異世界に来た整体師は実は最強！？

第７７話～え？部屋は？～

こんな生活も悪くないなと思った翌朝
それは突然起きた。

朝食を済ました俺達が泊まっている宿の食堂にに大工のキルゲスさんがやって来たのだが、俺達の家が遂に完成したらしいのだ！

ようやくか！と思い俺だけでなくつばさ達も喜んでいた。
だがどうもキルゲスさんの様子がおかしい？

「どうかしたんですか？」
と俺が聞いてみても
「いや…そのな…」
と、どうにも歯切れが悪い。

「まぁとにかく来てくれ…」
と、力無げに言うので俺達は言う通りキルゲスさんの後をついていき完成した家に向かい目の前に立ったのだが…

見た目はそんに変わってない気がする。いや、むしろ全体的に二回り位大きくなったかな？
ただ外観としては清潔感のある白ベースに変わりとてもきれいな印象だ。
皆も同じ感想って感じで家を見つめている。

「キルゲスさんありがとうございます！凄い素晴らしい建物ですね！」
「あぁ、そうだな外観は胸を張っていい出来だって言えるぜ。だがな…」

？

一体何なんだろう？
と思ったが中を案内され一階は前よりも広くなっていた。そこそこ広いコンビニ位だろうか？
ベッドとベッドの間の間隔も広く、これなら隣に人がいても気にならないくらいのスペースになっていた。

続いて2階にも上がったのだが2階も広くなったが以前と比べて何か変わった感じがしない。
キッチンも前より広くなったからかリノンはとても喜んでいた。
リビングも広くなったから皆で雑魚寝しても余裕がある。

本当に前に比べて広く素敵な部屋になったと皆感動していた。

…そう、ここまでは…

問題は3階に上がった時だった

3階は俺達個別の部屋だったはずなのだが、俺達はあまりの衝撃に言葉を失った。

「あ、あのキルゲスさん？これは？」
「すまねえ俺がいたのに…途中までは個別の部屋を作って完成していたんだが、まさかこんな風になっていたとは思わなくて…」

そう確かに個別の部屋の扉はある。
一応開けてみると以前よりも広々とした部屋にはなっている。なってはいるが問題は部屋の数だ。
俺を含めつばさ、リノン、ネフリティスふりてさん、イメラ、ミナスの6人だ。
だが、部屋は4つしかない。
そう、明らかに数が足りないのだ。いや、厳密には「もう１つ部屋がある」
それは廊下の先にある他の部屋とは明らかに異質な雰囲気を漂わせている扉があった。

俺はおそるおそるその扉に近づきドアノブに手を振れ意を決して開けた！

開けると中は案の定というか予想通りというか２人部屋だった…しかもさっきみた部屋の倍以上の広さだった。
しかも他の部屋と違って内装が一流のホテルみたいにかなり豪華だ。

ベッドはいわゆるキングサイズで天幕つき、窓側に置いてある椅子とテーブルは匠作ったかのような上品なやつだし、
照明ももといた世界で言うシャンデリアのような作りで
他にも内装の1つ1つにこだわりがあるような出来映えで明らかにこの部屋だけおかしい。

なによりも一際目立っているのがベッドの反対側にどっかの王様が座る椅子ですか？みたいな物まで置いてある。

俺はゆっくりキルゲスさんを見るがキルゲスさんが申し訳なさそうに話しだした
元々ここも部屋を2つに分けた状態で作っていた、だがある人物が勝手に2人部屋にし尚且つ内装まで変えてしまっていたのだ。

その犯人は…というか、何となく想像してたけど弟子の１人で獣人のレブさんだった。
キルゲスさんの弟子にはレブさんを入れて獣人の人達が数人いる。
レブさんがあの時ネフリティスさんに会ってから彼女に相応しい部屋を作ろうと思い、他の人達を唆して勝手にこの部屋を作ってしまったらしい。
数人でやっていたからか何とかバレずに出来たらしい

なるほどキルゲスさんがずっと様子が変だったのはこういう事だったのか。
因みにレブさん達はバレた後にキルゲスさん達にボコボコにされ本気で怒られたらしい…

「まぁあんたの断りもなしにこんなことしたんだからな当然と言えば当然だろ。だが責任は俺にある。本当にすまなかった」

とキルゲスさんが突然頭を下げた。

「そんな！頭を上げてくださいキルゲスさんが悪い訳じゃないんですから」

そらにレブさん達も悪気があってやったわけじゃないしね、
だけど本当に恐ろしいのはここからだった…