体の中に魔力を維持しておけますね」
その時ラトムの火の玉がユウト達の前に戻ってくる。翼を広げたまま器用にその場で滞空を始めた。
「見つけたっス。先導するのでついてきて欲しいっス。セブルに乗ってくださいっス」
「わかった。よろしく頼む」
「了解しました」
セブルは滑るような滑らかさでユウトに歩み寄り後ろから股をくぐると魔鳥との戦いと同様にユウトの身体を固定する。それを確認してラトムはさっそく目的地に向かって飛行を始め、セブルは高速で飛翔するラトムを追い始めた。
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