76 / 395
第75話 咸陽の攻防(2)
しおりを挟む
咸陽の戦いは混戦を極める。
左側に展開した次郎・三郎隊は市街戦となり、突然現れる敵兵たちと戦闘を繰り広げる。
「おい次郎、これマジできついな!」
「まったくだ」
「これ俺たちが想定していた兵数よりも多いんじゃないか?」
当初、北の砦に15000引き付け、咸陽は5000程度の守備兵になると読んでいたのだが、咸陽の守備を重視した亜父は10000しか連れて行かず、結果咸陽には10000の兵と、援軍である500の空挺部隊が守備していたのだ。
「他の奴らも2~3人で組んでいるとはいえ、けっこう苦戦しているだろうなぁ」
「せめて建物の中を隠れ蓑に出来れば少しはましな戦いができるのだが」
次郎の言葉に三郎は皮肉交じりに答える。
「仕方ないさ、民間人に害を与えてはならないと九郎様からのお達しだからな」
二人の会話に突然別の声が乱入してくる。
「ほう、民間人を盾にしないとは、魔族共よりもよっぽど好感が持てる敵だな!」
二人は慌てて振り向くと、後ろには斧槍を担いだ熊が立っていた。
「安心しろ!お前たちのその武士道精神に免じて、他の部下には手は出させん!」
「二人まとめてかかってこい!」
「「それじゃ、遠慮なく!」」
二人は声を揃えて、この城を守備する最強の熊武将に挑んでいく。
一方、右側に展開した佐藤兄弟隊も市街戦となっている。
ただ、左側と違うところは、こちらはコボルトやゴブリンの兵団で、規則正しい攻撃をしてくる。
佐藤兄弟たちも、最初は本気で対応していたが、やがて攻撃に殺気がないのに気づき、無駄に応戦をしなくなっていた。
やがて、奥から一人の熊武将が、2本の剣を持って現れる。
「ほう、これはピットの配下の皆さんかな?」
その言葉に忠信が反応する。
「もしかしてあなたが射陽侯殿か?」
うむ!と言って剣を抜き、継信と鍔ぜり合いになる。
「大丈夫、周りはすべて私の部下です」
「今から私に付いて来てくだされ」
小声で話す射陽侯に、佐藤兄弟は頷く。
ぱっと離れた両者は互いに剣を収め、残りの者に事情を伝えて、二人は射陽侯についていく。
中央は城の中でも最大の激戦区だ。
5000はいるであろう魔族兵の中に、弁慶は突撃して大鉈を振るう。
六郎は屋根の上を走りながら弓矢を次々と繰り出し、敵の弓兵団を狙撃する。
魔族兵も弓で応戦するが、壁や屋根を走り回る六郎を捕らえる事は出来ない。
更に途中で接近戦を仕掛け、討ち取った魔族兵の弓矢を盗んでいく。
弁慶は弓矢を食らっても、外皮が固いため体へ全く通らない。
「これはよい!いちいち敵を探さなくても、敵からこちらに近づいてくれる!」
大笑いしながら兵をなぎ倒す弁慶の無双ぶりに、敵熊武将はついに業を煮やす。
「お前たちは壁をちょこまかと走り回るやつに集中しろ!」
「この僧兵は俺が片付ける!」
そう号令をかけ、熊武将は僧兵と対峙する。
「ほう、後ろにこそこそ隠れていたやつに、この武蔵坊弁慶と一騎打ちをする度胸があるとはな!」
「ほざけ!ここは決闘場ではなく戦場だ!」
「持てる兵力全てを使って戦うのが礼儀であろう!」
なるほど、正論だなと弁慶は頷く。
「我が名は武蔵坊弁慶、熊武将よ掛かってこい!」
「我は名もなき熊武将!お前を地獄の業火に投げ込んでくれるわ!」
二人の大鉈と斧槍が激しく交錯する。
左側に展開した次郎・三郎隊は市街戦となり、突然現れる敵兵たちと戦闘を繰り広げる。
「おい次郎、これマジできついな!」
「まったくだ」
「これ俺たちが想定していた兵数よりも多いんじゃないか?」
当初、北の砦に15000引き付け、咸陽は5000程度の守備兵になると読んでいたのだが、咸陽の守備を重視した亜父は10000しか連れて行かず、結果咸陽には10000の兵と、援軍である500の空挺部隊が守備していたのだ。
「他の奴らも2~3人で組んでいるとはいえ、けっこう苦戦しているだろうなぁ」
「せめて建物の中を隠れ蓑に出来れば少しはましな戦いができるのだが」
次郎の言葉に三郎は皮肉交じりに答える。
「仕方ないさ、民間人に害を与えてはならないと九郎様からのお達しだからな」
二人の会話に突然別の声が乱入してくる。
「ほう、民間人を盾にしないとは、魔族共よりもよっぽど好感が持てる敵だな!」
二人は慌てて振り向くと、後ろには斧槍を担いだ熊が立っていた。
「安心しろ!お前たちのその武士道精神に免じて、他の部下には手は出させん!」
「二人まとめてかかってこい!」
「「それじゃ、遠慮なく!」」
二人は声を揃えて、この城を守備する最強の熊武将に挑んでいく。
一方、右側に展開した佐藤兄弟隊も市街戦となっている。
ただ、左側と違うところは、こちらはコボルトやゴブリンの兵団で、規則正しい攻撃をしてくる。
佐藤兄弟たちも、最初は本気で対応していたが、やがて攻撃に殺気がないのに気づき、無駄に応戦をしなくなっていた。
やがて、奥から一人の熊武将が、2本の剣を持って現れる。
「ほう、これはピットの配下の皆さんかな?」
その言葉に忠信が反応する。
「もしかしてあなたが射陽侯殿か?」
うむ!と言って剣を抜き、継信と鍔ぜり合いになる。
「大丈夫、周りはすべて私の部下です」
「今から私に付いて来てくだされ」
小声で話す射陽侯に、佐藤兄弟は頷く。
ぱっと離れた両者は互いに剣を収め、残りの者に事情を伝えて、二人は射陽侯についていく。
中央は城の中でも最大の激戦区だ。
5000はいるであろう魔族兵の中に、弁慶は突撃して大鉈を振るう。
六郎は屋根の上を走りながら弓矢を次々と繰り出し、敵の弓兵団を狙撃する。
魔族兵も弓で応戦するが、壁や屋根を走り回る六郎を捕らえる事は出来ない。
更に途中で接近戦を仕掛け、討ち取った魔族兵の弓矢を盗んでいく。
弁慶は弓矢を食らっても、外皮が固いため体へ全く通らない。
「これはよい!いちいち敵を探さなくても、敵からこちらに近づいてくれる!」
大笑いしながら兵をなぎ倒す弁慶の無双ぶりに、敵熊武将はついに業を煮やす。
「お前たちは壁をちょこまかと走り回るやつに集中しろ!」
「この僧兵は俺が片付ける!」
そう号令をかけ、熊武将は僧兵と対峙する。
「ほう、後ろにこそこそ隠れていたやつに、この武蔵坊弁慶と一騎打ちをする度胸があるとはな!」
「ほざけ!ここは決闘場ではなく戦場だ!」
「持てる兵力全てを使って戦うのが礼儀であろう!」
なるほど、正論だなと弁慶は頷く。
「我が名は武蔵坊弁慶、熊武将よ掛かってこい!」
「我は名もなき熊武将!お前を地獄の業火に投げ込んでくれるわ!」
二人の大鉈と斧槍が激しく交錯する。
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる