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「考えられるもっと好ましくない事態だけれど、そうならないとも限らない。だからユウト。リナも。そのことは意識していて欲しい」
「わかった。その中央やる報告次第で全てが決まるんだな」
ユウトはヨーレンの気遣いに感謝を感じながら頷いて確認する。リナもユウトの返答に続くように静かに頷いて答えた。
「大工房はユウト達の支援に全力を注ぐつもりだよ。ゴブリン殲滅ギルドも調査騎士団も協力してくれている。絶対大丈夫とは言い切れないけど、手が届くところまで目標には近づいてきていから。もう少し、みんなで力を尽くそう」
「もちろんだ。犠牲と、あの決戦を超えてここまで来たんだ。最後まで気は抜かない」
鼻から大きく言いを吸いながらユウトは背筋を伸ばしてヨーレンに返事をする。
「私もできることを事をやるわ。あの子たちと、みんなのために」
ユウトに続いてリナも言葉を返した。
ヨーレンもユウト、レナを見ながら微笑んで頷く。
「うん。ではユウトの体調がもう少し良くなったら中央に向けて出発しよう。そのつもりでいてくれ。リナと四姉妹が同行するかについては工房長に確認中だ。現地の状況にもよると思うからね」
ユウトはヨーレンの話でふと、気づいた。
「あっ、ラトムがいないのはそういうことか」
「ユウトガ目覚メタ報告ヲマレイヘ行ウタメ、ココヲ離レテイル」
「ラトムが帰ってきて目覚めたユウトさんを見たら、またはしゃいで騒がしくなりますね」
ヴァルの説明に続いて口を開いたセブルが、はぁと溜息をつく。
「ラトムにも心配かけてしまっただろうし、大目に見てやってくれ。セブル」
「むぅ、ユウトさんがそう言うのなら良いんですけど」
それから一息ついてヨーレンは立ち上がった。
「それじゃあ私はユウトの様子も見れたことだし、一旦大工房に戻るよ」
「そうか。わざわざありがとうヨーレン」
「うん。また明日も様子を見に来るから」
「デハヨーレン。我ガ送ッテ行コウ」
ヴァルの申し出にヨーレンは一度小さく肩を震わせる。
「い、いや大丈夫だよ、ヴァル。申し出には感謝するが・・・ただ今は急いでいないし、もうすぐ馬車が来るだろうからそれに乗せてもらうつもりなんだ」
「了解ダ。気ガ変ワレバ、イツデモ申シ出ルト良イゾ」
「そうだな・・・その時はよろしく」
ヨーレンはほっとしたように息を吐いた。
そんなヨーレンの背中にユウトは声を掛ける。
「ヨーレン。ちょっと外の空気を吸いたいんだけど立ってここを少し出てもかな。身体もなまってしまっていることだし、動かしておきたい」
「わかった。無理はしないようにね。肩を貸すよ」
テントを出ていこうとしていたヨーレンは振り返って答えると、ユウトの元に歩み寄った。
「ユウトさん、靴はこれを。私も肩を貸すわね」
リナがユウトの靴を出して近寄ったとき、ユウトは一瞬、身体が硬直する。
「あっ・・・あー大丈夫。ありがとうリナ。肩を借りるのはヨーレンだけで十分かな。うん」
「あら、そう?」
リナの不思議そうな顔から目をそらしたユウトはそそくさと靴を履き、しゃがみ込んだヨーレンの肩に手を掛けた。
そして身体にぐっと力を入れて立ち上がる。するとゆるんでいた間接と背骨に体重がのしかかる感覚と音が身体の内側を通して響いてきた。痛みはなく、だるさと重さをユウトは感じている。ヨーレンに体重を預けながらゆっくりと歩みを進めた。
リナがテントの出入り口にあたる垂れ幕を持ち上げる。その先に見えるのは緑の野原と差し込んだ日の光だった。
ユウトは目を細めながら出口を出る。そよ風が吹き抜けユウトは草と土の匂いを感じた。そして細めた目であたりを見渡す。その景色にユウトは見覚えがあった。
広がる草原には踏みしめられてできた新しい野道がある。さらに小さな穴が無数に規則性をもって配置されていた。その配置からごく最近までテントがあったということを想像できる。そこは撤収された野営基地の跡地だった。
それを証明するように遠くにはそのままにされた物見矢倉がある。
「オレが寝てる間にすっかり片づけられたんだな」
「ああ。決戦の直後はお祭りのようにとても賑やかだったんだけどね。二、三日したら調査騎士団もゴブリン殲滅ギルドも中央に向けて出立していった。それから一気に片づけが進んだね」
クロノワやレイノスに一言でもお礼が言いたかったとユウトは思い若干のさみしさを感じた。
ユウトはヨーレンと会話をしつつ、のんびりとあたりを歩いてみる。後ろにはヴァルと、その上に座るセブルがついて来ていた。
ユウトが見た限り、跡地の草原に残されているのはいくつかのテントと鉄の牛と荷車だった。
ただテントの一つは大型であることにユウトは違和感を持つ。
「ん?あの大きなテントは?」
「そうそう、報告を忘れていたね。このテントはね・・・」
ヨーレンが何かを思い出したようにユウトの疑問に答えようとする。そのときユウトの視界の隅に違和感を感じた。
「ヨーレン、ちょっと待ってくれ。今なにかが・・・」
「わかった。その中央やる報告次第で全てが決まるんだな」
ユウトはヨーレンの気遣いに感謝を感じながら頷いて確認する。リナもユウトの返答に続くように静かに頷いて答えた。
「大工房はユウト達の支援に全力を注ぐつもりだよ。ゴブリン殲滅ギルドも調査騎士団も協力してくれている。絶対大丈夫とは言い切れないけど、手が届くところまで目標には近づいてきていから。もう少し、みんなで力を尽くそう」
「もちろんだ。犠牲と、あの決戦を超えてここまで来たんだ。最後まで気は抜かない」
鼻から大きく言いを吸いながらユウトは背筋を伸ばしてヨーレンに返事をする。
「私もできることを事をやるわ。あの子たちと、みんなのために」
ユウトに続いてリナも言葉を返した。
ヨーレンもユウト、レナを見ながら微笑んで頷く。
「うん。ではユウトの体調がもう少し良くなったら中央に向けて出発しよう。そのつもりでいてくれ。リナと四姉妹が同行するかについては工房長に確認中だ。現地の状況にもよると思うからね」
ユウトはヨーレンの話でふと、気づいた。
「あっ、ラトムがいないのはそういうことか」
「ユウトガ目覚メタ報告ヲマレイヘ行ウタメ、ココヲ離レテイル」
「ラトムが帰ってきて目覚めたユウトさんを見たら、またはしゃいで騒がしくなりますね」
ヴァルの説明に続いて口を開いたセブルが、はぁと溜息をつく。
「ラトムにも心配かけてしまっただろうし、大目に見てやってくれ。セブル」
「むぅ、ユウトさんがそう言うのなら良いんですけど」
それから一息ついてヨーレンは立ち上がった。
「それじゃあ私はユウトの様子も見れたことだし、一旦大工房に戻るよ」
「そうか。わざわざありがとうヨーレン」
「うん。また明日も様子を見に来るから」
「デハヨーレン。我ガ送ッテ行コウ」
ヴァルの申し出にヨーレンは一度小さく肩を震わせる。
「い、いや大丈夫だよ、ヴァル。申し出には感謝するが・・・ただ今は急いでいないし、もうすぐ馬車が来るだろうからそれに乗せてもらうつもりなんだ」
「了解ダ。気ガ変ワレバ、イツデモ申シ出ルト良イゾ」
「そうだな・・・その時はよろしく」
ヨーレンはほっとしたように息を吐いた。
そんなヨーレンの背中にユウトは声を掛ける。
「ヨーレン。ちょっと外の空気を吸いたいんだけど立ってここを少し出てもかな。身体もなまってしまっていることだし、動かしておきたい」
「わかった。無理はしないようにね。肩を貸すよ」
テントを出ていこうとしていたヨーレンは振り返って答えると、ユウトの元に歩み寄った。
「ユウトさん、靴はこれを。私も肩を貸すわね」
リナがユウトの靴を出して近寄ったとき、ユウトは一瞬、身体が硬直する。
「あっ・・・あー大丈夫。ありがとうリナ。肩を借りるのはヨーレンだけで十分かな。うん」
「あら、そう?」
リナの不思議そうな顔から目をそらしたユウトはそそくさと靴を履き、しゃがみ込んだヨーレンの肩に手を掛けた。
そして身体にぐっと力を入れて立ち上がる。するとゆるんでいた間接と背骨に体重がのしかかる感覚と音が身体の内側を通して響いてきた。痛みはなく、だるさと重さをユウトは感じている。ヨーレンに体重を預けながらゆっくりと歩みを進めた。
リナがテントの出入り口にあたる垂れ幕を持ち上げる。その先に見えるのは緑の野原と差し込んだ日の光だった。
ユウトは目を細めながら出口を出る。そよ風が吹き抜けユウトは草と土の匂いを感じた。そして細めた目であたりを見渡す。その景色にユウトは見覚えがあった。
広がる草原には踏みしめられてできた新しい野道がある。さらに小さな穴が無数に規則性をもって配置されていた。その配置からごく最近までテントがあったということを想像できる。そこは撤収された野営基地の跡地だった。
それを証明するように遠くにはそのままにされた物見矢倉がある。
「オレが寝てる間にすっかり片づけられたんだな」
「ああ。決戦の直後はお祭りのようにとても賑やかだったんだけどね。二、三日したら調査騎士団もゴブリン殲滅ギルドも中央に向けて出立していった。それから一気に片づけが進んだね」
クロノワやレイノスに一言でもお礼が言いたかったとユウトは思い若干のさみしさを感じた。
ユウトはヨーレンと会話をしつつ、のんびりとあたりを歩いてみる。後ろにはヴァルと、その上に座るセブルがついて来ていた。
ユウトが見た限り、跡地の草原に残されているのはいくつかのテントと鉄の牛と荷車だった。
ただテントの一つは大型であることにユウトは違和感を持つ。
「ん?あの大きなテントは?」
「そうそう、報告を忘れていたね。このテントはね・・・」
ヨーレンが何かを思い出したようにユウトの疑問に答えようとする。そのときユウトの視界の隅に違和感を感じた。
「ヨーレン、ちょっと待ってくれ。今なにかが・・・」
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