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婚約破棄されてみたわ
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学園の講堂にて、現在パーティーの真っ最中なんですが、何やら事件が起こっているようです。どうも私の婚約者である折原輝明が他の女を連れてるとか。
真澄 花蓮。
私は生まれてこの方苦労をしたことがない。何をやっても基本的にはうまくいくし、面倒くさいことはやらなくていい。幸いながら容姿も申し分なく男はより取り見取り。そんな私に今、とてつもなく面倒くさそうなことが起こる予感がする。こういう時どうするか。逃げたらプライドが廃るなんて言うけど、そんな大層なプライドなんてないし、面倒くさいことをする方が嫌なので私は逃げる。全速力で逃げる。年に一度の創立記念日パーティーの最中だろうと何だろうと私には関係ない。ドレスコード必須のパーティーなので嫌々着てきたドレスを鬱陶しく感じながらスタスタと逃げさる。
「あっ、ちょ、待て!」
待ちません。だって面倒くさいから。そもそも我が社の系列子会社子息風情が待てとか立場わきまえろバカ。知りませ~んと言った顔で待たせておいたリムジンに乗ってその場を去ろうとしたその時
突然車に急ブレーキがかかる。
「ん?」
「おい、なぜ逃げる。今からが本番なんだ。一緒に楽しもうではないか」
「どうぞご自由に。お二人でゆっくりしてるといいわ」
「おい!」
窓から手を掴まれて物凄い形相で表へ出ろと言われてしまった。ヤクザですか?
仕方なく腕を引っ張られながらついていくと講堂のど真ん中で腕を離され危うく尻餅をつきそうになる。
「危ないわね、面倒だからさっさと終わらせて」
「あぁ、人生ごと終わらせてやるよ」
「あら、凄い。ご立派になったのね」
「そんなことを言ってられるのも今のうちだ。
お前なんかとは婚約解消だ。性悪女。ここまで付き合ってやった俺に感謝しろ。生涯孤独になっても俺は知らないからな。こいつと一緒に人生を歩むことを心に決めたんだ」
そう言って1人の女性の肩を抱き寄せて見せつけてくる男に心底呆れる。あぁそうですか。いいんじゃないですか。女の子も満更でもなさそうだし。
「いいですけど、貴方が気に食わないから言わせていただきます。
『お前なんかとは』って仰ってましたけど、なんで自分といることがお前にとって幸せって思い込んでるんですか?
いや別に貴方がいなくても私生きていけるし、むしろこんな厄介ごと起こすような方こちらからお断りです。
それに、婚約解消をしてもよろしいですけど、お父様の立場も考えたらどうです?社長の娘との婚約を息子が断った。そんな大事件をお父様はどうお考えになるかしら?私だったら息子がそんなことをしたらいっそのこと会社をやめてしまいたくなるわ。社長にどんな顔して合えばいいのかわかりませんもの。
どの口からモノ言ってるのか知りませんけど立場を弁えたらどうですか?
それから、貴方は先の未来も考えることができない小学生ですか?我が校の初等科には優秀な先生や、素晴らしい設備が整っております。明日にでも入部届けを出しておきましょうか?」
「き、貴様」
これ以上話すこともないし、話す価値もない。そう思ったのでこの場を立ち去ることにした。あ、でも彼をこのままの状態で放置しておくと厄介ごとを起こしそうだから………
「誰か彼にお水を。随分と頭に血が上っているようですので」
私のハイヒールがコツコツと音を鳴らし、講堂に響き渡る。呆然としている輝明さんに、少し悔しそうな女の子。にやけ顔の野次馬に、心配そうな顔をする私の取り巻きたち。色んな人がいるものだ。
疲れた。面倒だった。明日は学校に来たくない。けど、行かない方が後々大変そう………はぁ、厄介な元婚約者を持つと大変なのですね。
彼女の口角が上がっていることを誰も知らない。
真澄 花蓮。
私は生まれてこの方苦労をしたことがない。何をやっても基本的にはうまくいくし、面倒くさいことはやらなくていい。幸いながら容姿も申し分なく男はより取り見取り。そんな私に今、とてつもなく面倒くさそうなことが起こる予感がする。こういう時どうするか。逃げたらプライドが廃るなんて言うけど、そんな大層なプライドなんてないし、面倒くさいことをする方が嫌なので私は逃げる。全速力で逃げる。年に一度の創立記念日パーティーの最中だろうと何だろうと私には関係ない。ドレスコード必須のパーティーなので嫌々着てきたドレスを鬱陶しく感じながらスタスタと逃げさる。
「あっ、ちょ、待て!」
待ちません。だって面倒くさいから。そもそも我が社の系列子会社子息風情が待てとか立場わきまえろバカ。知りませ~んと言った顔で待たせておいたリムジンに乗ってその場を去ろうとしたその時
突然車に急ブレーキがかかる。
「ん?」
「おい、なぜ逃げる。今からが本番なんだ。一緒に楽しもうではないか」
「どうぞご自由に。お二人でゆっくりしてるといいわ」
「おい!」
窓から手を掴まれて物凄い形相で表へ出ろと言われてしまった。ヤクザですか?
仕方なく腕を引っ張られながらついていくと講堂のど真ん中で腕を離され危うく尻餅をつきそうになる。
「危ないわね、面倒だからさっさと終わらせて」
「あぁ、人生ごと終わらせてやるよ」
「あら、凄い。ご立派になったのね」
「そんなことを言ってられるのも今のうちだ。
お前なんかとは婚約解消だ。性悪女。ここまで付き合ってやった俺に感謝しろ。生涯孤独になっても俺は知らないからな。こいつと一緒に人生を歩むことを心に決めたんだ」
そう言って1人の女性の肩を抱き寄せて見せつけてくる男に心底呆れる。あぁそうですか。いいんじゃないですか。女の子も満更でもなさそうだし。
「いいですけど、貴方が気に食わないから言わせていただきます。
『お前なんかとは』って仰ってましたけど、なんで自分といることがお前にとって幸せって思い込んでるんですか?
いや別に貴方がいなくても私生きていけるし、むしろこんな厄介ごと起こすような方こちらからお断りです。
それに、婚約解消をしてもよろしいですけど、お父様の立場も考えたらどうです?社長の娘との婚約を息子が断った。そんな大事件をお父様はどうお考えになるかしら?私だったら息子がそんなことをしたらいっそのこと会社をやめてしまいたくなるわ。社長にどんな顔して合えばいいのかわかりませんもの。
どの口からモノ言ってるのか知りませんけど立場を弁えたらどうですか?
それから、貴方は先の未来も考えることができない小学生ですか?我が校の初等科には優秀な先生や、素晴らしい設備が整っております。明日にでも入部届けを出しておきましょうか?」
「き、貴様」
これ以上話すこともないし、話す価値もない。そう思ったのでこの場を立ち去ることにした。あ、でも彼をこのままの状態で放置しておくと厄介ごとを起こしそうだから………
「誰か彼にお水を。随分と頭に血が上っているようですので」
私のハイヒールがコツコツと音を鳴らし、講堂に響き渡る。呆然としている輝明さんに、少し悔しそうな女の子。にやけ顔の野次馬に、心配そうな顔をする私の取り巻きたち。色んな人がいるものだ。
疲れた。面倒だった。明日は学校に来たくない。けど、行かない方が後々大変そう………はぁ、厄介な元婚約者を持つと大変なのですね。
彼女の口角が上がっていることを誰も知らない。
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