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改心?
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あの日からずっと考えていた。
「貴方は彼に何をされました?」
何も言えなかった。
「静かに、ただ必死に毎日を生きようにしている彼らを放っておいてほしいんです。お願いします」
そう言った少年の悲しそうな表情から顔を逸らすことができなかった。
彼らが去った後、残されていた食料を平らげると重い身体を引きずりながらも城へ帰る。
「エリック様っ、エリック様が戻られたぞっ!」
駆け寄ってくる騎士たちに声を掛け自室に戻ると、医師に診察され軽く風呂に入りベッドに横になる。
「……どうしてこうなった?」
あの時の少年の顔が頭から離れない。
何でもない、あんなこと言うアイツがおかしい。
そう言ってしまうには自分は考え過ぎてしまった。
今までの行動が、言葉が、今までの自分の行いの一つ一つが重くのし掛かってくる。
何度奴隷たちを罵り、罵倒し、役立たずと殺してきただろう。
泣き崩れる姿に、助けて下さいと縋る姿に、自分は何をしてきただろう。
「……私は…」
醜いと思っていたその耳と尾を個性だと言った少年。
人間に個性があるように獣人もそれが個性なのだと言っていた。
「私のこの瞳も彼なら個性だと言うだろうか……」
ずっと嫌いだった色。
髪は王様である父の色だったにも関わらず、瞳は両親のどちらからも受け継がれなかった。
今までなかった薄紫色のその瞳に、王子という立場にありながらもきみ悪がられ母からも見捨てられた。
皆に腫れ物に触れるかのように扱われ、ならばと鬱憤を晴らすかのように王子という立場を使いやりたい放題何でもやってきた。
ヒソヒソと自分のことを話すメイドたちをクビにし、護衛の筈の守る気のない兵士は牢に入れてやった。
機嫌が悪い時は目が合ったというだけで奴隷たちを罵倒し、気が済むまでしつけという名の折檻をした。
泣き叫び、全身血だらけにしながら許しをこう奴隷にやっと存在を認められている気がしていたのだ。
それが当たり前になっていた中で、あの少年の言葉にふと考えてしまった。
人とは違うことを異端とするのではなく、個性として受け入れろと。
違うことの何がおかしいのだと。
その一言は自分には重く、自分にとって貴重だった。
「怒られたのは初めてだったな」
気持ち悪い、私の子ではないと母親に叫び怒鳴られることはあったが、それは間違っていると叱られたのは初めてだった。
「彼が私の親ならよかったのに……」
家族と言われたあの獣人たちが羨ましかった。
国中で嫌われ蔑まされている獣人を大切だと言うくらいなら、瞳の色を気にするくらいの自分でも愛してくれるのではと思ってしまう。
「どうすれば許してくれるだろう」
かなり酷いことを言った。
止めろと言われたにも関わらず、彼が大切にしているものを貶した。
汚らわしい、醜い。
かつて母に言われた言葉をそのままぶつけ、自分より優れている人間などいないと獣人たちを下に見ることで自分を保っていた。
「許してくれるだろうか?」
言った言葉は取り消すことなどできず、しかし自分を助けてくれるかもしれない相手を失いたくない。
謝って許してくれるだろうか?
そもそももう一度会ってくれるだろうか?
会って拒絶されるのも怖いが、会わずに失うかもしれないのもまた怖い。
どうしていいか分からず、助言をこおうにもそんな相手がいるはずもない。
全て自分がそれを捨てたのだから。
「何か……何か方法はないだろうか?」
話すにしろ、謝るにしろ会ってもらわなければならないと、疲れた身体に鞭打ち考える。
彼は何と言っていた?
思い出すのは自分の汚い罵詈雑言ばかりで泣きたくなってくる。
「あの時彼に会えてなかったら……ハッ!」
言っていたではないか。
助けろと叫ぶ自分に仕事があるから断ると。
持っていた草には見覚えがあり、仕事というからには頼まれたものだろう。
ならば選択肢は限られてくる。
漸く見えた可能性に安堵したエリックはそのまま、身体の力を抜くのであった。
「貴方は彼に何をされました?」
何も言えなかった。
「静かに、ただ必死に毎日を生きようにしている彼らを放っておいてほしいんです。お願いします」
そう言った少年の悲しそうな表情から顔を逸らすことができなかった。
彼らが去った後、残されていた食料を平らげると重い身体を引きずりながらも城へ帰る。
「エリック様っ、エリック様が戻られたぞっ!」
駆け寄ってくる騎士たちに声を掛け自室に戻ると、医師に診察され軽く風呂に入りベッドに横になる。
「……どうしてこうなった?」
あの時の少年の顔が頭から離れない。
何でもない、あんなこと言うアイツがおかしい。
そう言ってしまうには自分は考え過ぎてしまった。
今までの行動が、言葉が、今までの自分の行いの一つ一つが重くのし掛かってくる。
何度奴隷たちを罵り、罵倒し、役立たずと殺してきただろう。
泣き崩れる姿に、助けて下さいと縋る姿に、自分は何をしてきただろう。
「……私は…」
醜いと思っていたその耳と尾を個性だと言った少年。
人間に個性があるように獣人もそれが個性なのだと言っていた。
「私のこの瞳も彼なら個性だと言うだろうか……」
ずっと嫌いだった色。
髪は王様である父の色だったにも関わらず、瞳は両親のどちらからも受け継がれなかった。
今までなかった薄紫色のその瞳に、王子という立場にありながらもきみ悪がられ母からも見捨てられた。
皆に腫れ物に触れるかのように扱われ、ならばと鬱憤を晴らすかのように王子という立場を使いやりたい放題何でもやってきた。
ヒソヒソと自分のことを話すメイドたちをクビにし、護衛の筈の守る気のない兵士は牢に入れてやった。
機嫌が悪い時は目が合ったというだけで奴隷たちを罵倒し、気が済むまでしつけという名の折檻をした。
泣き叫び、全身血だらけにしながら許しをこう奴隷にやっと存在を認められている気がしていたのだ。
それが当たり前になっていた中で、あの少年の言葉にふと考えてしまった。
人とは違うことを異端とするのではなく、個性として受け入れろと。
違うことの何がおかしいのだと。
その一言は自分には重く、自分にとって貴重だった。
「怒られたのは初めてだったな」
気持ち悪い、私の子ではないと母親に叫び怒鳴られることはあったが、それは間違っていると叱られたのは初めてだった。
「彼が私の親ならよかったのに……」
家族と言われたあの獣人たちが羨ましかった。
国中で嫌われ蔑まされている獣人を大切だと言うくらいなら、瞳の色を気にするくらいの自分でも愛してくれるのではと思ってしまう。
「どうすれば許してくれるだろう」
かなり酷いことを言った。
止めろと言われたにも関わらず、彼が大切にしているものを貶した。
汚らわしい、醜い。
かつて母に言われた言葉をそのままぶつけ、自分より優れている人間などいないと獣人たちを下に見ることで自分を保っていた。
「許してくれるだろうか?」
言った言葉は取り消すことなどできず、しかし自分を助けてくれるかもしれない相手を失いたくない。
謝って許してくれるだろうか?
そもそももう一度会ってくれるだろうか?
会って拒絶されるのも怖いが、会わずに失うかもしれないのもまた怖い。
どうしていいか分からず、助言をこおうにもそんな相手がいるはずもない。
全て自分がそれを捨てたのだから。
「何か……何か方法はないだろうか?」
話すにしろ、謝るにしろ会ってもらわなければならないと、疲れた身体に鞭打ち考える。
彼は何と言っていた?
思い出すのは自分の汚い罵詈雑言ばかりで泣きたくなってくる。
「あの時彼に会えてなかったら……ハッ!」
言っていたではないか。
助けろと叫ぶ自分に仕事があるから断ると。
持っていた草には見覚えがあり、仕事というからには頼まれたものだろう。
ならば選択肢は限られてくる。
漸く見えた可能性に安堵したエリックはそのまま、身体の力を抜くのであった。
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