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26.同意書
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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
絹田小五郎・・・辻鍼灸治療院の常連。
=====================================
私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日は、「お馴染みさん」の話。
「絹田さん、終ったで。」
私は、『起き上がりヘルパー』を絹田の前に置いた。
前にインターネットで購入したものだ。
今は、インターネットで色々買える。
患者は、人によっては、ベッドより布団がいい、という人もいる。
ここは、病院や診療所ではない。色々と患者に会わせる。
ベッドに寝ると痛いと言う場合、布団を敷く。
基本的に『風俗マッサージ』ではない。密室には違い無いが、暗黙のルールも公然のルールもある。
絹田は、服を脱ぐ前に、同意書を荒田内科で貰って来て提出した。
面倒なシステムだが、鍼灸の治療を保険医療で受診させるには、内科ほかの医師の「指導の下」治療していることになっている。
外科・整形外科は「東洋医学」を真っ向から否定しているから、同意書は取れない。
まあ、平たく言えば、外科・整形外科は「リハビリ」治療も出来る診療科目だから。詰まりは儲からないから、鍼灸院と組まない。
患者は、保険医療の為に、一時出費など構う者はいない。
ウルサイのは、患者の家族で、「東洋医学」否定派だ。大体、内科医に洗脳されている。
リハビリが厚労省指導で始まる前は「首つり」なるものが外科・整形外科で使われていた。
ウチに来る患者で、経験者が話した。「物体ちゃいますやん、ロボットちゃいますやん、人間の体は。クレーンで釣り上げるみたいなことして、骨がまっすぐなる訳ない。」と憤慨していた。鍼灸マッサージでもスポーツマッサージでも理学療法士マッサージでも、無理な伸張は禁じられている。骨や骨の周りの『神経』を傷つけるからである。
外科等のリハビリは、医療事故の犠牲者があった後で始まったのである。
医療事故があると、厚労省は過剰反応する。
背中に乗ってツボを押す治療が中止になったのも、心臓近くに針が打てなくなったのも『無免許』の者が『見よう見まね』で行った、間違った治療なのに。
柔道整復師がなかなか保険医療できないのも『偏見』の影響だ。
アスリートで鍼灸治療を受け肯定する人が多いのに、『体制への忖度』で、マスコミはスルーしたり否定したりする。
基本的に、体は『自分で』治すもの。医療者や準医療者は、その手助けをしているに過ぎない。
絹田の着替えは終った。
「その後、どうや。」「もう誰も何も言いません。言わせません。先生のおかげです。」
絹田も、身内と色々あったのだ。
私は、来月の絹田の予定を聞き、予約をカレンダーに書いた。
メモ帳にも書くが、カレンダーに書くと、患者は納得する。
コミュニケーションは大事や。
絹田が帰った後、ふと思いついて冷蔵庫を開ける。納豆の期限が今日や。
今夜、食べよう。カン。鍼灸師の必須条件や。
―完―
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
絹田小五郎・・・辻鍼灸治療院の常連。
=====================================
私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日は、「お馴染みさん」の話。
「絹田さん、終ったで。」
私は、『起き上がりヘルパー』を絹田の前に置いた。
前にインターネットで購入したものだ。
今は、インターネットで色々買える。
患者は、人によっては、ベッドより布団がいい、という人もいる。
ここは、病院や診療所ではない。色々と患者に会わせる。
ベッドに寝ると痛いと言う場合、布団を敷く。
基本的に『風俗マッサージ』ではない。密室には違い無いが、暗黙のルールも公然のルールもある。
絹田は、服を脱ぐ前に、同意書を荒田内科で貰って来て提出した。
面倒なシステムだが、鍼灸の治療を保険医療で受診させるには、内科ほかの医師の「指導の下」治療していることになっている。
外科・整形外科は「東洋医学」を真っ向から否定しているから、同意書は取れない。
まあ、平たく言えば、外科・整形外科は「リハビリ」治療も出来る診療科目だから。詰まりは儲からないから、鍼灸院と組まない。
患者は、保険医療の為に、一時出費など構う者はいない。
ウルサイのは、患者の家族で、「東洋医学」否定派だ。大体、内科医に洗脳されている。
リハビリが厚労省指導で始まる前は「首つり」なるものが外科・整形外科で使われていた。
ウチに来る患者で、経験者が話した。「物体ちゃいますやん、ロボットちゃいますやん、人間の体は。クレーンで釣り上げるみたいなことして、骨がまっすぐなる訳ない。」と憤慨していた。鍼灸マッサージでもスポーツマッサージでも理学療法士マッサージでも、無理な伸張は禁じられている。骨や骨の周りの『神経』を傷つけるからである。
外科等のリハビリは、医療事故の犠牲者があった後で始まったのである。
医療事故があると、厚労省は過剰反応する。
背中に乗ってツボを押す治療が中止になったのも、心臓近くに針が打てなくなったのも『無免許』の者が『見よう見まね』で行った、間違った治療なのに。
柔道整復師がなかなか保険医療できないのも『偏見』の影響だ。
アスリートで鍼灸治療を受け肯定する人が多いのに、『体制への忖度』で、マスコミはスルーしたり否定したりする。
基本的に、体は『自分で』治すもの。医療者や準医療者は、その手助けをしているに過ぎない。
絹田の着替えは終った。
「その後、どうや。」「もう誰も何も言いません。言わせません。先生のおかげです。」
絹田も、身内と色々あったのだ。
私は、来月の絹田の予定を聞き、予約をカレンダーに書いた。
メモ帳にも書くが、カレンダーに書くと、患者は納得する。
コミュニケーションは大事や。
絹田が帰った後、ふと思いついて冷蔵庫を開ける。納豆の期限が今日や。
今夜、食べよう。カン。鍼灸師の必須条件や。
―完―
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