上 下
33 / 84

第33話~え?フラグじゃないよね?~

しおりを挟む
一体私の目の前で何が起こっているのだろう?

師匠が言う秘密。
ギルドマスターも知っているみたいだし、誰にも言えない秘密を私に教えようとしている。
師匠が私を信じて言ってくれるならその気持ちを裏切れない。
だからどんな秘密でも受け入れようと思った
私としては2人は恋人同士で身分が違いすぎてそれを隠していると思ったけど、私の予想を遥かに越えるものだった…。

つばささんが、あの綺麗なつばささんが急に光だしたと思ったらいなくなっていた。
いや、違ういなくなったんじゃなくて小さくなったんだ!
しかも子供ではなくて魔物になっていた…
何で?魔物?どういうこと?
つばささんは魔物だった?これが隠していた秘密?ダメだ頭が完全についてこれない…

「…。……ン!…ノン!…リノン!大丈夫か?」

どのくらい思考が止まっていたのだろう?
師匠が私の名前を呼んでくれるのに気づくまでそんなに時間がたっていなかった。

「…はっ!師匠!ここは?」
「良かった気がついたか。ここはって、ずっと冒険者ギルドにいるよ」
「冒険者ギルド…はっ!つばささんは?つばささんが魔物に!!」
「おー目が覚めたか?大丈夫か?」

目の前にいる魔物が当たり前のように話しかけてきた。
見た目は魔物だけど声や言葉はつばささんだった。
その事実が夢ではないことを教えてくれている。

「!?」
「おーい、リノン?話が進まないから戻ってきてくれ」
「は!私は一体!?」
「うん、この下りさっきもやったからね?時間もないしとりあえず落ち着こうか」
「は、はい師匠」
「よし、というわけでこれが俺たちが隠していた秘密だ。」

~~~~~~~~~
「では、つばささんは呪いにかけられてしまってそのような姿に」
「せや、最初この姿を見た時はホンマに自分か疑ったで?まぁ幸いにも人間になれるスキルを手に入れたからこうして生活できてるけどな」

と、つばさが説明している。
流石に残念女神のせいでこうなったとは言えないので呪いということで説明しているが、流石のつばさもそこは空気を読んで話してくれている。
リノンはまだ信じられない感じだけど仕方がない。
だって目の前で実際にアライグマになったつばさが話しているんだから、だが四足動物とは思えない座り方をして腕を組みながら話しているアライグマは中々シュールだがそれを真剣に聞いているリノンがいることでよりシュールが増しているな。

何とかリノンに説明が出来誰にも秘密を漏らさないと約束してくれた。
ギルドマスターが間に入って行ったことだから問題ないとは思うけど
まぁむしろ魔物が人間に変身してるなんて言ったところでみんな半信半疑で信じてくれないだろうけどね…
こうしてリノンを含めた4人の秘密を共有することになり解決した。

そして何よりも一番訂正したかった俺とつばさが恋人同士という噂はデマだということを入念にお願いして広めてほしい事を伝え俺達は冒険者ギルドを後にした。
勿論つばさは人間に戻ってるぞ。
そして俺達はそのまま今度は商業ギルドに向かったその理由は家を買う事だ
洞窟で大量の金貨を手に入れてからギルド行ったり、弟子を取ったりとバタバタしてたから全然行けなかったが漸く行くことが出来る。
商業ギルドに入りギルドカードを提示し以前話した家の件でと伝えたらすぐに案内され担当の人が来て前回の支払いと今回支払う残金の確認を行ったが正直全額支払えるようになったのでそのまま一括で支払った
商業ギルドの人も驚いていたけど全額払ったのでホクホク顔だ。

その後いくつかの手続きを行い書類と鍵をもらい契約完了だ。
因みに家賃はかからないが商業権やらで年間金貨5枚かかるらしい。
お金事態は沢山あるから余裕はあるがしっかり稼げるようにしていかないとな

その後商業ギルドの職員の人に場所を案内され初めて家を見たが外観は白と青を基調とした落ち着いた感じの雰囲気で庭も汚れているがそこそこ広く掃除して花とか植えたりすれば綺麗になりそうだ。これは本当にいい物件を買う事が出来た!
職員の人とはここで別れてつばさとリノン3人でワクワクしながら中に入ったが時々清掃してくれていたのか比較的綺麗になっていた一階は思ってたより広くベットも3台位は置けそうだしカウンターを作っても余裕がある。
2階に行ってみるとここはリビングになっていて台所やトイレそれに風呂まで着いていたが水回りはまぁまぁ汚れているのでここはしっかり掃除しないとだな、
そして3階は部屋が4つもあって寛ぐには充分なスペース何よりも各部屋にはベット等寝具もついていた。これだけの物がついていて金貨700枚だったら相当安い!俺は買って良かったと心から思ったつばさやリノンも気に入っているようだ。

「いやぁとてもいい物件だな!ここにして本当に良かったよ」
「せやな!ここなら何も気にせんで住むことが出来るからこれから楽しみや!」
「私もここまでいい物件だとは思いませんでした。あの、本当に私も住んでいいんですか?」
「当たり前だよ。そういう約束だっただろ?ここで住んでしっかり修行すればいいよ」
「は、はいありがとうございます!しっかり頑張ります!」

弟子をとるなんて夢にも思わなかったけど、しっかりリノンを一人前にしてあげないとな、しかし育てるにしても冒険者として?それとも整体師として?どの方向性にすればいいんだ…?
ま、まぁ何とかなるだろ!

それよりもつばさが何気なく「こんなにいい物件で家具もついてるなんて実は事故物件だったりして笑」なんてとんでもない事言い出したからフラグみたいな事言うのは止めろと言ったけど、本当に何もないよね……?
しおりを挟む

処理中です...