二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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孫ができました

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「素敵なお名前ですね。綺麗なその明るい髪色と瞳にとてもお似合いです」

 そう言って微笑むその子に抱きつきたい衝動に駆られた。
 自分にとって何より大切な者を褒められ喜ばない者などいない。
 口ではマーガレットを貶すような言葉を口にするジンだが、心中は全く逆のマーガレット大好き天邪鬼だった。
 もちろんマーガレットもそのことを理解しているし、そもそも求婚したのもジンの方だった。
 幼馴染である2人は、マーガレットが冒険者になる!と家を飛び出したのをジンが後を追いかけ何とか説得してチームを組むことになったのだ。
 継ぐような家柄でもなかったため家族は納得してくれたが、逆にマーガレットの説得が大変だった。
 今でこそ何を言ってもジンの想いを理解してくれているマーガレットだが、昔は会う度に貶すようなことばかり言うジンをマーガレットは嫌っていたのだ。
 「何でアンタなんかと!」「アンタなんか嫌い!」と何度も繰り返され泣きそうになったが、それでも離れるは嫌だと必死に自身がマーガレットを好きなことを伝えた。
 今手を離してしまえばきっとこの先一生会うことができなくなると分かっていたため何振り構っていられなかった。
 信じてもらえるまで何度も苦手な言葉で伝え続け、何とか同行を許可された時は本当に嬉しかったものだ。
 それから2人で何年か冒険者として過ごし、変わらずマーガレットを愛していたジンは当たり前に求婚した。
 ジンの鉄壁の守りにより他に男の影はないマーガレットにもちろん喜んで頷いてくれるものだと思っていた。
 なのにーー

 「ごめん、結婚はできない。アンタにはもっと良い人いるはずだからその人を探してあげて」

 何を言われたか分からなかった。
 数年ジンも自分の想いを伝えてきたはずだし、マーガレットもそれを受け入れてくれているはずだった。
 なのになんでと納得できず、マーガレットに迫れば泣きそうな彼女の顔があった。

 「……言ってなかったけど私子どもが産めないだよ。こんな女といてもアンタは幸せになれないし、してやれない。ごめんな」

 初めて見るその表情に、自分はなんてことを彼女に言わせてしまったんだと後悔した。
 突然冒険者になると言った時も驚いたが、それを止めない家族にもずっと不思議だったのだ。
 子が産めない彼女が誰かに嫁ぐということができないと諦め1人生きていくことを決めたのだ。
 自分より何でも上手くこなす彼女の姿に、いつも強気に困難に立ち向かう姿に憧れ愛した。
 その気持ちは今では変わらない。

 「そんなことと君に言うのは失礼だけど、僕はそんなこと気にしない。僕は子が欲しくて結婚してほしいわけじゃないし、子ができないからって不幸にはならない。君と結婚したいから、君が欲しいと思ったから結婚したいと思ったんだ。マーガレットが好きだから。だから僕のことが嫌いじゃないなら頷いて………僕と結婚して下さい」

 「お前は…馬鹿だなぁ」

 きっとその時の表情を自分は一生忘れないだろう。
 涙に顔を歪めながら、それでも嬉しそうに笑うその顔はジンが見た今までの中でも一番可愛かった。
 やっと捕まえた。
 やっと手に入れた。
 幼い頃から求めた者を手に入れたジンは今世界で一番幸せなのは自分たろうと思ったのだった。
 それから数年2人で冒険者を続け、年齢的にも引退を決意した年ギルドを立ち上げたのだ。
 最初は小さな小屋から。
 それから仕事が軌道に乗れば徐々に建物を大きくし、今では町一番の冒険者ギルドになった。
 お互い年を取り素直に愛を伝えられなくなったが、それでも気持ちは変わらずジンが何を言ってもマーガレットは変わらない。
 変わらず自分を愛してくれている。
 口も悪く、男らしい性格にギルドでは少々みんなから恐れられているマーガレット。
 変な虫が付かなくていいとジンは喜んでいるが、それとは別にマーガレットの良さを分かってもらえなことに腹も立ってはいた。
 そこに現れたのがエニシだった。
 黙る周囲に不思議そうなその表情に、その言葉が本心であることが分かる。
 純粋にマーガレットを素敵だと褒めるエニシにマーガレットだけでなく、ジンも一瞬で彼を気にいるのだった。
 気に入りすぎて危うく殺しかけていたが。
 弱そうに見えて大人1人投げ飛ばすほどの力があり、流されやすそうに見えて意外にも自分の意見をしっかり持っている。
 あの男が気にいるわけだと納得しながらも反強制的に部屋に連れていけば、これまた驚いたことに子どもがいること、男性と結婚していることなど次々と新たな情報が入ってくる。
 まるでびっくり箱のようだと思いながらも、大切そうに子どもを抱きしめるその姿にマーガレットはどこか嬉しそうに、どこか眩しいものを見ているかのようだった。
 ジンが驚きを隠すことができない間にも2人は話しを進めていき、気が付いた時にはもうエニシは部屋を出て行った後なのであった。
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