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にぎやか
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マーガレットとジンの機嫌も治り、不審人物も無事(?)捕獲されたためエルたちは何とか隠れ家にかえることができた。
精神的に疲れきった心を癒すためしばらく部屋で休んでいると伝えると、キョロキョロと周りを窺ったあとそっと小さな包みを渡された。
「なにこれ?」
反射的に受け取ったが見覚えのない包みに首を捻る。
「お酒です。以前ランに教えて作ってもらったものなんですが、そんなに量はないので良ければ飲んでみて下さい」
「いいの?」
そんな貴重なものを自分が貰ってしまって。
「いつもエルにはお世話になってますからね。今日も色々大変でしたし、ご褒美ということで。エルの好みの味かは分かりませんが喜んでもらえたら嬉しいです」
「……ありがとう」
みんなには秘密ですよと言われ、バレないように慎重に部屋に戻った。
「ご褒美…か」
にやける顔に、しかし誰にも見られることはないだろうと安心して貰った包みを丁寧にといていく。
「あ、これ…前言ってたウメシュってやつかな?」
小ぶりの瓶に入った薄茶色の液体に見たことがある木の実が入っていた。
まさか酒にそんなもの入れるとは思いもしなかったが、美味しいというエニシの言葉に期待していたのだ。
「寝酒にしようかな。いや、ちょっとだけ……」
味見味見と少しだけコップに注ぐと一口飲んでみる。
「……美味しい。少し甘めだし、スッとしてるから飲みやすいかも」
実も食べられると言っていたため思いきって食べてみれぼ、カリッとした食感と染み込んだ酒が溢れてきてとても美味しかった。
「やばい、止まんなくなる」
初めて食べる味と食感に手が止まらなくなりそうになり、これではすぐなくなってしまうと慌てて蓋をした。
これはエニシがご褒美だと言って自分だけにくれたのだ。
大切に味わって飲んで食べなければ。
「…ご褒美」
嬉しい。
以前はそんなことも考えられないような生活だった。
父親は全くと言っていいほど自分の子に関心はなく、母親はそんな父親の顔色ばかり窺っては気に入られるようにとエルに何かと強要してきた。
子どもなど自分たちの道具としてしか考えていない両親だと幼くとも嫌でも気付かされた。
言われた結果を出しても褒めるどころか何でもっと出来ないのだと怒鳴られ、言い返そうものなら叩かれる始末だ。
父親に訴えてもそうかの一言で、どこから聞きつけたのか言いつけたことがバレて部屋に数日閉じ込められることもあった。
心を殺し、日々苦痛に耐えているそんな時にアズライトが産まれた。
たった1人自分の家族になりえるかもしれないアズライトの誕生に喜んだ。
両親が与えないだろう愛情を自分が与えるんだと会えるのを楽しみに待っていた。
中々会わせてもらえないことにイライラしたが、ここで逆らってはそれさえ台無しになると必死に耐えた。
なのにーー
「アズライト?そんな子いませんよ」
「なっ!?そんなわけないでしょう!いったいあの子をどこにやったんです!」
「知りませんよ。何を言っているんですか。それよりお勉強は終わったの?お父様のような立派な方になれるようもっと努力なさい」
「アズライトを、どこにやったんですか!」
二言目にはお父様お父様と、アンタが相手されないのを人のせいにしやがって!
立派だと?あんな自分以外人とも思ってない奴誰がなりたいか!
絶対に引くものかと睨みつければ、いつもと違うエルの反応に戸惑ったのだろう。
ベラベラと話し始めた母親にもう死んでくれとしか思わなかった。
「あ、あんな出来損ないが私の子であるはずがないでしょ!白髪なんて……魔法も使えない子、私の子じゃないわ!私とあの方の子がそんな…私は…私はあの方の妻なのよ!」
「……どこにやったんですか」
出来損ない、だと?
お前の方が余程人として、親として出来損ないの役立たずだろうが!
「ちょ、ちょうど来ていた商人にやりましたよ。あんな役立たずでも喜ぶなんて本当に下等な生物は人生楽しそうで羨ましいわ」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中で何かが切れたような音がした。
*公開設定を間違えてました。
話しの順序がおかしいですが、後日修正させて頂きます。
精神的に疲れきった心を癒すためしばらく部屋で休んでいると伝えると、キョロキョロと周りを窺ったあとそっと小さな包みを渡された。
「なにこれ?」
反射的に受け取ったが見覚えのない包みに首を捻る。
「お酒です。以前ランに教えて作ってもらったものなんですが、そんなに量はないので良ければ飲んでみて下さい」
「いいの?」
そんな貴重なものを自分が貰ってしまって。
「いつもエルにはお世話になってますからね。今日も色々大変でしたし、ご褒美ということで。エルの好みの味かは分かりませんが喜んでもらえたら嬉しいです」
「……ありがとう」
みんなには秘密ですよと言われ、バレないように慎重に部屋に戻った。
「ご褒美…か」
にやける顔に、しかし誰にも見られることはないだろうと安心して貰った包みを丁寧にといていく。
「あ、これ…前言ってたウメシュってやつかな?」
小ぶりの瓶に入った薄茶色の液体に見たことがある木の実が入っていた。
まさか酒にそんなもの入れるとは思いもしなかったが、美味しいというエニシの言葉に期待していたのだ。
「寝酒にしようかな。いや、ちょっとだけ……」
味見味見と少しだけコップに注ぐと一口飲んでみる。
「……美味しい。少し甘めだし、スッとしてるから飲みやすいかも」
実も食べられると言っていたため思いきって食べてみれぼ、カリッとした食感と染み込んだ酒が溢れてきてとても美味しかった。
「やばい、止まんなくなる」
初めて食べる味と食感に手が止まらなくなりそうになり、これではすぐなくなってしまうと慌てて蓋をした。
これはエニシがご褒美だと言って自分だけにくれたのだ。
大切に味わって飲んで食べなければ。
「…ご褒美」
嬉しい。
以前はそんなことも考えられないような生活だった。
父親は全くと言っていいほど自分の子に関心はなく、母親はそんな父親の顔色ばかり窺っては気に入られるようにとエルに何かと強要してきた。
子どもなど自分たちの道具としてしか考えていない両親だと幼くとも嫌でも気付かされた。
言われた結果を出しても褒めるどころか何でもっと出来ないのだと怒鳴られ、言い返そうものなら叩かれる始末だ。
父親に訴えてもそうかの一言で、どこから聞きつけたのか言いつけたことがバレて部屋に数日閉じ込められることもあった。
心を殺し、日々苦痛に耐えているそんな時にアズライトが産まれた。
たった1人自分の家族になりえるかもしれないアズライトの誕生に喜んだ。
両親が与えないだろう愛情を自分が与えるんだと会えるのを楽しみに待っていた。
中々会わせてもらえないことにイライラしたが、ここで逆らってはそれさえ台無しになると必死に耐えた。
なのにーー
「アズライト?そんな子いませんよ」
「なっ!?そんなわけないでしょう!いったいあの子をどこにやったんです!」
「知りませんよ。何を言っているんですか。それよりお勉強は終わったの?お父様のような立派な方になれるようもっと努力なさい」
「アズライトを、どこにやったんですか!」
二言目にはお父様お父様と、アンタが相手されないのを人のせいにしやがって!
立派だと?あんな自分以外人とも思ってない奴誰がなりたいか!
絶対に引くものかと睨みつければ、いつもと違うエルの反応に戸惑ったのだろう。
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「……どこにやったんですか」
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「ちょ、ちょうど来ていた商人にやりましたよ。あんな役立たずでも喜ぶなんて本当に下等な生物は人生楽しそうで羨ましいわ」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中で何かが切れたような音がした。
*公開設定を間違えてました。
話しの順序がおかしいですが、後日修正させて頂きます。
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