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第63話~え?やりやがったな!!~
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Sランク
それは冒険者として最高位のランクであり
誰もが憧れ目指す場所である。
しかしそこに到達するものは極僅かでありこの国でも10人位しかいないらしい
そしてヘイルダンさんは俺を11人目のSランク冒険者にしようとしているのだが、
今俺はそれを全力で拒否している。
だってやりたくないもん!
誰が好きこのんでそんなSランクになるんだよ!
確かに俺は冒険者になってるけど流れでそうなっただけで俺の本業は整体師なんだから整体師としての仕事をしたいんだよ!
そういえば師匠もSランクだったよな、あの人はとある残念猫背女神から貰ってたけどあの人と肩を並べるってことでしょ?ますます嫌だよ!
何がなんでもやりたくない俺と
何がなんでもさせたくてプレゼンしてくるヘイルダンさんと話しているんだが埒があかず、とりあえずは後日話し合うという事になったけど俺は絶対にならないからな。
それから2週間
俺はイメラとミナスの2人に整体の修行をずっとつけていた。
知識や技術に関しては大分身についてきたので後は実際に患者さんの身体を触るのが1番だが流石にまだ躊躇してしまう。
理由は2人がそれぞれ得手不得手が分かれているからだ。
イメラは矯正や押圧などはとても上手いが主訴の部分を押すときに少し大雑把になりやすくなってしまう所がある。
大雑把では触る位置がぶれてしまい、本来の効果が薄れてしまい改善が見られなくなってしまう。
ミナスの方は主訴に当てる部分は的確で細かい繊細的な所は中々にセンスがいい。
だが押圧する時の力はやはり弱く物足りなさを感じる。
お互いの一長一短がそれぞれ反対のものだから寝る前にそれぞれの身体を使ってやっているみたいだ。
だがそれでもやはり限界は来る。
確かに身体を触るという点では悪くないが、同じ相手ばかり触っても臨床経験としては乏しいつまり場数が足りないのだ。
時々リノンが身体を貸してくれるがそれでもまだまだだ。
どうすればいいかと考えてみたが1つ思い浮かんだ。
これなら2人も上手くできるだろうし、何より俺にもメリットが高い!
そう思うと俺は思わずニヤーっと1人笑っていた。
翌日俺は今企んで…ゴホン。考えている事を2人に伝えた。
最初は驚いて戸惑っていたものの納得してもらい行うことにした。
本来なら未経験がこんな短期間でやるとしたら、余程の実力やセンスがないと難しいがここは異世界何かあってもポーションで何とかなるパワープレイが出来るはずだ…多分。
とりあえず2人には自分達の為そして何より俺の為にも頑張ってもらいたい。
おそらくそろそろ来る頃だと思うが、
ガチャ
「アオイさん来ましたよ。今日もおねが…」
「ヘイルダンさん!よく来てくれました!ささっ、どうぞこちらへ!」
「え?え?ちょっ、アオイさん!?」
俺は戸惑うヘイルダンさんの腕をつかみ有無を言わさずベッドに寝かした。
そして
「ヘイルダンさん、突然なんですが今日からヘイルダンさんの身体をこの2人に見てもらおうかと思いまして」
「え?2人?あぁ、整体を教えていると言ってましたね」
そう、俺の考えていた事それはヘイルダンさんを2人の患者にする事だった。
2人ともまだ拙い所があるがセンスはいい。
もう少し修行すれば最低限の技術を身につけ施術に入れるだろう。
だがいくらセンスが良くてもいきなり入るのは誰でも緊張する。
そこで同じエルフであるヘイルダンさんだったら2人ともそこまで緊張せずに行えるかもしれない。
勿論満足できなかった場合はすぐに俺が変わるし、今回ヘイルダンさんには無料で行わせてもらう旨を伝えた。
「というわけで、ヘイルダンさんの胸を貸していただきたいんです」
「成る程、そういうことなら良いですよ。アオイさんの弟子ですし信用してますのでお願いします」
よし!これで俺が考えた方法に上手く仕向けたぞ!このままヘイルダンさんを2人に任せていけば俺をSランクにするという話しも出来にくくなるはず!
先送りになるだけかもしれないが充分に時間稼ぎが出来るはずだ。
だが俺の思惑に関係なく俺は2人の施術を見守っている。
初めて他人にやる施術だ。同族のヘイルダンさんとはいえ緊張しているのが見て分かる。
俺は施術に入る前にいくつかアドバイスを送り入ってもらった。
だが不安をよそに2人共的確に身体をほぐしていたイメラが主に上半身をミナスは下半身を分担してやることでお互いに補っていた。
バラバラにやって上手くいくかと思うがそこは双子行きがピッタリだった。
そしてその後矯正も行い無事に終了。
結果からいって大成功だった。
ヘイルダンさんもとても満足してくれて今後とも2人にお願いしたいようだ。
イメラもミナスもとても喜んでいた。
帰り際にヘイルダンさんが料金を払おうとしたが最初に今回はお試しだから無料と言ったが、「では2人の初めての記念としてと」少し多めの銀貨2枚払ってくれた。
これは仕方なく受取2人それぞれ渡した。
2人とも深々と頭を下げて感謝してたよ。
俺の思惑から始まったが2人にとって大きな自信になったと思う。
でもそれで終わりではなく、ヘイルダンさんが帰った後俺は2人を集めて今回の施術についての反省会(フィードバック)を行った。
確かに今回は成功したが今後の為どうしていけばいいか話し合った。
結果的にこれからイメラは俺と同じ整体を。ミナスはリラクゼーションやオイルを使ったフットマッサージ系に焦点を当てることにした。
それによってミナスはまた別のものを覚える事になるがむしろ積極的にやるようだ。
こうして今後の方向性を改めて決めていきながら俺達は進めていった。
ちなみにミナスは軽く整体もやるがフットマッサージは同じエルフか女性のみにした。その方が安全だからね
そこからさらに2週間後ヘイルダンさんが店に訪れた。
その時俺は別の人を施術していたのでイメラに任せたんだけど、ヘイルダンさんは普通の整体とフットマッサージ両方お願いしていた。
どうやらこの間のフットマッサージが気に入ったみたいでまた受けたいのだそうだ。(因みにフットは銅貨1枚だ)
意外と評判が呼んでフットだけ受ける人も増えてきた。
後イメラもまだ2人だが自分の患者がついてきた。
2人共まだ慣れない部分もあって忙しくしているがとても充実してるようで何よりだ。ホントにこの世界に整体が広まるかもしれないな。
そして施術が終わりヘイルダンさんも施術が終わりお見送りした時にヘイルダンさんが俺に何か包紙を渡してきた。
俺は「?」と思い開けてみると中には何か見たことのある物が入っていた…
そう、それは金色に輝き俺の名前とそしてでかく「S」と言う文字が刻印されていたギルドカードだった…。
俺はゆっくりニコニコ顔のヘイルダンさんに目を合わせた
「あ、あのヘイルダンさん、こ、これは?」
「見ての通りSランクのギルドカードですよ?」
「いや、それは分かるんですけど。確認ですけどこのカードは…」
「正真正銘アオイさんのギルドカードですよ?何度も話し合いをしようと思ってたのですがアオイさんいつもはぐらかせてたので王都のギルド本部に連絡したら二つ返事でOKでしたよ!Sランクおめでとうございます」
はぁぁぁ!!何だよそれ!何勝手にやってくれてんだよ!おかしいだろそれは!?
俺はすぐさま辞退を申し出たがもう決定して王都にも登録したので覆りませんと言われたよ。
このエルフ!マジでやってくれたな!
後ろではイメラとミナスが凄い喜んでるしもう無理じゃないか…
何故だ?この世界に来てから何故俺はこんなに望んでいない方向にいってしまうんだ!!
俺は両手両膝を地面につけながら嘆いていた。
こうして、本人の意思とは関係なく新たなSランク冒険者がここに誕生した。
それは冒険者として最高位のランクであり
誰もが憧れ目指す場所である。
しかしそこに到達するものは極僅かでありこの国でも10人位しかいないらしい
そしてヘイルダンさんは俺を11人目のSランク冒険者にしようとしているのだが、
今俺はそれを全力で拒否している。
だってやりたくないもん!
誰が好きこのんでそんなSランクになるんだよ!
確かに俺は冒険者になってるけど流れでそうなっただけで俺の本業は整体師なんだから整体師としての仕事をしたいんだよ!
そういえば師匠もSランクだったよな、あの人はとある残念猫背女神から貰ってたけどあの人と肩を並べるってことでしょ?ますます嫌だよ!
何がなんでもやりたくない俺と
何がなんでもさせたくてプレゼンしてくるヘイルダンさんと話しているんだが埒があかず、とりあえずは後日話し合うという事になったけど俺は絶対にならないからな。
それから2週間
俺はイメラとミナスの2人に整体の修行をずっとつけていた。
知識や技術に関しては大分身についてきたので後は実際に患者さんの身体を触るのが1番だが流石にまだ躊躇してしまう。
理由は2人がそれぞれ得手不得手が分かれているからだ。
イメラは矯正や押圧などはとても上手いが主訴の部分を押すときに少し大雑把になりやすくなってしまう所がある。
大雑把では触る位置がぶれてしまい、本来の効果が薄れてしまい改善が見られなくなってしまう。
ミナスの方は主訴に当てる部分は的確で細かい繊細的な所は中々にセンスがいい。
だが押圧する時の力はやはり弱く物足りなさを感じる。
お互いの一長一短がそれぞれ反対のものだから寝る前にそれぞれの身体を使ってやっているみたいだ。
だがそれでもやはり限界は来る。
確かに身体を触るという点では悪くないが、同じ相手ばかり触っても臨床経験としては乏しいつまり場数が足りないのだ。
時々リノンが身体を貸してくれるがそれでもまだまだだ。
どうすればいいかと考えてみたが1つ思い浮かんだ。
これなら2人も上手くできるだろうし、何より俺にもメリットが高い!
そう思うと俺は思わずニヤーっと1人笑っていた。
翌日俺は今企んで…ゴホン。考えている事を2人に伝えた。
最初は驚いて戸惑っていたものの納得してもらい行うことにした。
本来なら未経験がこんな短期間でやるとしたら、余程の実力やセンスがないと難しいがここは異世界何かあってもポーションで何とかなるパワープレイが出来るはずだ…多分。
とりあえず2人には自分達の為そして何より俺の為にも頑張ってもらいたい。
おそらくそろそろ来る頃だと思うが、
ガチャ
「アオイさん来ましたよ。今日もおねが…」
「ヘイルダンさん!よく来てくれました!ささっ、どうぞこちらへ!」
「え?え?ちょっ、アオイさん!?」
俺は戸惑うヘイルダンさんの腕をつかみ有無を言わさずベッドに寝かした。
そして
「ヘイルダンさん、突然なんですが今日からヘイルダンさんの身体をこの2人に見てもらおうかと思いまして」
「え?2人?あぁ、整体を教えていると言ってましたね」
そう、俺の考えていた事それはヘイルダンさんを2人の患者にする事だった。
2人ともまだ拙い所があるがセンスはいい。
もう少し修行すれば最低限の技術を身につけ施術に入れるだろう。
だがいくらセンスが良くてもいきなり入るのは誰でも緊張する。
そこで同じエルフであるヘイルダンさんだったら2人ともそこまで緊張せずに行えるかもしれない。
勿論満足できなかった場合はすぐに俺が変わるし、今回ヘイルダンさんには無料で行わせてもらう旨を伝えた。
「というわけで、ヘイルダンさんの胸を貸していただきたいんです」
「成る程、そういうことなら良いですよ。アオイさんの弟子ですし信用してますのでお願いします」
よし!これで俺が考えた方法に上手く仕向けたぞ!このままヘイルダンさんを2人に任せていけば俺をSランクにするという話しも出来にくくなるはず!
先送りになるだけかもしれないが充分に時間稼ぎが出来るはずだ。
だが俺の思惑に関係なく俺は2人の施術を見守っている。
初めて他人にやる施術だ。同族のヘイルダンさんとはいえ緊張しているのが見て分かる。
俺は施術に入る前にいくつかアドバイスを送り入ってもらった。
だが不安をよそに2人共的確に身体をほぐしていたイメラが主に上半身をミナスは下半身を分担してやることでお互いに補っていた。
バラバラにやって上手くいくかと思うがそこは双子行きがピッタリだった。
そしてその後矯正も行い無事に終了。
結果からいって大成功だった。
ヘイルダンさんもとても満足してくれて今後とも2人にお願いしたいようだ。
イメラもミナスもとても喜んでいた。
帰り際にヘイルダンさんが料金を払おうとしたが最初に今回はお試しだから無料と言ったが、「では2人の初めての記念としてと」少し多めの銀貨2枚払ってくれた。
これは仕方なく受取2人それぞれ渡した。
2人とも深々と頭を下げて感謝してたよ。
俺の思惑から始まったが2人にとって大きな自信になったと思う。
でもそれで終わりではなく、ヘイルダンさんが帰った後俺は2人を集めて今回の施術についての反省会(フィードバック)を行った。
確かに今回は成功したが今後の為どうしていけばいいか話し合った。
結果的にこれからイメラは俺と同じ整体を。ミナスはリラクゼーションやオイルを使ったフットマッサージ系に焦点を当てることにした。
それによってミナスはまた別のものを覚える事になるがむしろ積極的にやるようだ。
こうして今後の方向性を改めて決めていきながら俺達は進めていった。
ちなみにミナスは軽く整体もやるがフットマッサージは同じエルフか女性のみにした。その方が安全だからね
そこからさらに2週間後ヘイルダンさんが店に訪れた。
その時俺は別の人を施術していたのでイメラに任せたんだけど、ヘイルダンさんは普通の整体とフットマッサージ両方お願いしていた。
どうやらこの間のフットマッサージが気に入ったみたいでまた受けたいのだそうだ。(因みにフットは銅貨1枚だ)
意外と評判が呼んでフットだけ受ける人も増えてきた。
後イメラもまだ2人だが自分の患者がついてきた。
2人共まだ慣れない部分もあって忙しくしているがとても充実してるようで何よりだ。ホントにこの世界に整体が広まるかもしれないな。
そして施術が終わりヘイルダンさんも施術が終わりお見送りした時にヘイルダンさんが俺に何か包紙を渡してきた。
俺は「?」と思い開けてみると中には何か見たことのある物が入っていた…
そう、それは金色に輝き俺の名前とそしてでかく「S」と言う文字が刻印されていたギルドカードだった…。
俺はゆっくりニコニコ顔のヘイルダンさんに目を合わせた
「あ、あのヘイルダンさん、こ、これは?」
「見ての通りSランクのギルドカードですよ?」
「いや、それは分かるんですけど。確認ですけどこのカードは…」
「正真正銘アオイさんのギルドカードですよ?何度も話し合いをしようと思ってたのですがアオイさんいつもはぐらかせてたので王都のギルド本部に連絡したら二つ返事でOKでしたよ!Sランクおめでとうございます」
はぁぁぁ!!何だよそれ!何勝手にやってくれてんだよ!おかしいだろそれは!?
俺はすぐさま辞退を申し出たがもう決定して王都にも登録したので覆りませんと言われたよ。
このエルフ!マジでやってくれたな!
後ろではイメラとミナスが凄い喜んでるしもう無理じゃないか…
何故だ?この世界に来てから何故俺はこんなに望んでいない方向にいってしまうんだ!!
俺は両手両膝を地面につけながら嘆いていた。
こうして、本人の意思とは関係なく新たなSランク冒険者がここに誕生した。
応援ありがとうございます!
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