神となった俺の世界で、信者たちが国を興す

のりつま

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群雄進撃編

第324話 土佐の二十三烈士

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ここは土佐にある岩佐番所。

ここに不満を募らせたリザードマンの土佐郷士たちが集まり、現在の城主・宇喜多直家の回答を待っている。

今、土佐の町は、日ノ本からやって来た魔物兵により、怯える暮らしを余儀なくされていた。

城主の宇喜多直家の統治が行き届いている城下町では、魔物兵たちが暴れたり上士や町に住むものに危害を加えたりすることはなかったが、町から外れた下級郷士や農村民・貧民層が暮らす目が届かないところでは、略奪や殺人・人攫いが横行するなど、無法地帯と化している所もあった。

また、土佐上士は、被害にあっているのが身分の低い者たちという事もあり、何の手立ても打とうとはしなかった。

ここまで何の行動も起こさない藩に対し、遂には郷士たちの不満が爆発し、下級郷士の独眼竜『ミチノスケ』が首謀となり、武装した二十三名の同志を率いて、要害である岩佐番所を占拠する。

その日の夜、ミチノスケたちは、暴虐を尽くす魔物兵たちの対応と、ハンペン先生の開放を嘆願書にし、土佐の上士に渡した後、その返事を待っていた。

「遅い!やはり上士の奴らは、儂ら下級郷士の言葉らあ無視しよったか!」

「あいつら、儂らのことなど、虫ケラ以下とおもっちゅう!」

「どうするんじゃ、ミチノスケさん!このままじゃわしら、何のためにここを占拠したがか分からんぜよ!」

集まった同士の言葉に、黙って聞いていたミチノスケは重い口を開く。

「…もうちっくとだけ待つ。今話をしゆー、上士の『山田』殿は、我が殿・よっとる様と日ノ本の将軍双方と話せるお方との事じゃ」

「それに、いまわしらがここで勝手に決起したら、牢に繋がれちゅーハンペン先生の命が危ない」

ミチノスケの言葉に、皆何も反論せずにいる中、一人の郷士が走って駆けこんできた。

「ミチノスケさん!山田殿の書状を受け取ったき持って参った!」

ミチノスケは急ぎその書状を受け取り、皆に書いてある文字を読み上げる。

「首謀者・ミチノスケ及び、それに賛同した郷士に告げる。お前たちが番所占拠を行ったことは、公儀に対して反逆の行動と見て他ならない。速やかにその地を破棄し、反乱を解散後、首謀者『ミチノスケ』は急ぎ高知城へ出頭せよ…」

ミチノスケが書状を読み終えた後、郷士たちが一斉に憤慨し始めた。

「わしらが反乱を起こしただと!」

「おのれ!日ノ本のやつら!こちらの話を聞こうともせん!」

「やはり!上士や日ノ本の奴らは信用できざったか!」

「所詮、奴らからしたら、儂ら郷士は人にして人にあらずという事ながや!」

「よし!儂らが起って、日ノ本の奴らを土佐から追い払うんじゃ!」

「やけんど、なんぼ決起したち、ここにおる二十人程度じゃ、ざんじ蹴散らされてしまうで?」

「そうならんように、皆集まって返事を持っちょったのじゃないか!」

憤慨や失望が蔓延する中、ミチノスケは静かに考えを話す。

「皆聞いてくれ。儂は高知城に出頭しょう思う」

「なんじゃと?!」

「いま出頭したら、わざわざ処刑されに行くようなもんやないか!」

ミチノスケの発言に、皆は驚きを隠せない。

「儂らは反乱を起こしたくて、この地に集結したのじゃない!上士以外の土佐人も、おなじ『人』として、この事も対応してもらいたいだけなのじゃ!」

「もし儂が出頭したら、極刑は免れる事は出来んろう。やけんど、うもう行ったら、いまの城主に直談判できるやもしれん!」

真っすぐな眼差しで皆を見つめるミチノスケに、恐らく説得は無駄であろうと皆は悟る。

「ミチノスケさん、分かった。儂らも従う!」

「従う、だと?」

驚くミチノスケに、皆は一斉に口を開く。

「当たり前じゃろ!俺らみんなミチノスケさんを慕って集まったんじゃ!一人で行かせるわけないじゃろ!」

「そうじゃ!儂も口喧嘩は得意じゃから、何か言われてもざんじ言い返せるで!」

「死ぬかもしれんのじゃぞ!」

ミチノスケの言葉にも、笑って答える同志たち。

「なんの!ミチノスケさんと一緒に死ねるなら、そりゃそれで本望じゃて!」

「儂ら武士じゃから、最後は潔く腹きっちゃるぜよ!」

(…お前たち…)

ミチノスケは思う。彼らとなら、たとえ死ぬことになっても、きっと後悔はしないだろうと。

「皆ありがとう。もし命を落とすことになったち、皆と一緒ならなんちゃあ恐れる事はないで!」

「「ミチノスケさん!!」」

皆で肩を抱き合い、涙を流し、結束を確かめ合ったミチノスケはすっと立ち上がる。

「さあ!いざ敵地へ向かおうぞ!」

「「「おう!!」」」

皆一斉に立ち上がり、ミチノスケの声に応える。

ミチノスケ以下、二十二名の同志たちは、そのまま番所を出て高知城へと向かった。

誰もいなくなった番所。その中に、一人の男が『三味線』を抱えて入場し、唄い始める。

『三千世界の鴉を殺し 主と朝寝をしてみたい~』

短髪であばた顔の男は、唄い終えてしみじみと呟く。

『惜しい、実に惜しい!これほど国を思う君たちが、このような形で命を落とすことを考えると、僕は残念でならない!』

一言呟くと、その男は明け行く道の先へと消えていった。
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