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第二章
第30話 世界のどこかで
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夕日が沈みゆくモンテの村をリップと一緒に走っていると、先程カイトとボートに乗ったモンテ湖に真っ赤な夕日が映り込み、その絶景に私は足を止めた。
「リップ綺麗だね、こんな素敵な日々が一生続けばいいのに」
私はこの世界からなんで争いが消えないのか不思議で仕方なかった。こんな些細なひと時でも自然は美しく私達に感動を与えてくれるのに。
今こうしてる時でさえ、世界のどこかで戦争が起きてることを思うと私は胸が痛んだ。
「リップ、私達の人生はきっと辛いことの連続になると思う。けどその辛さを乗り越えただけ、他の誰かに幸せを上げることが出来る。
そんな人生も悪くないと思わない?」
「ククルー」
リップは私に『どこまでもついていくよ』と言ってくれた。
「よし、今日は3人でパーっとやりましましょ」
私はそう言うと湖をあとにして、またモンテの村を走っていった。
リップも一緒になってはしゃいで私を追いかけた。
程なくしてモンテの商店街と思われる通りに出てきた。
商店街といってもモンテのお店は全部移動式の露店であり、日暮れ時の今は店を閉じ始めてる所ばかりだった。
店をやってたのはたったの1つだけで、そこは八百屋さんだった。
お肉が目当てだっただけに、私は残念な気持ちになったけど、お店がやってないんじゃ仕方ない。野菜だけでも買っていくことにした。
白菜に、玉葱に、人参をカゴに入れてカウンターに出した。
「1200ミラだね」
無精ひげにサングラスを掛けた色黒のおじさんが言った。
私は財布からお札2枚2000ミラを支払った。
店員のおじさんがお釣り計算をしていると、リップが好物の肉が買えなかったことにゴネ始めた。
「クブークブブー」
「リップ仕方ないでしょ、今日はこれだけでバーベキューしよ」
「お客さん野菜だけでバーベキューかい?それじゃー味気ないってもんだよ」
そう言うと店員は足元にあった食品のかごから牛肉のパックを1つ取り出し、先程買った野菜と一緒に袋に入れてくれた。そして私に釣り銭を渡す。
「あのこれいいんですか?」
「さっき隣の露店で売れ残りの安いのを買ったのさ、サービスでいいさ」
「でも」
私が申し訳なさげな顔をしてると店主は明るく言った。
「いいんだよ、肉のないバーベキューなんて笑えないぜお客さん。でもどうしてもっていうんなら、頼みがない訳でもない」
「お礼しますから何でも言ってください」
「そうだな」店主は少し考えこみ今日は遅いからと明日もう一度店にくるように私達に言った。
帰りは行きと違い、コテージまでリップに乗ってひとっ飛びで帰ることにした。
「リップ良い人だったね。これでお肉のバーベキューも食べれるし」
「クルルー」
リップは翼を羽ばたかせながら陽気に喜んでみせた。三人で食べるのに肉1パックでは全然足りない量だが、野菜だけのバーベキューとは天と地の差があった。
コテージに帰ってくると煙突からは煙が上がっており、中へ入るとカイトが暖炉を点けてくれていて部屋の中はとても温かった。
「カイトただいま」
「アサおかえり、お目当てのものは買えたか?」
「それがねーー」
私はさっきの出来事をカイトに話し、野菜を切り、バーベキューの準備を進めた。
カイトにはバーベキューの機械の準備に取り掛かかってもらい、リップは薪を網の上で焼いて炭火を作ってもらった。
そうして準備の整ったテラスでのバーベキューは、材料が少なかっただけに1時間程であっという間に終わってしまった。
それでも外でみんなでご飯を食べるのは楽しく、リップは1番肉を沢山食べられ満足してくれたみたい。
空腹が満たされると私は途端に睡魔に襲われ、後片付けは明日にすることにして早々に寝ることにした。
「リップ綺麗だね、こんな素敵な日々が一生続けばいいのに」
私はこの世界からなんで争いが消えないのか不思議で仕方なかった。こんな些細なひと時でも自然は美しく私達に感動を与えてくれるのに。
今こうしてる時でさえ、世界のどこかで戦争が起きてることを思うと私は胸が痛んだ。
「リップ、私達の人生はきっと辛いことの連続になると思う。けどその辛さを乗り越えただけ、他の誰かに幸せを上げることが出来る。
そんな人生も悪くないと思わない?」
「ククルー」
リップは私に『どこまでもついていくよ』と言ってくれた。
「よし、今日は3人でパーっとやりましましょ」
私はそう言うと湖をあとにして、またモンテの村を走っていった。
リップも一緒になってはしゃいで私を追いかけた。
程なくしてモンテの商店街と思われる通りに出てきた。
商店街といってもモンテのお店は全部移動式の露店であり、日暮れ時の今は店を閉じ始めてる所ばかりだった。
店をやってたのはたったの1つだけで、そこは八百屋さんだった。
お肉が目当てだっただけに、私は残念な気持ちになったけど、お店がやってないんじゃ仕方ない。野菜だけでも買っていくことにした。
白菜に、玉葱に、人参をカゴに入れてカウンターに出した。
「1200ミラだね」
無精ひげにサングラスを掛けた色黒のおじさんが言った。
私は財布からお札2枚2000ミラを支払った。
店員のおじさんがお釣り計算をしていると、リップが好物の肉が買えなかったことにゴネ始めた。
「クブークブブー」
「リップ仕方ないでしょ、今日はこれだけでバーベキューしよ」
「お客さん野菜だけでバーベキューかい?それじゃー味気ないってもんだよ」
そう言うと店員は足元にあった食品のかごから牛肉のパックを1つ取り出し、先程買った野菜と一緒に袋に入れてくれた。そして私に釣り銭を渡す。
「あのこれいいんですか?」
「さっき隣の露店で売れ残りの安いのを買ったのさ、サービスでいいさ」
「でも」
私が申し訳なさげな顔をしてると店主は明るく言った。
「いいんだよ、肉のないバーベキューなんて笑えないぜお客さん。でもどうしてもっていうんなら、頼みがない訳でもない」
「お礼しますから何でも言ってください」
「そうだな」店主は少し考えこみ今日は遅いからと明日もう一度店にくるように私達に言った。
帰りは行きと違い、コテージまでリップに乗ってひとっ飛びで帰ることにした。
「リップ良い人だったね。これでお肉のバーベキューも食べれるし」
「クルルー」
リップは翼を羽ばたかせながら陽気に喜んでみせた。三人で食べるのに肉1パックでは全然足りない量だが、野菜だけのバーベキューとは天と地の差があった。
コテージに帰ってくると煙突からは煙が上がっており、中へ入るとカイトが暖炉を点けてくれていて部屋の中はとても温かった。
「カイトただいま」
「アサおかえり、お目当てのものは買えたか?」
「それがねーー」
私はさっきの出来事をカイトに話し、野菜を切り、バーベキューの準備を進めた。
カイトにはバーベキューの機械の準備に取り掛かかってもらい、リップは薪を網の上で焼いて炭火を作ってもらった。
そうして準備の整ったテラスでのバーベキューは、材料が少なかっただけに1時間程であっという間に終わってしまった。
それでも外でみんなでご飯を食べるのは楽しく、リップは1番肉を沢山食べられ満足してくれたみたい。
空腹が満たされると私は途端に睡魔に襲われ、後片付けは明日にすることにして早々に寝ることにした。
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