二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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ママどこ?

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 膝の上で眠り続ける息子に苦笑いする。

 「ママ早く帰ってくるといいね」

 最近は人間の姿をとるのも安定してきたようで、外で遊ぶ以外はそのままでいることが殆どだ。
 窓から入ってくる風が気持ちよく、お昼寝には丁度いいだろう。

 「なんだ。翔はまた寝てるのか?」

 「うん。いじけてる」

 「は?」

 意味が分からんと言いながら近付いてきたロンにルーも笑うしかない。

 「またママがいないっていじけてんの」

 「それは……まぁ泣かれるよりはいいか」

 以前置いていかれた時の数日のことを思えば、いじけて眠るぐらい可愛いものだ。
 
 「にしても最近多くないか?寂しいなら外で遊ぶなりすればいいだろ」

 その方が気分転換にもなり気も紛れると言われたが、自分はどちらでも構わなかった。
 翔が遊びたいと言うならば一緒に遊ぶし、寂しいから寝ると言うのであれば膝に乗せ頭を撫でてやるぐらい簡単なものだ。

 「たぶんだけど……探してるんじゃないかな」

 「探す?何をだ?」

 「縁」

 「………………は?」

 本人に確認したわけではないため確実にそうかは分からないが、たぶんそう間違っていないと思う。
 普段なら仰向けでぐーぐー眠る翔だが、縁がいない日に限ってネコのように丸まって寝るのだから。

 「無意識だと思うけど魔力探知で縁を探してるんだと思う。微妙に魔力の流れみたいなの感じるし」

 「バッ、バカ!今すぐやめさせろっ!」

 「ちょっと大声出さないでよ。翔が起きちゃう」

 「起こせと言ってるんだ!」

 うるさいなぁ。
 ルーとてそこまでバカではな………いや、バカではあるかもしれないが我が子が危険かどうかぐらいは判断出来る。
 ロンがやめさせろと言うのも魔力探知により魔力不足に陥らないか心配してのことだろう。
 無意識にしろ、そうでないにしろ寝ている間ずっと魔法を展開していれば魔力不足に陥っていても不思議ではない。

 「大丈夫だよ。オレもいるし、縁にも話したらお守りっていうのも作ってくれたから」

 繋たちはすでにしていた腕輪を縁は翔やルー、ロンにも作ってくれた。
 特に翔のことを心配してか、魔石も飾り付けられており中には縁の魔力がかなり詰め込まれている。

 「それに元々翔の魔力はかなりデカいみたいだよ。縁ほどじゃないみたいだけど今のところ息切れとかも起こしてないし」

 むしろモリモリご飯を食べ、繋たちが暇な時は一緒に走り回って遊ぶなど元気いっぱいだ。
 夜には探索も諦めているのかぐっすりと眠っている。

 「変なところばっかり似やがって」

 ロンは苦い顔をしているが、ルーからすれば縁に似てくれて嬉しい限りだ。
 だが、だからこそ心配でありロンに止めろと言われても止めていない理由でもある。

 「オレはさ、魔力調整苦手だったからさ。もしこれで翔がちょっとでも楽に出来るようになればいいなぁと思って」

 「……………そう、だな」

 両親を、仲間を失い心の余裕を無くしたルーは自分を抑えるのも難しく苦手だった。
 何度暴走しかけロンに心配させたか分からない。
 自分たちより多いだろう魔力を持つ翔なら尚更早く慣らしておくべきだろう。

 「縁もね、翔はパパに似て寂しがり屋だからその方がいいだろうって」

 「変なところばかり似るな」

 「はははははっ、うん、縁も言ってた。けど嬉しいんだ。変でも何でもオレと縁、どっちにも似てくれてすごく嬉しい」

 だって翔は2人の子なのだから。
 
 「…………オレ、兄貴には感謝してる。オレのこと見捨てないでくれて、すっごい迷惑ばっかりかけたけどずっとそばにいてくれて。兄貴がいてくれたから縁にも会えた。翔にも会えた。だから……ありがと。兄貴がいてくれて……兄貴が兄貴で本当によかった」

 以前縁にも言われた。
 兄弟だからといって必ずしも一緒にいてくれるわけではないと。
 ロンがこんな自分のそばにいてくれたのは家族として、兄弟として本当に愛してくれていたからなのだと今ならよく分かる。

 「………………バカ野郎。そんなの当たり前だろ。俺はお前の兄貴なんだから。今じゃ母親に似て心配ばかりかける甥も姪もいるし毎日大変だがな」

 言葉とは裏腹に笑っているのはそんな毎日を嫌がってはいないからだろう。
 彼も彼なりに今を幸せだと感じてくれている。

 「そういえばさっき何か外で騒いでなかった?」

 遠くの方で声だけは聞こえてきていたのだが翔が膝で眠っていたため動けず何があったのか知らなかったのだ。

 「あー、なんだ、その……どうやら真と愛依がクマになったらしいぞ」

 「は?」

 意味が分からない。
 

 


 
 
 

  
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