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相手による
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「ちょっと頼みてぇことがあんだが……」
「え~お断りします」
「そうか。でな、これなんだが………って断んのかよ!」
特に理由はなかった。あえて言えば面白いかな?と思ったからなのだが思いの外ノリツッコミしてもらえて満足である。
「ソイツはさておき私からも頼みたいことがあるのだが……」
「聞きましょう」
「なんでだよ!俺はダメでそいつはいいのかよ!」
ボケにみせかけて見事なツッコミをするマルスに縁は声を上げて笑い、人徳だなとレオナルドは鼻で笑っていた。
今日はレオナルドの手伝いに朝からお城に来ていたのだが、毎回どこから嗅ぎつけてくるのか毎度お馴染みマルスが1時間経たずして部屋に乱入してきたのだ。
最早慣れつつある行動にそれほど驚きはしなかったが、いつもの意趣返しにと少し遊んでみたのだ。
「そこの煩い馬鹿は放っておくとして以前提案してもらった模擬戦があっただろう?そのことで頼みたいことがある」
聞くのは構わないが力になれるかは分からないと言えば、それで構わないと言われたため素直に聞くことにする。
「試合自体についてはほぼ決まりつつあるんだが、提案書にもあったように飲食出来る店を多少出す予定だ」
大会や試合といったものは大なり小なり時間がかかるものだ。
そのため飲み食い出来る店でも出してはどうかと提案してみたのだが少々問題があったらしい。
「一般市民ならばそれで構わないだろう。しかし鼻っ柱の高い貴族連中にもそれをしろというには多少問題がある」
「宰相様もいい具合に口が悪くなってきましたね」
思わず突っ込んでしまった。
「君の教育の賜物だな」
そんな教育した覚えはない。
「というのは冗談だが、そんな気難しい貴族連中相手に素人の作ったものなど出せるはずがない」
「素人?」
町で店を出しているなら問題はないだろうと思っていれば、どうやら町から作ってくれる人を呼ぶのではなく今回参加しない兵士たちに作らそうとしていたらしい。
有り得ない。
「いやいやいや。そこは素直に町の方達の手を借りましょうよ」
「そうしたいところだが貴族相手ともなると嫌がる店が多い」
貴族とは本当に…………面倒くさい。
下手なものを出して評判を落としたくない店がほとんどなのだろう。
だからと言って兵士の手料理は有り得ないが。
「試合を観戦しながらともなると多少普段より美味しく感じると思いますけどね。あとは付加価値をつけるか、ですかね」
「何だそれは」
「珍しい食材を使うとか、その時限定のものを作るとか」
限定品と言われれば試してみたくなるのが人である。
大きく一般人と貴族とで店を変える必要はないと思うが、多少味や盛り付けなどを変えればそれなりに見えると思う。
「例えばですけど……」
それは子どもたちのオヤツにと作り置きしておいたパウンドケーキ。
それを3つ取り出さずと1つには蜂蜜だけをかけたもの、1つにはジャムや木の実を飾り付けたもの。
残り1つはそのまま出してみる。
「なるほど。同じ料理でも飾り付け1つでかなり変わるということだな」
ならば次は味をみてもらえばレオナルドは案の定蜂蜜がけのものを、マルスは飾りはなかったが最後に出したお酒で味付けしたものを気に入ったようだ。
「飾り付け代として多少料金の上乗せをしてもお偉いお貴族様なら払ってくれるでしょう」
「だな。だがそれだけでは作る側には利益が少な過ぎる」
なんだか面倒くさくなってきた。言いはしないが。
「なら報奨金でも出してみたらどうですか?貴族…はどうでもいいですけど買ってくれたお客さんの中でどこの店のが美味しかったか投票してもらって一番を決めて」
「競い合わせるのか。勝ち抜いた店は箔がつく上、報奨金も手に入る……なるほど」
下手な素人が作って酷評をもらうよりはきちんとした店に協力を頼み、力仕事などは手伝いを申し出れば店側も助かるだろう。
「もちろん負けた店にも多少は気遣いが必要だとは思いますけど。最初こそお金はかかるかもしれませんが、年間行事にでも定着すれば規模も経費ももう少し楽になるんじゃないですか?」
試合を開催したことなどないため詳しいことは分からないが。
ジャムかけのパウンドケーキを食べながらそう話していたが、少々腹が膨れてきたため残りをエルにお願いすれば喜んで全て食べ切ってくれた。
「宰相様はお酒って飲めますか?」
「…………君は本当に突拍子もないな。飲めはするが好んでは飲まない」
そんな暇があるなら仕事をするという彼は最早仕事中毒としか言いようがない。
「俺はなーー」
「なら仲間ですね。私は全く飲めはしませんけど」
「俺の話しも聞けよ!」
聞かずとも分かるため聞かなかったのだが。
美味しそうにケーキを頬張るエルにふとレオナルドはどうなのかと気になったのだ。
「ある意味想像通りではあるな。君が酒に溺れてるのを見たくもないしな」
常々気になってはいたが彼らには縁が一体どう見えているのやら疑問であった。
「え~お断りします」
「そうか。でな、これなんだが………って断んのかよ!」
特に理由はなかった。あえて言えば面白いかな?と思ったからなのだが思いの外ノリツッコミしてもらえて満足である。
「ソイツはさておき私からも頼みたいことがあるのだが……」
「聞きましょう」
「なんでだよ!俺はダメでそいつはいいのかよ!」
ボケにみせかけて見事なツッコミをするマルスに縁は声を上げて笑い、人徳だなとレオナルドは鼻で笑っていた。
今日はレオナルドの手伝いに朝からお城に来ていたのだが、毎回どこから嗅ぎつけてくるのか毎度お馴染みマルスが1時間経たずして部屋に乱入してきたのだ。
最早慣れつつある行動にそれほど驚きはしなかったが、いつもの意趣返しにと少し遊んでみたのだ。
「そこの煩い馬鹿は放っておくとして以前提案してもらった模擬戦があっただろう?そのことで頼みたいことがある」
聞くのは構わないが力になれるかは分からないと言えば、それで構わないと言われたため素直に聞くことにする。
「試合自体についてはほぼ決まりつつあるんだが、提案書にもあったように飲食出来る店を多少出す予定だ」
大会や試合といったものは大なり小なり時間がかかるものだ。
そのため飲み食い出来る店でも出してはどうかと提案してみたのだが少々問題があったらしい。
「一般市民ならばそれで構わないだろう。しかし鼻っ柱の高い貴族連中にもそれをしろというには多少問題がある」
「宰相様もいい具合に口が悪くなってきましたね」
思わず突っ込んでしまった。
「君の教育の賜物だな」
そんな教育した覚えはない。
「というのは冗談だが、そんな気難しい貴族連中相手に素人の作ったものなど出せるはずがない」
「素人?」
町で店を出しているなら問題はないだろうと思っていれば、どうやら町から作ってくれる人を呼ぶのではなく今回参加しない兵士たちに作らそうとしていたらしい。
有り得ない。
「いやいやいや。そこは素直に町の方達の手を借りましょうよ」
「そうしたいところだが貴族相手ともなると嫌がる店が多い」
貴族とは本当に…………面倒くさい。
下手なものを出して評判を落としたくない店がほとんどなのだろう。
だからと言って兵士の手料理は有り得ないが。
「試合を観戦しながらともなると多少普段より美味しく感じると思いますけどね。あとは付加価値をつけるか、ですかね」
「何だそれは」
「珍しい食材を使うとか、その時限定のものを作るとか」
限定品と言われれば試してみたくなるのが人である。
大きく一般人と貴族とで店を変える必要はないと思うが、多少味や盛り付けなどを変えればそれなりに見えると思う。
「例えばですけど……」
それは子どもたちのオヤツにと作り置きしておいたパウンドケーキ。
それを3つ取り出さずと1つには蜂蜜だけをかけたもの、1つにはジャムや木の実を飾り付けたもの。
残り1つはそのまま出してみる。
「なるほど。同じ料理でも飾り付け1つでかなり変わるということだな」
ならば次は味をみてもらえばレオナルドは案の定蜂蜜がけのものを、マルスは飾りはなかったが最後に出したお酒で味付けしたものを気に入ったようだ。
「飾り付け代として多少料金の上乗せをしてもお偉いお貴族様なら払ってくれるでしょう」
「だな。だがそれだけでは作る側には利益が少な過ぎる」
なんだか面倒くさくなってきた。言いはしないが。
「なら報奨金でも出してみたらどうですか?貴族…はどうでもいいですけど買ってくれたお客さんの中でどこの店のが美味しかったか投票してもらって一番を決めて」
「競い合わせるのか。勝ち抜いた店は箔がつく上、報奨金も手に入る……なるほど」
下手な素人が作って酷評をもらうよりはきちんとした店に協力を頼み、力仕事などは手伝いを申し出れば店側も助かるだろう。
「もちろん負けた店にも多少は気遣いが必要だとは思いますけど。最初こそお金はかかるかもしれませんが、年間行事にでも定着すれば規模も経費ももう少し楽になるんじゃないですか?」
試合を開催したことなどないため詳しいことは分からないが。
ジャムかけのパウンドケーキを食べながらそう話していたが、少々腹が膨れてきたため残りをエルにお願いすれば喜んで全て食べ切ってくれた。
「宰相様はお酒って飲めますか?」
「…………君は本当に突拍子もないな。飲めはするが好んでは飲まない」
そんな暇があるなら仕事をするという彼は最早仕事中毒としか言いようがない。
「俺はなーー」
「なら仲間ですね。私は全く飲めはしませんけど」
「俺の話しも聞けよ!」
聞かずとも分かるため聞かなかったのだが。
美味しそうにケーキを頬張るエルにふとレオナルドはどうなのかと気になったのだ。
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