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懐かしの
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翌日、採ってきた木苺を使いジャム作りを決行することに。
「では綺麗に洗った苺と砂糖を鍋に入れて煮詰めて下さい」
途中半分は煮詰めたことにより出てきた水分と一緒に瓶詰めにしておく。
残った果肉と少しの水分でさらに煮詰めるとジャムの完成だ。
あえてあまり潰すことはせず形の残っている苺。
隣でも同じようにレモンのものも作っておいた。
「少し味見してみましょうか」
ワクワクと見つめてくる女性陣に、小さめに切ったパンを渡すと出来たばかりの木苺ジャムをのせていく。
「おいしー」
「あまーい」
「なにコレ!やばい!」
喜びの声に男性たちも興味津々だったので、こちらにはレモンのジャムをのせて配る。
「あ、うまい」
「酸っぱくないんだな」
「爽やかでいいな」
こちらも好評なようで、今日の朝食はパンと一緒に出してみることに。
「エニシくん、こっちは?」
最初に取り出しておいたものはシロップとしてお酒や水と割ってもいいし、残っている実はそのまま食べても美味しい。
「疲れた時は甘いものって言いますし、レモンなら熱い時にはちょうどいいでしょう」
ただ水だけを飲むよりは美味しいし、水分補給としてもいいだろう。
「いいわね!子どもたちも喜びそう」
確かにアズも喜びそうだと笑いながら、みんなで作った朝食を食堂まで運んでいく。
「ジャムというものを作ってみました。一つは木苺、一つはレモンなのでお好みでパンにのせて食べてみて下さい」
何だコレ?という表情だったみんなにそう言えば、みんな思い思いにジャムをのせ食べている。
「ジークとセインはレモンがオススメです。アレンは良ければ苺を。アズは……どちらでも大丈夫そうですね」
すでに両方のせ食べ始めていたアズに笑ってしまう。
夢中でパンを頬張る姿はまるでハムスターのようで可愛いらしい。
「美味しいですか?」
「ふん、んふひひ」
何を言っているかは分からなかったが、その笑顔にアズが美味しいと伝えていることは分かった。
それは良かったと頭を撫でてやり、縁も食べればレモンの酸味が砂糖で煮たことにより軽減され甘みもあり食べやすくなっており後味も爽やかで美味しい。
アレンたちも美味しいと言い、住人たちも喜んでいた。
「夜にはジュースを作ってみましょう」
「ふぅーひゅ?」
モグモグと食べながらも興味津々のようだ。
「簡単なのでアズも手伝ってくれますか?」
「ーんっく、つくる!」
美味しいねと言い合いながら朝食を済ませた。
「やはり和食が食べたいですねー」
パンも美味しいし身体は若いのでお肉が続いても大丈夫なのだが、いかんせん中身が年寄りの日本人なので和食が食べたくなってきた。
米はあるのでご飯はできるのだが、味噌汁に焼き魚はどうだろう?
魚は問題なさそうだが、味噌汁に必要な味噌がない。
作り方を知っていようとも材料が足りない。
「麴って売ってるものでしょうか?」
大豆はこの間町で見かけたが、麴はどうなのだろうか?
行ってみるしかないかとジークに外出許可をもらえば、安全対策(本当は迷子対策)にとセインを連れて行くように言われた。
ならばと2人で町に向かい、途中また薬草を採取してからギルドに向かう。
以前程来ることがなくなったギルドに、従業員たちにはかなり心配されたが、住む場所が変わったためと言えば渋々納得してくれた。
一冒険者に随分と親切なものだと縁は笑っていてが、実際は癒しがなくなったことへの不満だった。
あとは買い物だけだと市場へ向かう。
「大豆…と、あ、おじさんこんにちは」
麴を求め端の方まで来ていたらしい。
再び見えた不機嫌顔に挨拶すれば、おじさんは不機嫌な顔なりに挨拶を返してくれた。
「おめぇ、また何かさがしてのか?」
「麴と言うものを探しているんですがどこかご存知ですか?」
ちょうどいいと大豆を買いながら、麴を知っているか聞けば何ともあっさり酒屋へ行けと言われた。
「んなもん置いてあんのは酒作ってるところぐれぇだ」
それもそうだ。
味噌が作りたいというだけで探していたが、なるほど酒造りにも使うことがある麴のことを忘れていた。
オススメの店を聞けば知り合いがやっているという店を紹介してくれてので礼を言い向かう。
「?」
「………」
到着し、店員らしき人物に話しかけたのだがここでまた問題が起こった。
店員の声が小さすぎて聞こえないのだ。
縁が話しかければ口が動いているようなので答えてくれてはいるみたいなのだが、その声が小さすぎて聞こえない。
「えーと、こちらで麴を扱っているとお聞きしたのですが少し譲って頂くことはできますか?」
「…………」
……聞こえない。
「あるけど誰に聞いたんだ、って言ってる」
もう少し近づこうかと迷っていれば、見かねたセインが助け船を出してくれた。
「誰に、ですか?あー、すいません名前を存じ上げなくて。市場の端の方で店をやっている男性の方なんですが」
そういえば名前を聞くのを忘れていたと思い出しが、店員はそれで分かったのかそれまで俯いていた顔を上げた。
短髪の茶色の髪は何故か前髪が長く目が見えなかったが、天然なのかクルクルとした髪は動く度にふわふわと揺れている。
仕事柄か小柄だが引き締まった身体は縁には羨ましい限りだ。
「……あ、ります」
「ん?」
「麴……あります」
どこかオドオドと戸惑っているようだったが、それでも先程よりもはっきりと答えてくれた。
「それはよかった。少し購入させて頂くことはできますか?」
「は、はい。あの、大丈夫です」
そう言い在庫を取りに行ってくれたのだろう背中を見送る。
途中何度か転びそうになっていたため心配した。
なんだか友達になれそうだと縁は微笑んだのだった。
「では綺麗に洗った苺と砂糖を鍋に入れて煮詰めて下さい」
途中半分は煮詰めたことにより出てきた水分と一緒に瓶詰めにしておく。
残った果肉と少しの水分でさらに煮詰めるとジャムの完成だ。
あえてあまり潰すことはせず形の残っている苺。
隣でも同じようにレモンのものも作っておいた。
「少し味見してみましょうか」
ワクワクと見つめてくる女性陣に、小さめに切ったパンを渡すと出来たばかりの木苺ジャムをのせていく。
「おいしー」
「あまーい」
「なにコレ!やばい!」
喜びの声に男性たちも興味津々だったので、こちらにはレモンのジャムをのせて配る。
「あ、うまい」
「酸っぱくないんだな」
「爽やかでいいな」
こちらも好評なようで、今日の朝食はパンと一緒に出してみることに。
「エニシくん、こっちは?」
最初に取り出しておいたものはシロップとしてお酒や水と割ってもいいし、残っている実はそのまま食べても美味しい。
「疲れた時は甘いものって言いますし、レモンなら熱い時にはちょうどいいでしょう」
ただ水だけを飲むよりは美味しいし、水分補給としてもいいだろう。
「いいわね!子どもたちも喜びそう」
確かにアズも喜びそうだと笑いながら、みんなで作った朝食を食堂まで運んでいく。
「ジャムというものを作ってみました。一つは木苺、一つはレモンなのでお好みでパンにのせて食べてみて下さい」
何だコレ?という表情だったみんなにそう言えば、みんな思い思いにジャムをのせ食べている。
「ジークとセインはレモンがオススメです。アレンは良ければ苺を。アズは……どちらでも大丈夫そうですね」
すでに両方のせ食べ始めていたアズに笑ってしまう。
夢中でパンを頬張る姿はまるでハムスターのようで可愛いらしい。
「美味しいですか?」
「ふん、んふひひ」
何を言っているかは分からなかったが、その笑顔にアズが美味しいと伝えていることは分かった。
それは良かったと頭を撫でてやり、縁も食べればレモンの酸味が砂糖で煮たことにより軽減され甘みもあり食べやすくなっており後味も爽やかで美味しい。
アレンたちも美味しいと言い、住人たちも喜んでいた。
「夜にはジュースを作ってみましょう」
「ふぅーひゅ?」
モグモグと食べながらも興味津々のようだ。
「簡単なのでアズも手伝ってくれますか?」
「ーんっく、つくる!」
美味しいねと言い合いながら朝食を済ませた。
「やはり和食が食べたいですねー」
パンも美味しいし身体は若いのでお肉が続いても大丈夫なのだが、いかんせん中身が年寄りの日本人なので和食が食べたくなってきた。
米はあるのでご飯はできるのだが、味噌汁に焼き魚はどうだろう?
魚は問題なさそうだが、味噌汁に必要な味噌がない。
作り方を知っていようとも材料が足りない。
「麴って売ってるものでしょうか?」
大豆はこの間町で見かけたが、麴はどうなのだろうか?
行ってみるしかないかとジークに外出許可をもらえば、安全対策(本当は迷子対策)にとセインを連れて行くように言われた。
ならばと2人で町に向かい、途中また薬草を採取してからギルドに向かう。
以前程来ることがなくなったギルドに、従業員たちにはかなり心配されたが、住む場所が変わったためと言えば渋々納得してくれた。
一冒険者に随分と親切なものだと縁は笑っていてが、実際は癒しがなくなったことへの不満だった。
あとは買い物だけだと市場へ向かう。
「大豆…と、あ、おじさんこんにちは」
麴を求め端の方まで来ていたらしい。
再び見えた不機嫌顔に挨拶すれば、おじさんは不機嫌な顔なりに挨拶を返してくれた。
「おめぇ、また何かさがしてのか?」
「麴と言うものを探しているんですがどこかご存知ですか?」
ちょうどいいと大豆を買いながら、麴を知っているか聞けば何ともあっさり酒屋へ行けと言われた。
「んなもん置いてあんのは酒作ってるところぐれぇだ」
それもそうだ。
味噌が作りたいというだけで探していたが、なるほど酒造りにも使うことがある麴のことを忘れていた。
オススメの店を聞けば知り合いがやっているという店を紹介してくれてので礼を言い向かう。
「?」
「………」
到着し、店員らしき人物に話しかけたのだがここでまた問題が起こった。
店員の声が小さすぎて聞こえないのだ。
縁が話しかければ口が動いているようなので答えてくれてはいるみたいなのだが、その声が小さすぎて聞こえない。
「えーと、こちらで麴を扱っているとお聞きしたのですが少し譲って頂くことはできますか?」
「…………」
……聞こえない。
「あるけど誰に聞いたんだ、って言ってる」
もう少し近づこうかと迷っていれば、見かねたセインが助け船を出してくれた。
「誰に、ですか?あー、すいません名前を存じ上げなくて。市場の端の方で店をやっている男性の方なんですが」
そういえば名前を聞くのを忘れていたと思い出しが、店員はそれで分かったのかそれまで俯いていた顔を上げた。
短髪の茶色の髪は何故か前髪が長く目が見えなかったが、天然なのかクルクルとした髪は動く度にふわふわと揺れている。
仕事柄か小柄だが引き締まった身体は縁には羨ましい限りだ。
「……あ、ります」
「ん?」
「麴……あります」
どこかオドオドと戸惑っているようだったが、それでも先程よりもはっきりと答えてくれた。
「それはよかった。少し購入させて頂くことはできますか?」
「は、はい。あの、大丈夫です」
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なんだか友達になれそうだと縁は微笑んだのだった。
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