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欲求
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「お肉が食べたいです」
「「「「「………………」」」」」
こいつ何言ってんだという顔をされたが、1度浮かんだ想いはそれぐらいでは消えはしない。
「いつも食ってんだろ?」
確かに獣人であるアレンたちのためにと毎日のように何かしら肉料理は出てはいるが縁が求めているのはそうではない。
なんかこう………………あれだ。
考え過ぎて自分でも何がいいのか分からなくなってきた。
まさかこの歳にして既にボケが始まってしまったか?
「えーと、焼いたものではなくこう…………煮た?いや、揚げた?」
食べたいという欲求と、どちらの方が手間がかからないだろうかと天秤にかけてしまう。
煮込むには時間も火加減も難しいだろうからと揚げることにした。
手間を惜しんだ。
「今日の夜は唐揚げにしましょうか。きっと愛依は気に入りますよ」
「たべる!」
「シンない?」
自分は食べられないのかと悲しい顔をする真に微笑むとちゃんとみんなの分を用意すると約束する。
真はどちらかというと魚派だが別に肉が苦手というわけではなく、愛依が美味しそうに食べていれば自分もと一緒に食べている。
「なのでお昼ご飯が終わったら一緒にお肉を獲りに行きましょう」
「「「いく!」」」
ん?
何故か3人分の声が聞こえた。
愛依は分かる。お肉が大好きだから。
アレンも分かる。彼もお肉が大好きだから。
ならばあと1人は誰かと後ろを振り向けば………
「リルも食べたいんですか?」
縁が座っていた椅子に身を乗り出し自分にも食べさせろと迫ってきていた。
朝から姿が見えなかったためまた出掛けているのかと思っていたのだが、戻ってきていたようだ。
「当たり前だろう!もしや我には用意せぬ気か!?」
そんな焦らずとも。
何故だろう?最近リルが本当は犬だったのではと思えてきた。
あれほど太ったかもしれない、運動不足だと慌てていたのにいざ目の前にご飯を差し出されれば反射的に齧り付いている。
フェンリルの理想体重など知らないが気にしているならばと縁も余計なことは言わないようにしている。
「なら散歩がてらリルも一緒に行きましょう。リルがいてくれれば美味しいお肉も獲れそうですし」
「任せておくがいい!」
かなりご機嫌なようなのでこの後の狩りも頑張ってくれることだろう。
張り切るリルにアレンたちも早々に食べ終えると素早く支度を済ませ森に向かう。
「繋は置いてきてよかったのか?」
「本人がいいと言っていたので大丈夫でしょう」
そう、今回繋は一緒には来ていない。
珍しい行動にアレンは驚いていたが縁からすれば特に驚くことでもなかったためすんなりとお留守をお願いしてきた。
「繋はあまり狩りが得意ではないんですよ」
「そこは慣れだろ」
初めは誰でもそうだとアレンが言ってきたが縁は違うというように首を振る。
慣れる慣れない以前の問題なのだ。
「上手く狩りが出来ないという意味じゃなくて動物たちが傷つけられるのを見るが好きじゃないってことです」
「あぁ。そういうことか」
これもある意味慣れではあるが今はまだ無理にそれをさせる必要はないだろうと縁も無理強いはしていない。
本人がやりたいと思った時でいいと思う。
愛依に関しては獣人だからかもしれないとしか言いようがないが、確かに女性で進んで狩りをしたいと思う人はそういないだろう。
そこは男女差もあるかもしれないと縁も納得している。
「塊にでもなってれば平気なんですよ。ご飯を作る時は普通に手伝ってくれますし」
皮を剥ぎ、処理された肉の塊にさえなってしまえば繋も嫌だとは言わない。
ならばそれでいいと縁も思う。
「なので夕飯作りはきっと頑張ってくれますよ。そのためにもたくさん狩って行きましょう」
「だな」
愛依たちほどではないが繋もお肉は好きだ。
出されれば食べるし文句を言うこともない。
こと野菜と味噌に関しては拘りが強いが。
我慢して家で待っていてくれる繋のためにも夜はお味噌にしてあげようと思うのだった。
「唐揚げ定食ですね。漬け物が欲しいな」
「ん?何か言ったか?」
「いいえ。唐揚げはご飯がすすむ食べ物なのでどれだけあれば足りるかなと」
普段もそれなりに食べるアレンたちにどれだけ用意すれば満足してくれるだろうかと悩む。
揚げた端から食べて終わるのでは?
アレンをジッと見つめ考えてみたが答えが出るはずもなく頑張ろうと覚悟だけしておくのだった。
「って、リルそれはやり過ぎです」
「俺の出番もなかったな」
いつの間にか積み上げられたそれらに自分たちの出番はなかったようだと鞄にしまい込むと元気よく尾を振るリルを感謝を込めて撫でておくのだった。
彼は本当に痩せる気があるのか?
思っていても言わないのが大人なのであった。
「「「「「………………」」」」」
こいつ何言ってんだという顔をされたが、1度浮かんだ想いはそれぐらいでは消えはしない。
「いつも食ってんだろ?」
確かに獣人であるアレンたちのためにと毎日のように何かしら肉料理は出てはいるが縁が求めているのはそうではない。
なんかこう………………あれだ。
考え過ぎて自分でも何がいいのか分からなくなってきた。
まさかこの歳にして既にボケが始まってしまったか?
「えーと、焼いたものではなくこう…………煮た?いや、揚げた?」
食べたいという欲求と、どちらの方が手間がかからないだろうかと天秤にかけてしまう。
煮込むには時間も火加減も難しいだろうからと揚げることにした。
手間を惜しんだ。
「今日の夜は唐揚げにしましょうか。きっと愛依は気に入りますよ」
「たべる!」
「シンない?」
自分は食べられないのかと悲しい顔をする真に微笑むとちゃんとみんなの分を用意すると約束する。
真はどちらかというと魚派だが別に肉が苦手というわけではなく、愛依が美味しそうに食べていれば自分もと一緒に食べている。
「なのでお昼ご飯が終わったら一緒にお肉を獲りに行きましょう」
「「「いく!」」」
ん?
何故か3人分の声が聞こえた。
愛依は分かる。お肉が大好きだから。
アレンも分かる。彼もお肉が大好きだから。
ならばあと1人は誰かと後ろを振り向けば………
「リルも食べたいんですか?」
縁が座っていた椅子に身を乗り出し自分にも食べさせろと迫ってきていた。
朝から姿が見えなかったためまた出掛けているのかと思っていたのだが、戻ってきていたようだ。
「当たり前だろう!もしや我には用意せぬ気か!?」
そんな焦らずとも。
何故だろう?最近リルが本当は犬だったのではと思えてきた。
あれほど太ったかもしれない、運動不足だと慌てていたのにいざ目の前にご飯を差し出されれば反射的に齧り付いている。
フェンリルの理想体重など知らないが気にしているならばと縁も余計なことは言わないようにしている。
「なら散歩がてらリルも一緒に行きましょう。リルがいてくれれば美味しいお肉も獲れそうですし」
「任せておくがいい!」
かなりご機嫌なようなのでこの後の狩りも頑張ってくれることだろう。
張り切るリルにアレンたちも早々に食べ終えると素早く支度を済ませ森に向かう。
「繋は置いてきてよかったのか?」
「本人がいいと言っていたので大丈夫でしょう」
そう、今回繋は一緒には来ていない。
珍しい行動にアレンは驚いていたが縁からすれば特に驚くことでもなかったためすんなりとお留守をお願いしてきた。
「繋はあまり狩りが得意ではないんですよ」
「そこは慣れだろ」
初めは誰でもそうだとアレンが言ってきたが縁は違うというように首を振る。
慣れる慣れない以前の問題なのだ。
「上手く狩りが出来ないという意味じゃなくて動物たちが傷つけられるのを見るが好きじゃないってことです」
「あぁ。そういうことか」
これもある意味慣れではあるが今はまだ無理にそれをさせる必要はないだろうと縁も無理強いはしていない。
本人がやりたいと思った時でいいと思う。
愛依に関しては獣人だからかもしれないとしか言いようがないが、確かに女性で進んで狩りをしたいと思う人はそういないだろう。
そこは男女差もあるかもしれないと縁も納得している。
「塊にでもなってれば平気なんですよ。ご飯を作る時は普通に手伝ってくれますし」
皮を剥ぎ、処理された肉の塊にさえなってしまえば繋も嫌だとは言わない。
ならばそれでいいと縁も思う。
「なので夕飯作りはきっと頑張ってくれますよ。そのためにもたくさん狩って行きましょう」
「だな」
愛依たちほどではないが繋もお肉は好きだ。
出されれば食べるし文句を言うこともない。
こと野菜と味噌に関しては拘りが強いが。
我慢して家で待っていてくれる繋のためにも夜はお味噌にしてあげようと思うのだった。
「唐揚げ定食ですね。漬け物が欲しいな」
「ん?何か言ったか?」
「いいえ。唐揚げはご飯がすすむ食べ物なのでどれだけあれば足りるかなと」
普段もそれなりに食べるアレンたちにどれだけ用意すれば満足してくれるだろうかと悩む。
揚げた端から食べて終わるのでは?
アレンをジッと見つめ考えてみたが答えが出るはずもなく頑張ろうと覚悟だけしておくのだった。
「って、リルそれはやり過ぎです」
「俺の出番もなかったな」
いつの間にか積み上げられたそれらに自分たちの出番はなかったようだと鞄にしまい込むと元気よく尾を振るリルを感謝を込めて撫でておくのだった。
彼は本当に痩せる気があるのか?
思っていても言わないのが大人なのであった。
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