二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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いい子

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 やはりというか何というか…
 気絶するように眠った縁が目を覚ましたのは翌日の昼頃だった。
 力が入らない下半身に、とりあえず原因であるアレンに文句を言いつつ部屋まで運んでもらう。

 「繋の世話はアレンに任せましたからね」

 「分かった。ごめん」

 本当は怒ってないのだが、動けない自身に代わり繋の世話を頼んだ。

 「ママ、えほんよんで」

 「アズ、今縁は動けなーー」

 「いいですよ。おいで」

 腰が辛いだけなので、壁にもたれながらならば問題ない。
 ベッドに登ってきたアズを膝に乗せてやり、絵本を開く。

 「アズはアリスが好きですね」

 「おなじなの」

 縁的にはあまり魅力を感じる物語りではないが、アズにしても話しより白いウサギが好きなだけなのでそれならいいかと読んでやる。
 実の母親には嫌われた白髪ではあるが、これで少しでも好きになってくれるならいくらでも読んであげようと思う。
 
 「迷ったアリスはーー」

 「縁!繋が泣き止まない!」

 先程から泣いているなぁとは思っていたが、アレンの頑張りに期待したのだがダメだったようだ。
 大声で泣く繋を抱えて駆けてくるアレンに苦笑いしつつ受け取ろうとするがーー

 「だめ!ママ、アズとえほんよんでるの!」

 「「アズ?」」

 普段我儘らしい我儘を言わないアズに珍しく、ダメだと抱きついてくる姿にアレンと2人驚く。
 
 「アズ?絵本なら繋が泣き止んだら読んであげーー」

 「やー!アズのママなの!」

 離れる様子のないアズに戸惑いながらも、最近はあまり構ってあげられてなかったなと思い出す。
 困り果てるアレンに隣に腰掛けるよう促すと、片手を繋に伸ばし、片手はアズを抱える。
 
 「そうですね。今はアズとの時間なので、一緒に絵本を読みましょう。ただ私はアズを抱っこしていたので絵本はアズがめくってくれますか?」

 「うん!」

 片手で泣く繋を撫でつつあやし、片手は本を支えてページはアズにめくってもらう。
 ここで待っててくれというのは簡単だが、それではアズが可哀想であり自分が後回しにされたと思ってほしくもない。
 自身がお腹を痛めて産んだ…わけではないが、血が繋がっておらずともアズも大切な我が子なのだ。
 心配顔のアレンに笑いつつ、アズと約束通り絵本を読んでいれば繋も落ち着いたのか縁の指を握りながら再びスヤスヤと眠りについた。

 「アズは繋が好きですか?」

 「………うん」

 返事が遅れたのは気になるが、それでも嫌いとは言わなかったことに安心した。

 「何が嫌なことがありましたか?」

 「……ママ…けいばっかりなんだもん。アズもママといたい」

 やはり不安にさせていたらしい。

 「ママ、アズいらない?」

 「いいえ。私はアズがいてくれてとても嬉しいですよ。繋も大切ですが、アズも私の大切な家族です。それともアズはこんなママは嫌になりましたか?」

 「ならない!アズ、ママすきだもん!」

 「私もアズが大切で大好きです。だからずっと一緒にいて下さいね」

 「うん!」

 ギュっと抱きしめればアズも笑って抱きしめ返してくれる。

 「繋も私の子ですからね。きっとアズのことも好きですよ。お兄ちゃん大好きって言って私と遊んでくれなかったらどうしましょう」

 「アズ、アズいるよ!」

 冗談で言っただけなのだが、焦って自分がいるから大丈夫と言ってくれるアズが可愛くて仕方ない。

 「そうですね。アズがいればーー」

 「パパもいるからな!」

 「………」

 何だろう。何と言うか……え?今入ってくるの?という感じ。

 「そう、ですね。とりあえずパパはその大声で目を覚ました繋に謝って下さい」

 泣いてはいないが、驚いたように目をパチクリさせている繋に謝ってほしい。
 せっかく大人しく寝てくれていたのに。

 「繋、ご、ごめんな」

 「ダメなパパですねぇ」

 「いいこ、いいこよ」

 呆れつつ必死にあやすアレンを見ていれば、アズが手を伸ばし繋の頭を撫でていた。
 安心したかのように再び眠りにつく姿に驚く。

 「……分かるのか?」

 何がとは分からないが、何かを感じたのだろう。

 「そういえばお腹にいる時も分かってましたからね。何か通じるものがあるのかもしれません。さすがお兄ちゃんですね」

 「俺は?」

 「……パパですよ」

 「その間は!?」

 「パパ、めっ、よ」

 「はい。ごめんなさい」

 可愛い。とても可愛い。
 シュンと耳が垂れ下がるアレンも可愛いく、まだ幼いのにお兄ちゃんとして妹を守ろうとするアズも可愛い。
 真剣な2人には悪いが、縁はとても幸せだなぁと感じるのだった。

 「アズがいてくれて助かりましたね」

 「……だな」

 先程までの不安そうな顔はどこへやら、いい子いい子と繋を撫でるアズの姿は頼もしいお兄ちゃんだった。

 「これなら私も楽できそうですね」

 「いや、それは違うだろ」

 ですよね。
 半分は冗談だ。半分は。


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