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群雄進撃編
第332話 その女戦士、最強につき
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その時、大声で獣人語を叫ぶ女性の声が木霊する。
『グラッ・ウルグ!ファング・ルガ!』
間髪を入れず、に何かが爆発した音が鳴り響き、辺り一面に閃光が広がった。
「うわっ!眩しい!」
「何だこの光は!」
「目が…目がー!」
太陽にも似た明るさに、オークたちは目を開けられずにいた。
「うぐっ…」
「ぎゃっ…」
その光の中で、短い呻き声があちこちで、次々と聞こえてくる。
眼も開かず、何処からもなく聞こえてくる仲間の『断末魔』に、おそれを抱いたオークたちは、方向も分からずにその場から逃げ始めた。
「くそっ!てめーら!ここに閃光玉を投げ込んだ奴を、さっさとぶっ潰すぞ!」
オークの隊長が目を瞑りながら怒鳴るが、周りからは何の返事もない。
そして、彼の首筋に激痛が走る。
「うがっ…」
オーク隊長は全身が痺れ、そのまま前のめりに倒れてしまった。
全てのオークを麻痺させた女性戦士は、目を閉じたままの少年兵たちに号令する。
「グラッド・ルガ!ガル・オルグ・ズガ!オーク・ルガ・グラッ!」
「「「は、はい!!!」」」
女性戦士の獣人語を聞き、少年兵たちの驚きが混ざった返事が返ってきた。
女戦士はそのまま、倒れたオーク隊長の目前にしゃがみ込む。
全身が麻痺して動かないオーク隊長は、目の前でしゃがんだ足の持ち主の顔を眼球だけで追う。
(銃を背負った、人間の女?いや、触覚と背中に羽が生えている?)
(鳥人?いや、妖精種か?)
困惑の顔を浮かべるオーク隊長に、サングラスを付けた八重はにっこりとして話しかける。
《気分はどうだい?ブタの隊長君w》
(なに?妖精が魔族語だと…?!)
魔族の言葉で話しかける人間の存在に、驚くオーク隊長。
この世界では、人類だけでも多種多様の言葉があり、更に獣人語・魔族語・妖精語など、多数の言語が存在する。
ある程度知識のある人類・亜人・魔族は、『共通語』を基に多種族と話せるが、魔族の言語を話せるものなど、聞いたこともなかったのである。
《別に驚く事はないよ。僕に限らず、僕らの国の住民は、全ての種族語を話せるからね》
八重の発言に驚くオーク隊長だが、逆にこれは冷静にさせる事になる。
(国民全員だと?…なるほど、何者かは知らんが、こいつは嘘を言って俺の動揺を誘おうとしているのか!)
(現にさっきの奴も含め、ここの亜人共は誰一人、魔族語を聞き取れなかった!)
(そうか!こいつは俺を動揺させて、何かを聞き出そうとしているに違いない!)
ならばと、オーク隊長はここで時間を稼ぎ、付近にいる他のオーク部隊が来るのを待つ作戦に切り替える。
《ゆる…して…ください…》
《知っていることは…何でも話し…ます》
麻痺でうまく喋れない中、オーク隊長は必死になって、魔族語で八重に話しかける。
《別に、時間稼ぎなんかしなくていいよ?》
《君が待ち望んでいる付近の部隊は、ここへ僕が来る前に全部片付けて来たから》
《…ヘっ?》
八重に考えをあっさりと見抜かれてしまったオーク隊長は、思わず気の抜けた返事を返してしまう。
《オークの…部隊は…千人以上…いた!…そんな事…あり得ない!》
そんなの嘘に決まっている!いや、嘘であってほしい!そう願うオーク隊長だったが、付近に誰かが来る様子は一切なかった。
《実際、これだけ派手にやっていても、誰も駆けつけて来ないだろう?》
そんな中、少年兵の報復を叫ぶ声と、とオーク兵たちの断末魔があちこちから聞こえはじめる。
「とっつぁとおっかぁの仇」
《うぐっ!》
「おらたぢの町と城ばメチャクチャにしやがって!」
《ま、待て、命令で仕方なくやったんだ!》
「せいばいだ!」
《うぎゃ―!!》
あちこちから聞こえるオークたちの断末魔に、オーク隊長は本気で恐怖を感じていた。
(そんな…なぜ…俺の部下たちが…?)
《なぜ君の部下共が止めを刺されているかって?それは僕が、『獣人語で今倒れているオークたちにとどめを刺せ!』って号令したのさ!》
(俺の心が読まれている?なぜ…?)
《おやおや?君の心臓が早鐘を打っているよ?ちなみに閃光弾を使う前に『目をつぶって伏せろ!』って、獣人語で叫んだのさ》
笑顔で話す八重に、オーク隊長は心から悟った。
自分の全てを使っても、この『怪物』には勝ち目がない事を。
《さて、君の心を折る事も出来たし、そろそろ本題に入らせてもらおうか》
震えるオーク隊長の顔を覗き込み、八重は喋り始めた。
『グラッ・ウルグ!ファング・ルガ!』
間髪を入れず、に何かが爆発した音が鳴り響き、辺り一面に閃光が広がった。
「うわっ!眩しい!」
「何だこの光は!」
「目が…目がー!」
太陽にも似た明るさに、オークたちは目を開けられずにいた。
「うぐっ…」
「ぎゃっ…」
その光の中で、短い呻き声があちこちで、次々と聞こえてくる。
眼も開かず、何処からもなく聞こえてくる仲間の『断末魔』に、おそれを抱いたオークたちは、方向も分からずにその場から逃げ始めた。
「くそっ!てめーら!ここに閃光玉を投げ込んだ奴を、さっさとぶっ潰すぞ!」
オークの隊長が目を瞑りながら怒鳴るが、周りからは何の返事もない。
そして、彼の首筋に激痛が走る。
「うがっ…」
オーク隊長は全身が痺れ、そのまま前のめりに倒れてしまった。
全てのオークを麻痺させた女性戦士は、目を閉じたままの少年兵たちに号令する。
「グラッド・ルガ!ガル・オルグ・ズガ!オーク・ルガ・グラッ!」
「「「は、はい!!!」」」
女性戦士の獣人語を聞き、少年兵たちの驚きが混ざった返事が返ってきた。
女戦士はそのまま、倒れたオーク隊長の目前にしゃがみ込む。
全身が麻痺して動かないオーク隊長は、目の前でしゃがんだ足の持ち主の顔を眼球だけで追う。
(銃を背負った、人間の女?いや、触覚と背中に羽が生えている?)
(鳥人?いや、妖精種か?)
困惑の顔を浮かべるオーク隊長に、サングラスを付けた八重はにっこりとして話しかける。
《気分はどうだい?ブタの隊長君w》
(なに?妖精が魔族語だと…?!)
魔族の言葉で話しかける人間の存在に、驚くオーク隊長。
この世界では、人類だけでも多種多様の言葉があり、更に獣人語・魔族語・妖精語など、多数の言語が存在する。
ある程度知識のある人類・亜人・魔族は、『共通語』を基に多種族と話せるが、魔族の言語を話せるものなど、聞いたこともなかったのである。
《別に驚く事はないよ。僕に限らず、僕らの国の住民は、全ての種族語を話せるからね》
八重の発言に驚くオーク隊長だが、逆にこれは冷静にさせる事になる。
(国民全員だと?…なるほど、何者かは知らんが、こいつは嘘を言って俺の動揺を誘おうとしているのか!)
(現にさっきの奴も含め、ここの亜人共は誰一人、魔族語を聞き取れなかった!)
(そうか!こいつは俺を動揺させて、何かを聞き出そうとしているに違いない!)
ならばと、オーク隊長はここで時間を稼ぎ、付近にいる他のオーク部隊が来るのを待つ作戦に切り替える。
《ゆる…して…ください…》
《知っていることは…何でも話し…ます》
麻痺でうまく喋れない中、オーク隊長は必死になって、魔族語で八重に話しかける。
《別に、時間稼ぎなんかしなくていいよ?》
《君が待ち望んでいる付近の部隊は、ここへ僕が来る前に全部片付けて来たから》
《…ヘっ?》
八重に考えをあっさりと見抜かれてしまったオーク隊長は、思わず気の抜けた返事を返してしまう。
《オークの…部隊は…千人以上…いた!…そんな事…あり得ない!》
そんなの嘘に決まっている!いや、嘘であってほしい!そう願うオーク隊長だったが、付近に誰かが来る様子は一切なかった。
《実際、これだけ派手にやっていても、誰も駆けつけて来ないだろう?》
そんな中、少年兵の報復を叫ぶ声と、とオーク兵たちの断末魔があちこちから聞こえはじめる。
「とっつぁとおっかぁの仇」
《うぐっ!》
「おらたぢの町と城ばメチャクチャにしやがって!」
《ま、待て、命令で仕方なくやったんだ!》
「せいばいだ!」
《うぎゃ―!!》
あちこちから聞こえるオークたちの断末魔に、オーク隊長は本気で恐怖を感じていた。
(そんな…なぜ…俺の部下たちが…?)
《なぜ君の部下共が止めを刺されているかって?それは僕が、『獣人語で今倒れているオークたちにとどめを刺せ!』って号令したのさ!》
(俺の心が読まれている?なぜ…?)
《おやおや?君の心臓が早鐘を打っているよ?ちなみに閃光弾を使う前に『目をつぶって伏せろ!』って、獣人語で叫んだのさ》
笑顔で話す八重に、オーク隊長は心から悟った。
自分の全てを使っても、この『怪物』には勝ち目がない事を。
《さて、君の心を折る事も出来たし、そろそろ本題に入らせてもらおうか》
震えるオーク隊長の顔を覗き込み、八重は喋り始めた。
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