前世、俺は『慰み者』だった。

椿木ガラシャ

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第二章 口は禍の元 

Ⅱ‐2 ※

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「ひぃいい!先っぽも、乳首も、だめえ!」
 尿道に入った水の棒がボコボコと形を変え俺を苛み、乳首をくすぐっていたつむじ風は乳首に絡んできてきゅうきゅうと強弱をつけて締め付けてくる。
「ごめんなさい…!いじめ…ないでぇ!」
 俺が泣いて許しを乞うても、3人の愛撫はとまらなかった。魔法だけでなく、それぞれの手を使って、俺の肌を探ってくる。つま先が床につかない状態で腰を打ち付けられていたが、繋がったままぐるりと上向きにされる。
「ああああ!」
 視界が変わり、目の前にいたのはアストリアだ。
「ディア、いじめてなどいない。俺はこうして、お前に理解してほしいだけだ。俺がどれほど、ディアを欲しがっているか」
 おおきく開いた足を抱え込まれ、孔に向かって縦横無尽に打ち付けられる。結腸口をぐちゅっと抉ったかと思うと、亀頭が抜けるギリギリまで引き、ぱん!とまた一気に突き上げられる。
 体をつるされているせいで振り子のようになってしまっていた。
「兄上ばかり、ずるいですよ。早く出して、俺に先輩を愛させてください」
 後ろからフェリアスが抱き着いてきて双丘の谷間に怒張が擦り付けられる。
「それとも、二本咥えさせてみますか?
 ――先輩、流石に二本同時ってのはないですよね?」
 フェリアスの揶揄う声に、俺はびくりと震えた。俺は恐怖で涙を零してしまう。ただでさえ限界まで孔は開いているのに、これ以上は受け入れられない。俺の表情を見下ろしていたアストリアは困ったように笑い、溢れる涙を吸い取ってきた。
「フェリ、流石にそれはディアが裂けてしまう」
「そうですね。俺たちのはただでさえ規格外ですからね。まあ、おいおいということにして」
 そう言ってフェリアスは俺の体を抱きとめたまま、絹を緩めていく。
「今日は俺のを味わってみてください」
「ひっ」
 ぽろんと目の前に差し出されたのは、フェリアスの怒張だ。頬に擦り付けられる。
「ほら、玉も大きいでしょう?」
「ん…!」
 唇に巨大な陰嚢があてられ、俺は舌を出してそこを舐める。てちてちと小さい動きでしか舐められないが、波打っている陰嚢は引き締まっていた。
「そう、上手ですよ。そのまま裏筋も舐めてください」
 俺は言われるがまま舌を這わせた。
「ずるいぞ、フェリ。俺もディアに舐めてもらいたい…!」
「では、兄上もさっさと出してください。俺も先輩の内壁を味わいたいので。交代しましょう」
「わかった」
 アストリアの律動が激しくなる。と同時に、フェリアスの怒張も口の中に差し込まれ、俺は喉奥まで突かれていた。俺の口の中にフェリアスが迸りをぶちまけ、アストリアも俺の結腸に迸りをぶちまける。だが俺の鈴口は水の棒でふさがれているため、全身を跳ねさせて、塞き止められた快感を抑え込むしかなかった。
「おふたりとも、そろそろ魔法を解きましょうか。イディも苦しそうです」
 ジュリアスの声にふたりは俺を見下ろす。俺は半ば意識を飛ばしている状態だった。焦点の合わない目で天井を見上げている。
「すみません、先輩!夢中になってしまいました」
 ずるずると口の中からフェリアスの怒張は引いていくが、出している途中だったのか俺の顔に迸りがかかってしまう。
「すまない、ディア。お前を前にするとどうにも止まらなくなってしまう」
 こちらも孔からアストリアの怒張がひいていくが、こちらも出している途中だったようで迸りが俺の下半身を穢した。
 体を吊り上げていた絹も緩められ、俺は絨毯に横たえられる。そして、魔法が解かれると同時に、洗浄魔法と回復魔法がかけられるが、快感が無くなるわけではない。塞き止められた快感が、一気に鈴口からあふれ出す。
「んあ!でる…!ああ!」
 びくびくと腰を震わせ俺は潮を吹き出した。精液でも尿でもない、透明な液が絨毯を穢していくが、俺を見下ろしていたアストリアとフェリアスはごくりと唾を飲み込む。
「ディア、舐めてくれないか?」
「俺のもお願いします」
 また大きく滾っている二人の怒張が唇に当てられる。俺は口を開くが、二本同時は上の口でも無理だ。それぞれを手に持った俺は、どちらにも口づけてテチテチと舌で舐めた。チュッと鈴口に吸い付いて残った迸りを吸い出すと、ふたりは殊更に喜んだ。
 こうすれば男が喜ぶと教えたのは、俺を最初に抱いた男だった。
 再び興奮した二人は、おもちゃを交換するかのように、先ほどまでと場所を交代し俺を責めた。ふたりが満足したころ、ぐったりとした状態で絨毯に横たえられた。
「水分をもらってくる。流石に、ディアの体も限界だろう」
「じゃあ俺も。腹がすいたので、何かもらってきます」
 ふたりがテントを出ていく。満足そうな顔をして、着崩れた様子もない騎士団の制服を着て…。
 俺には洗浄魔法はかけられていない。全身、唾液だか、汗だか、精液だか…何の液かわからないもので汚されたままだ。回復魔法だけはかけられたが、起き上がれない。
 そんな俺に、洗浄魔法がかけられて、一瞬で体は綺麗になる。俺に魔法をかけたジュリアスが覆いかぶさってきて、俺の脚を開いた。
「まって…もう、限界で…!ああ!」
 亀頭の先で孔を広がられ、徐々に犯される。若いふたりよりも、ジュリアスは徐々に俺を追い詰めるのが好きなようだ。乳首も唇で柔らかく噛んで、吸い付きを強くしていく。
「約束してごらん。もう二度と、わたしたちを遠ざけないことを」
 ジュリアスは俺自身の口から言わせたいようだった。アストリアもフェリアスも自分の想いばかりをぶつけて、俺の意志を確かめようとはしなかった。
 やはりジュリアスは大人で、自分が優位に立つ方法を知っている。
「ああん!します…!やくそく、しますからぁ…!」
 規格外のジュリアスの怒張はまだまだ膨らんでいる。繋がる部分が深くなればなるほど、俺の腹も膨らんでいく。
 もう限界なのに、容赦のないジュリアスの責めに、俺の体は喜んでいた。ジュリアスに膝の上に抱えられ啼いていると、アストリアとフェリアスが戻ってきて、また二人にも嬲られた。
 余りに酷い嬲られ方に俺はいつも以上に泣いてしまった。『嫌い』と言えば、『愛している』と訳の分からないことを言われた。

 ――以降は3人の夜の相手を最優先任務とさせられてしまった。団長補佐の仕事は他の騎士が引き継ぐことになり、俺は特別任務をこなしていると他の騎士たちには知らされた。
 精鋭騎士たちが魔獣退治をしている間、俺はアストリアのテントで過ごした。流石に王子らしく、立派な寝台が鎮座し、食事も部屋で済ませられるように手配された。昼間はぐったりとして眠っていても誰も咎めることはない。
 この時点ですでに精鋭部隊の騎士たちには俺が『慰み者』だと知られていたようだ。3人に伴われてテントの外にたまに出ても、ただ哀れな目を向けられただけだった。仕事を持たない俺に話しかけてくることもなかった。
 従騎士たちには嫌悪と嫉妬交じりの顔で睨まれることもあった。彼らにとっては、俺は3人の高位貴族の寵愛を奪ってしまったということになるのだろう。
 代わってもらえるならば、代わってほしい。毎夜のように『慰み者』にされるのは、体力的にも精神的にも非常につらかった。ただ『慰み者』になってるわけではなく、3人を愛しているかのように俺からもキスや愛撫を返すように仕向けられるのだ。
 凡庸な男が、腰を振っている姿を想像してみて欲しい。キスをねだる姿を想像してみて欲しい。
 滑稽だ。
 ――唯一、ギルバートが薬や栄養価の高い食事などを調達してくれたのだった。

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