上 下
2 / 52
プロローグ

第0話 プロローグ

しおりを挟む
目をつむれば思い出す。白の世界でのあの出来事を・・・。

『これで、あなたの死んだ回数は九千九百九十九回目・・・。』

彼女の放ったあの言葉が全ての始まりだ。
「夢ではない。あれは現実。」
鏡を前にして思わず口にしてしまう。
写し出されているのは黒髪の大人しそうな少年の姿、かつての銀色の髪はもうない。
拳を開いては閉じ改めて、自身の力の具合を実感する。

大丈夫だ。絶望を乗り越える力はある。

少年は決意を胸に駆けだした。
しおりを挟む

処理中です...