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第3話 運命の出会い
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私は駐輪場においた125ccのバイクで帰宅路を走っているとラズベルで1番大きな公園、中央公園が目に入り、バイクを道路脇につけバイクを降りた。
中央公園は広い割には遊具とよべるものが殆どない、端のほうに申し訳程度に砂場と小さな滑り台、ブランコがあるくらいだ。
だからといって広大な土地をグラウンドとして使える訳でもなく。なぜなら中心には立派な噴水があり、その隣にはなぜかぽつんとオルガンピアノが置かれているからだ。
昔はここで演奏してる人に憧れを持っていたものだが、今はめっきりここで演奏をしてる人を見たことがない。
まぁそのおかげで、私の下手なピアノがきかれることなく練習に明け暮れられたのだけれど。
「さてと」
私は目を閉じ、心穏やかにしピアノを引きはじめた。
中央公園にピアノの音色が響く中、木の物陰から私をのぞく一人の少女がいた。私は気持ちよくピアノの引いていたため気づかなかったけど、少女は神妙な顔で見つめている。
「あの子泣いてるんだわ」
少女のフィルターを通した世界は、大粒の雨が大地を打ち付けており、彼女にはそれが私の涙に見えたのかもしれない。
でも私のピアノを引く気持ちは悲しいとはまた違うもので、諦めめいた嘆きなようなもののような気がする。
みるみるうちに雨水が側溝から溢れ出し、足元が浸水してまるで沢のように水が足元を流れでる。
私が一曲目を3分程で引き終わり、次に昔お母さんが私のために作ってくれた曲を引こうとするが、途中でメロディが分からなくなり、つまづいた。引きなれた曲でそんなはずはないと、また冒頭から引き直すが必ずそこで途切れてしまう。
私が悪戦苦闘していると脇から少女がメロディの続きを口ずさみ、私のピアノを導いてくれて引く事ができた。
私は少女に気付き彼女に問いかける。
「どうしてこの曲を?」
「私はこの世界のことならなんでも知ってるの。そうでしょクレア」
金色のロングヘアの女の子で服装は薄いピンクのドレスに胸元に大きなリボンがあしらわれていた。
「君は一体?」
「ごめんなさい私今追われてるの、追手には上手くはぐらかして」
「おいお前」
私が手を伸ばし少女を制止しようとするが、彼女は足早に私の座る椅子の中へ潜りこんでしまった。椅子には長いシートが掛けられているため、子供1人なら隠れることができた。
そうこうしてるうちに次々と数十人の警備隊員とおもしき集団が私の目の前にやってきた。
「失礼します、ここでこれくらいの小さな女の子を見かけませんでしたか?」
「あーすみません、私は何もーー」
私はあからさまに視線をずらし、頭を掻きながら言った。
「そうですか。よし二手に別れよう」
隊員が言いその場を去ろうとしたその時、一人の隊員が私の受け答えを不審に思いもう一度声をかけた。
「ちょっとまて、失礼ですが確認させてもらいます」
そう言うと隊員は私が座ってるのをお構いなしに、おもむろに椅子のシートをめくろうとした。
「ふん」
私は女性に許される行為ではないと思いその隊員の顔を大きく蹴り上げた。
「貴様、我々が軍人だと分かってのことか?」
部下の目の前で恥をかかされ、隊員は顔を赤くして私を怒鳴りつけたが、私は臆することなく言った。
「それをいうならお前達は司令官の娘の顔も知らないのか?」
そう言われようやく気づいたのがその隊員の態度が180°急変して慌てて言う。
「これは失礼しました。疑って申し訳ありませんでした。追跡を続けるぞ」
そういうと警備隊は足早にその場を去っていった。
「ふぅー、もう出てきていいぞ」
私に言われ少女が安堵の表情で椅子の中から出てきた。
「強くしがみついちゃってごめんなさい。まさか女性の足元をめくるだなんて、そんなはしたない行為をするなんて誰も思わないでしょ」
「まったくだよ。こちとらおまえが足を強く握るもんだから足がヒリヒリするよ」
「だからごめんって」
「あいつら特殊警邏隊だろ、お前追われるようなことでもしたのか?」
「ううん私何も悪いことしてないよ」
「だったらなんで追われてるんだよ」
「そんなの私にだって分からないよ」
「まぁいいや、私には関係ないことだし」
私は椅子から立ち上がり少女に背を向けて歩き出すと、少女が慌てて私に声を掛けた。
「え?私を置いてくつもり?クレアは私に何もきかないの?」
その言葉に背を向けたまま私は立ち止まりしばし考え少女に言った。
「お前名前は?」
「リィナ」
「リィナはなんであの曲を?あれは私とお母さんしか知らないはずだ」
「for your mind only」
「はっ?」
「その曲の名前」
「なんでそんなことお前が知ってるんだよ」
「言ったでしょ、私はなんでも知ってるって」
「何だよさっきからそればっかりで、リィナは何も教えてくれないじゃないか」
「クレアは言ったら私のこと信じてくれる?これから私が馬鹿げたことを言っても笑ったりしないで真剣に聞いてくれる?」
「うん……」
「なら私の手をつかんで」
「なんだよ言うんじゃないのかよ」
「いいから掴んで、これがあなたに真実を告げることに繋がるの」
リィナにそう言われしかたなく彼女の手を掴むと私とリィナは不思議な光に包まれた。
「クレアあなたに違う世界を見せてあげる」
次に私が瞳を開くと白と黒の視界が色鮮やかに色に溢れていた。
「なんだこれ、色だすげー。色があるって知ってたはずなんだけどな、なんだか感動する。リィナ、君は一体何者なんだ?」
「私はあそこからきたの?」
リィナが指さした方角にはマザーセントラルビルがあった。
「マザーシステム、それが私なの。マザーにも心があるのよ。私はあなたの心を助けるためにここにきたの」
「マザーシステムは機械だろ、今だって変わらず光ってるじゃないか?」
「マザーシステムの核の部分には人の心が宿ってる。この体はあくまで借り物に過ぎない」
「じゃなんだ。お前子供の体を乗っ取ってるのか」
「そうじゃない、そうじゃないよ。クレアは全然わかってない。
あなたこのままじゃこの世界に染められちゃう、向こうでの記憶を完全に忘れたら、2度と元の世界には戻れなくなるのよ」
リィナは物分りの悪い私に苛立ちをみせた。
「わかんないこと言ってるのはリィナの方だろ。情報量が多すぎて頭が追いついていかないんだよ。とにかくマザーセントラルにリィナの居場所があるのか?」
「私マザーセントラルには帰らないよ。あそこは暗くて、寒くて、ずっと一人ぼっちで」
「ふぅー、仕方ない行くとこないならついてきな」
「クレアの家に置いてくれるのね」
「ないない、それじゃー私が誘拐犯になっちまうじゃないか」
私はその場を後にしようとしたがあることを思い出した。
「あっそうだ、あの曲また度忘れしないように楽譜に記しておくか」
私はピアノの蓋を閉めるとその間に楽譜を記したメモ書きをそっと挟んだ。
こんな慌ただしくも忙しい世界だ。誰もここには来はしないだろう。
私はリィナに向き返り言った。
「人が住むには住居登録が必要なんだ、それを破るとリィナにもペナルティがつくぞ。
でもそういう規則を平気で破る悪い大人達を知ってる。
なに怖い奴らじゃないさ、見た目は、ごろつきみたいだけど、気のいいおっちゃん達さ」
私とリィナは成り行くで私の古い知り合いのおやっさんの家を目指すことにした。
中央公園は広い割には遊具とよべるものが殆どない、端のほうに申し訳程度に砂場と小さな滑り台、ブランコがあるくらいだ。
だからといって広大な土地をグラウンドとして使える訳でもなく。なぜなら中心には立派な噴水があり、その隣にはなぜかぽつんとオルガンピアノが置かれているからだ。
昔はここで演奏してる人に憧れを持っていたものだが、今はめっきりここで演奏をしてる人を見たことがない。
まぁそのおかげで、私の下手なピアノがきかれることなく練習に明け暮れられたのだけれど。
「さてと」
私は目を閉じ、心穏やかにしピアノを引きはじめた。
中央公園にピアノの音色が響く中、木の物陰から私をのぞく一人の少女がいた。私は気持ちよくピアノの引いていたため気づかなかったけど、少女は神妙な顔で見つめている。
「あの子泣いてるんだわ」
少女のフィルターを通した世界は、大粒の雨が大地を打ち付けており、彼女にはそれが私の涙に見えたのかもしれない。
でも私のピアノを引く気持ちは悲しいとはまた違うもので、諦めめいた嘆きなようなもののような気がする。
みるみるうちに雨水が側溝から溢れ出し、足元が浸水してまるで沢のように水が足元を流れでる。
私が一曲目を3分程で引き終わり、次に昔お母さんが私のために作ってくれた曲を引こうとするが、途中でメロディが分からなくなり、つまづいた。引きなれた曲でそんなはずはないと、また冒頭から引き直すが必ずそこで途切れてしまう。
私が悪戦苦闘していると脇から少女がメロディの続きを口ずさみ、私のピアノを導いてくれて引く事ができた。
私は少女に気付き彼女に問いかける。
「どうしてこの曲を?」
「私はこの世界のことならなんでも知ってるの。そうでしょクレア」
金色のロングヘアの女の子で服装は薄いピンクのドレスに胸元に大きなリボンがあしらわれていた。
「君は一体?」
「ごめんなさい私今追われてるの、追手には上手くはぐらかして」
「おいお前」
私が手を伸ばし少女を制止しようとするが、彼女は足早に私の座る椅子の中へ潜りこんでしまった。椅子には長いシートが掛けられているため、子供1人なら隠れることができた。
そうこうしてるうちに次々と数十人の警備隊員とおもしき集団が私の目の前にやってきた。
「失礼します、ここでこれくらいの小さな女の子を見かけませんでしたか?」
「あーすみません、私は何もーー」
私はあからさまに視線をずらし、頭を掻きながら言った。
「そうですか。よし二手に別れよう」
隊員が言いその場を去ろうとしたその時、一人の隊員が私の受け答えを不審に思いもう一度声をかけた。
「ちょっとまて、失礼ですが確認させてもらいます」
そう言うと隊員は私が座ってるのをお構いなしに、おもむろに椅子のシートをめくろうとした。
「ふん」
私は女性に許される行為ではないと思いその隊員の顔を大きく蹴り上げた。
「貴様、我々が軍人だと分かってのことか?」
部下の目の前で恥をかかされ、隊員は顔を赤くして私を怒鳴りつけたが、私は臆することなく言った。
「それをいうならお前達は司令官の娘の顔も知らないのか?」
そう言われようやく気づいたのがその隊員の態度が180°急変して慌てて言う。
「これは失礼しました。疑って申し訳ありませんでした。追跡を続けるぞ」
そういうと警備隊は足早にその場を去っていった。
「ふぅー、もう出てきていいぞ」
私に言われ少女が安堵の表情で椅子の中から出てきた。
「強くしがみついちゃってごめんなさい。まさか女性の足元をめくるだなんて、そんなはしたない行為をするなんて誰も思わないでしょ」
「まったくだよ。こちとらおまえが足を強く握るもんだから足がヒリヒリするよ」
「だからごめんって」
「あいつら特殊警邏隊だろ、お前追われるようなことでもしたのか?」
「ううん私何も悪いことしてないよ」
「だったらなんで追われてるんだよ」
「そんなの私にだって分からないよ」
「まぁいいや、私には関係ないことだし」
私は椅子から立ち上がり少女に背を向けて歩き出すと、少女が慌てて私に声を掛けた。
「え?私を置いてくつもり?クレアは私に何もきかないの?」
その言葉に背を向けたまま私は立ち止まりしばし考え少女に言った。
「お前名前は?」
「リィナ」
「リィナはなんであの曲を?あれは私とお母さんしか知らないはずだ」
「for your mind only」
「はっ?」
「その曲の名前」
「なんでそんなことお前が知ってるんだよ」
「言ったでしょ、私はなんでも知ってるって」
「何だよさっきからそればっかりで、リィナは何も教えてくれないじゃないか」
「クレアは言ったら私のこと信じてくれる?これから私が馬鹿げたことを言っても笑ったりしないで真剣に聞いてくれる?」
「うん……」
「なら私の手をつかんで」
「なんだよ言うんじゃないのかよ」
「いいから掴んで、これがあなたに真実を告げることに繋がるの」
リィナにそう言われしかたなく彼女の手を掴むと私とリィナは不思議な光に包まれた。
「クレアあなたに違う世界を見せてあげる」
次に私が瞳を開くと白と黒の視界が色鮮やかに色に溢れていた。
「なんだこれ、色だすげー。色があるって知ってたはずなんだけどな、なんだか感動する。リィナ、君は一体何者なんだ?」
「私はあそこからきたの?」
リィナが指さした方角にはマザーセントラルビルがあった。
「マザーシステム、それが私なの。マザーにも心があるのよ。私はあなたの心を助けるためにここにきたの」
「マザーシステムは機械だろ、今だって変わらず光ってるじゃないか?」
「マザーシステムの核の部分には人の心が宿ってる。この体はあくまで借り物に過ぎない」
「じゃなんだ。お前子供の体を乗っ取ってるのか」
「そうじゃない、そうじゃないよ。クレアは全然わかってない。
あなたこのままじゃこの世界に染められちゃう、向こうでの記憶を完全に忘れたら、2度と元の世界には戻れなくなるのよ」
リィナは物分りの悪い私に苛立ちをみせた。
「わかんないこと言ってるのはリィナの方だろ。情報量が多すぎて頭が追いついていかないんだよ。とにかくマザーセントラルにリィナの居場所があるのか?」
「私マザーセントラルには帰らないよ。あそこは暗くて、寒くて、ずっと一人ぼっちで」
「ふぅー、仕方ない行くとこないならついてきな」
「クレアの家に置いてくれるのね」
「ないない、それじゃー私が誘拐犯になっちまうじゃないか」
私はその場を後にしようとしたがあることを思い出した。
「あっそうだ、あの曲また度忘れしないように楽譜に記しておくか」
私はピアノの蓋を閉めるとその間に楽譜を記したメモ書きをそっと挟んだ。
こんな慌ただしくも忙しい世界だ。誰もここには来はしないだろう。
私はリィナに向き返り言った。
「人が住むには住居登録が必要なんだ、それを破るとリィナにもペナルティがつくぞ。
でもそういう規則を平気で破る悪い大人達を知ってる。
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