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何孰れか化石
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記憶に残っているうちにサッサと書くべきなのだが、結局ダラダラと怠けてしまい、「もう、忘れるのではないか?」というところで書き始める。ほんと、毎日日記を書いている人が凄いと思うのはこういう瞬間で、「それが習慣だから」と言い訳は口に早いのだが、いざ自分がやるとなるとどうにも難しいものである。
兎角、言い訳している場合ではない。取り敢えず、書く。
その日、私の手には男が居た。
気がついたら、男を引きずって歩いていたのだ。
もちろん、知らない男である。そいつはサラリーマンの容貌であったが、ジャケットは着ておらず、私はその白い襟元を掴んで引き摺らせていた…なるほど、キチンと襟元の洗剤を怠らないタイプらしい。自分と一緒で好感が持てる。
そんな首が締まる苦しい状態で、そいつは気持ちよさそうに眠っていた。爆睡である。一方、私は真逆と言っても良い。私はここ数日、数ヶ月、数年、ロクに気持ちよく眠れたことがない…いや、眠れているのかもしれないが、それを保証する人が居ない。寂しい話であるが、兎角起きた時は毎度歯切れが悪い。寝覚めから悪いと1日やる気が出ないが、それが毎日となるともう慣れっこである。最初の一息目はいつもため息…ほんと、いつか報われる日が来るのだろうか?
そんな私は男を引き摺りつつ、砂漠の真ん中で踏切が上がるのを待っている。なぜならば、その踏切が上がらないと中の駅へと入れないからである。しかし、こんな男を引き連れてどこへといくつもりなのだろうか…?疑問は膨れ上がるものの、兎角ここから移動したい。ここは誰も居ない。見渡す限りに砂。引き返す向こうにはおそらく湖があるのだろうが、今更戻れない。いや、きっと戻れるのだろうが、もう踏切を待ちすぎた。かけた時間が長すぎて、動くのが勿体ないと思ってしまう…ほら、振り向いた瞬間に電車が来た時のガッカリ感、君も感じたことがあるだろ?
そう思いながら男をみる。すやすやと気持ちよさそうに眠っているそのポケットにビール瓶が見える。そうだ、私はちょうど喉が渇いていた。こんな砂漠の真ん中である。口に砂が入っては、水分を奪っていく。または、全身から溢れる汗からか。いずれにせよだんだんと身体から水分が奪われているのは分かる。
飲まなければ。
私は、男の襟元を手放し、ズボンのポケットに入っていた瓶を抜き出す…それには蛇が漬けてあった。改めて蓋を開けると、強くアルコールが鼻を刺す…なぜアルコールを持ち合わせているのか。余計に喉が渇くだけではないか…そう思うのだけれど、目下の渇きには勝てない。仕方なく一口飲むと、悪くない味がする。が、アルコールは強い。アルコールか暑さか、クラクラするなかでとある昔を思い出す。
いつのことだかわからない話をして申し訳ないが、親と居た時の話である。私が旅行をし続けているなか、時たま実家に帰省した時、途端に「そんなに自由に旅ができるのは健康な身体に産んだおかげなんだから、もっと私に感謝しなさい」と言い出した。「だって、何を食べても健康体でしょ?」とかも言ったような気がする。
正直、そんなことどうでも良いだろうと思うのだ。なぜならば旅をしているのは私の自由なのだから。寧ろ、その自由に関して様々な理由をつけては奪っていたのは親ではなかったか。多くは金銭的な理由だった気がする。私が私によって自由になり、また私の意思で自由に旅をしているのだ。筋違いも甚だしい。そう思い、私は今飲んでいるお酒と同じものを親の前に置いた。
「確かに、意外と丈夫なものさ。でも、コレを飲む勇気こそが一番大事なんだ」
そう親を見ながら話していたのだが、一向に目を合わせようとはしなかった。いつもコレである。都合が悪くなると、自分の立場が弱いとなるとすぐ逃げるのだ。だったら初めから言わなければ良いのだけれど、馬鹿だから言ってしまうんだな。
というわけで、独りでその蛇酒を飲んだわけであるが、その時よりも酔い回りが早い気がする…もしかすると、アルコールではなくて毒が入っていたのかもしれない。やだな、まだ死にたくないな、とは思うのだけれど、仕方ないか…と思っていると踏切は上がった。
あー、死のうと思ったから踏切は上がったのかな、と思うのは流石に思い込みか。人間の悪いところである。
しかし結局そんな思い込みの積み重ねのような気がするのだ。「あのとき上手くいったからこうしよう」「上手くいかなかったから辞めておこう」みたいな。そんな風にどんどん重くなっていく。
本来であれば、生きていく中でも立ち寄る港に置いていくべきなのだ。全ての感情を持ち合わせるのは不可能だし、全ての記憶を維持するなんてそれこそ難しいから。
でも、捨てられずに積み上がっていく。なんだか勿体ない気がしてしまう。そうだ、記憶こそが私であってそれを捨てることなど出来るはずがない。
しかしその一方で、船は全てを抱えきれないまま沈んでいく。それは鬱の海。一度沈んで仕舞えば、なかなか浮き上がるのは難しいらしい。色々な人が、口々にそう話す。「執着のために君は深海へと潜って、他人からは観測されない感情を生きた化石と誇らしげに語りながら泳いで行くきかい?」なんて、誰かが話した気がする…ダメだ、全てを持ち合わせてるつもりなのに、あなたが誰だかわからない。果たして本当に存在していますか?私だけの夢ではないですか?
それは、記憶ではない。確かに、夢であった。
どうやら酔いが回っているうちにベンチに座って眠っていたようだ。引き摺る男も隣で寝ている。起きる気配はない。その横顔はいかにも幸せそうで、いつの日かこうありたいと願ってしまう。
未だにアルコールが辛い。頭が酷くぐわんぐわんする。仕方なく見渡すとすぐそこに自動販売機が見える。ふらふらの足で立ち上がり、自動販売機へと向かう。
一通りのラインナップを見ながら、やっぱり水を選んだ。いつ、どこの、誰が、自動販売機に入れたのかわからないのだけれど、これは安心であると思い、買った市販の水を二、三口ほど口にする。その流し込み先の胃はまだまだ落ち着かない。ぐるぐるぐるぐる不安定に揺れている。しかし、耐えるしかない。
自動販売機に手をつきながら、吐くか吐かないかを耐える。この安心感である。ただ、この安心感に生かされている。どこにいても、たとえ独りであっても、安全を保証してくれる、この全国に遍く機械に頼って、独りで立てているのだと。クソ重い自分というものを、恥ずべきばかりの人生を引き摺りながら生きているのだと。
そこでふと、男を探す。そいつはいつの間にかこの手に引き摺っていた。そうなのだ、そいつは影なのだ。どんどん重くなっていって、私を鬱の海底へと曳き摺りこもうとする。
「それはイヤだな」
この自分内の修羅に決着を付けなければなるまい。
途端に頭が冴えてくる。
私は線路の方へと近づいて黄色い線に立った。やがて遠くの方から電車が来るのが見えた。私は影の腕を引き上げ、背中に背負った。やがて電車が私の前へとやってくる。その瞬間に合わせて、影を背負い投げする。
スパーン
と、影は私から吹っ飛んでいく。
なんか、赤いものも飛び立った気もするが、私はといえば引き摺られないようにグッと足に力を込めて踏ん張る。
「沈んでたまるか」
やがて電車は止まる。
私は重りが途端になくなったため、反対にふわふわしていた。果たして、こんなに重力とは虚しいものだったか?
やがて、扉が開く。私はすっかり軽い足取りでその電車の中へと入っていく。中の人はまばらで、各々で新聞を読んだり、イヤホンから音楽を聴いたりしていたが、みんな独りだった。
なぁんだ、と思いながら席に着く。アナウンスが言うところによれば、次の目的地は「朝」だと言う。
兎角、言い訳している場合ではない。取り敢えず、書く。
その日、私の手には男が居た。
気がついたら、男を引きずって歩いていたのだ。
もちろん、知らない男である。そいつはサラリーマンの容貌であったが、ジャケットは着ておらず、私はその白い襟元を掴んで引き摺らせていた…なるほど、キチンと襟元の洗剤を怠らないタイプらしい。自分と一緒で好感が持てる。
そんな首が締まる苦しい状態で、そいつは気持ちよさそうに眠っていた。爆睡である。一方、私は真逆と言っても良い。私はここ数日、数ヶ月、数年、ロクに気持ちよく眠れたことがない…いや、眠れているのかもしれないが、それを保証する人が居ない。寂しい話であるが、兎角起きた時は毎度歯切れが悪い。寝覚めから悪いと1日やる気が出ないが、それが毎日となるともう慣れっこである。最初の一息目はいつもため息…ほんと、いつか報われる日が来るのだろうか?
そんな私は男を引き摺りつつ、砂漠の真ん中で踏切が上がるのを待っている。なぜならば、その踏切が上がらないと中の駅へと入れないからである。しかし、こんな男を引き連れてどこへといくつもりなのだろうか…?疑問は膨れ上がるものの、兎角ここから移動したい。ここは誰も居ない。見渡す限りに砂。引き返す向こうにはおそらく湖があるのだろうが、今更戻れない。いや、きっと戻れるのだろうが、もう踏切を待ちすぎた。かけた時間が長すぎて、動くのが勿体ないと思ってしまう…ほら、振り向いた瞬間に電車が来た時のガッカリ感、君も感じたことがあるだろ?
そう思いながら男をみる。すやすやと気持ちよさそうに眠っているそのポケットにビール瓶が見える。そうだ、私はちょうど喉が渇いていた。こんな砂漠の真ん中である。口に砂が入っては、水分を奪っていく。または、全身から溢れる汗からか。いずれにせよだんだんと身体から水分が奪われているのは分かる。
飲まなければ。
私は、男の襟元を手放し、ズボンのポケットに入っていた瓶を抜き出す…それには蛇が漬けてあった。改めて蓋を開けると、強くアルコールが鼻を刺す…なぜアルコールを持ち合わせているのか。余計に喉が渇くだけではないか…そう思うのだけれど、目下の渇きには勝てない。仕方なく一口飲むと、悪くない味がする。が、アルコールは強い。アルコールか暑さか、クラクラするなかでとある昔を思い出す。
いつのことだかわからない話をして申し訳ないが、親と居た時の話である。私が旅行をし続けているなか、時たま実家に帰省した時、途端に「そんなに自由に旅ができるのは健康な身体に産んだおかげなんだから、もっと私に感謝しなさい」と言い出した。「だって、何を食べても健康体でしょ?」とかも言ったような気がする。
正直、そんなことどうでも良いだろうと思うのだ。なぜならば旅をしているのは私の自由なのだから。寧ろ、その自由に関して様々な理由をつけては奪っていたのは親ではなかったか。多くは金銭的な理由だった気がする。私が私によって自由になり、また私の意思で自由に旅をしているのだ。筋違いも甚だしい。そう思い、私は今飲んでいるお酒と同じものを親の前に置いた。
「確かに、意外と丈夫なものさ。でも、コレを飲む勇気こそが一番大事なんだ」
そう親を見ながら話していたのだが、一向に目を合わせようとはしなかった。いつもコレである。都合が悪くなると、自分の立場が弱いとなるとすぐ逃げるのだ。だったら初めから言わなければ良いのだけれど、馬鹿だから言ってしまうんだな。
というわけで、独りでその蛇酒を飲んだわけであるが、その時よりも酔い回りが早い気がする…もしかすると、アルコールではなくて毒が入っていたのかもしれない。やだな、まだ死にたくないな、とは思うのだけれど、仕方ないか…と思っていると踏切は上がった。
あー、死のうと思ったから踏切は上がったのかな、と思うのは流石に思い込みか。人間の悪いところである。
しかし結局そんな思い込みの積み重ねのような気がするのだ。「あのとき上手くいったからこうしよう」「上手くいかなかったから辞めておこう」みたいな。そんな風にどんどん重くなっていく。
本来であれば、生きていく中でも立ち寄る港に置いていくべきなのだ。全ての感情を持ち合わせるのは不可能だし、全ての記憶を維持するなんてそれこそ難しいから。
でも、捨てられずに積み上がっていく。なんだか勿体ない気がしてしまう。そうだ、記憶こそが私であってそれを捨てることなど出来るはずがない。
しかしその一方で、船は全てを抱えきれないまま沈んでいく。それは鬱の海。一度沈んで仕舞えば、なかなか浮き上がるのは難しいらしい。色々な人が、口々にそう話す。「執着のために君は深海へと潜って、他人からは観測されない感情を生きた化石と誇らしげに語りながら泳いで行くきかい?」なんて、誰かが話した気がする…ダメだ、全てを持ち合わせてるつもりなのに、あなたが誰だかわからない。果たして本当に存在していますか?私だけの夢ではないですか?
それは、記憶ではない。確かに、夢であった。
どうやら酔いが回っているうちにベンチに座って眠っていたようだ。引き摺る男も隣で寝ている。起きる気配はない。その横顔はいかにも幸せそうで、いつの日かこうありたいと願ってしまう。
未だにアルコールが辛い。頭が酷くぐわんぐわんする。仕方なく見渡すとすぐそこに自動販売機が見える。ふらふらの足で立ち上がり、自動販売機へと向かう。
一通りのラインナップを見ながら、やっぱり水を選んだ。いつ、どこの、誰が、自動販売機に入れたのかわからないのだけれど、これは安心であると思い、買った市販の水を二、三口ほど口にする。その流し込み先の胃はまだまだ落ち着かない。ぐるぐるぐるぐる不安定に揺れている。しかし、耐えるしかない。
自動販売機に手をつきながら、吐くか吐かないかを耐える。この安心感である。ただ、この安心感に生かされている。どこにいても、たとえ独りであっても、安全を保証してくれる、この全国に遍く機械に頼って、独りで立てているのだと。クソ重い自分というものを、恥ずべきばかりの人生を引き摺りながら生きているのだと。
そこでふと、男を探す。そいつはいつの間にかこの手に引き摺っていた。そうなのだ、そいつは影なのだ。どんどん重くなっていって、私を鬱の海底へと曳き摺りこもうとする。
「それはイヤだな」
この自分内の修羅に決着を付けなければなるまい。
途端に頭が冴えてくる。
私は線路の方へと近づいて黄色い線に立った。やがて遠くの方から電車が来るのが見えた。私は影の腕を引き上げ、背中に背負った。やがて電車が私の前へとやってくる。その瞬間に合わせて、影を背負い投げする。
スパーン
と、影は私から吹っ飛んでいく。
なんか、赤いものも飛び立った気もするが、私はといえば引き摺られないようにグッと足に力を込めて踏ん張る。
「沈んでたまるか」
やがて電車は止まる。
私は重りが途端になくなったため、反対にふわふわしていた。果たして、こんなに重力とは虚しいものだったか?
やがて、扉が開く。私はすっかり軽い足取りでその電車の中へと入っていく。中の人はまばらで、各々で新聞を読んだり、イヤホンから音楽を聴いたりしていたが、みんな独りだった。
なぁんだ、と思いながら席に着く。アナウンスが言うところによれば、次の目的地は「朝」だと言う。
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