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331.ジジイ対若造(前編)
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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田嘉三・・・誠の叔父。警視庁管理官。交渉案件があれば「交渉人」の仕事もする。EITO初代指揮官。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。
草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。
中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。
馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。
河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
原田正三・・・元新宿署刑事。警視庁警部。警視庁からEITO出向。
本郷隼人・・・EITOシステム部長。EITO秘密基地管理部長。
守谷哲夫・・・SAT隊長。
早乙女藍・・・元警視庁女性白バイ隊隊長。
工藤由香・・・元警視庁女性白バイ隊隊長。
田尾美緒子・・・女性白バイ隊隊長。
村越警視正・・・副総監付きの警察官幹部。警視庁テロ対策室室長。
ジョー・タウ・・・かつて、伝子と闘った、ダークレインボウの組織の用心棒。恩赦でシャバに出ている。
ジャック・タウ・・・かつて、伝子と闘った、ダークレインボウの組織の用心棒。恩赦でシャバに出ている。
山下いさみ・・・元ダークレインボウの組織の『幹』オクトパス。
大上・・・元ダークレインボウの組織の『枝』。恩赦でシャバに出る予定。
=================================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
==EITOガーディアンズとは、エマージェンシーガールズの後方支援部隊である==
※少年死亡事件。
夜を徹してバイクで爆走する若者、騒音に悩む周辺住民―。昭和59年、トラブルの渦中にあった水元公園で事件は起きた。
若者の夜の〝レース場〟となっていた東京都葛飾区の水元公園で、道を横断する形で路上にロープが張られ、仲間十数人とバイクで走っていた高校2年の男子生徒=当時(17)=が首をひっかけ転倒、死亡した。警視庁亀有署は何者かがロープを張ったと判断し捜査を開始した。しかし、事件は未解決のままとなった。
3月28日。午前0時。警視庁。
ジジイこと、グレート・グリフォンからの挑戦状が警視庁にメールで届いた。
EITO東京本部、会議室。
マルチディスプレイには、村越警視正が映っている。
「転送したメールの通り、グレート・グリフォンからの招待状、いや、挑戦状だ。『2025年3月30日。水元公園で待つ。午後1時で良いだろう。グレート・グリフォン。』嫌に、あっさりした内容だ。それだけじゃない。闇サイトハンターの名前で、久保田管理官に『速達』が届いた。差出人の名前がないが、本文で名乗っている。『今回の最終決戦に邪魔者が入る。詳細は分からないが、パラ・リヴァイアサンという名前の組織で、以前闇サイトで暗躍していた組織の上部組織と思われる。傾向と対策は任せる。』あの悪名高い水元公園とはな。」
「ハッキングがばれているから、今回は私の所に送ってきた。山並は、余程大文字君に惚れ込んでいるんだな。有り難く情報を頂いて、お互い共有しよう。しかし、山下からも聞いているが、敵の幹は、作戦が終るまでは手を出さないのが不文律の筈だが・・・。どう思うね、大文字君。」村越の隣の画面の久保田管理官が言った。
「どうもこうも、あの『枝』の言う通り、ジジイは病気なのでしょう。但し、インフルエンザごときではない。ひょっとしたら、毒を盛られているかも知れないし、がんのような大病かも知れません。」
「明後日か。万全の体勢で臨む必要があるな。夏目君。大阪支部は?」と、理事官が夏目警視正に尋ねた。
「それが、大阪支部にも、というか、大阪府警にも挑戦状が届いています。期日は明後日、30日。30日は、兵庫県の伊藤知事の再選を批判する団体と、伊藤知事を支持する団体のデモが同時に行われます。吉本知事は、テロリストの絶好のチャンスなので、EITOに警護応援を依頼してきています。因みに、吉本知事は伊藤知事擁護の為、演説に参加します。大前君は、デモの警護を引き受ける代わりに、街頭演説を回避するように、要請。演説はリモート演説、詰まり、テレビ局からの放送に切り替わりました。切り替わったことは事前告知せずに。」
「賢明だな。じゃ大文字君。支部の救援なしで闘ってくれ。」と、理事官は堅い表情で言った。
「了解しました。」伝子は、短く応えた。
マルチディスプレイが消え、村越警視正も久保田管理官も消えた。
「やっぱり、ジジイなのかなあ。」と、あつこは言った。
「精神年齢は、ジジイでもなさそうだがな。」
「俺もそう、思う。あの人形遣い、即席じゃないだろう。」と、筒井が言った。
「昔取った杵柄、ですかね。」草薙の言葉に、「そうかも知れんな。公園の詳細を調べておいてくれ、草薙。」
「了解しました。」「それと、渡も草薙も可能な範囲で参加しろ。」
「了解しました。」と、渡と草薙は元気よく応えた。
30日。午後1時。葛飾区。水元公園。中央広場。
グレート・グリフォン側の集団は、迷彩服を着ていて、手榴弾も持っていそうだった。
やって来た、エマージェンシーガールズを見付けると、リーダーらしき男が言った。
「お前が隊長か。」「いや、副隊長だ。オタクのボスはどこだ?」
「ああ、あっちだ。」リーダーが指さした方向は、『キャンプ広場』のエリアだ。
車椅子に乗った、仮面を被った人物がいた。
「俺達を倒せたら、会えるよ、副隊長さん。」
男が深呼吸すると、集団は散開した。
なぎさ達も散開した。
男達は、いきなり手榴弾を投げてきた。
だが、命中することは無かった。
なぎさ達はシューターとブーメランで叩き落としたからだ。
シューターとは、うろこ形の手裏剣で、先端に痺れ薬が塗ってある。
男達は、自分の投げた手榴弾の爆風で倒れた。
男達は、更に手榴弾を投げたが、マセラティでやってきた、田坂達『弓矢隊』が手榴弾を矢で落とした。
川から、敵の別動隊が現れた。
野外ステージ裏からだが、川から上がってきたのだ。
アクアラングとマスクを着けている。
これでは、胡椒弾も胡椒ガンも、水流ガンも効かない。
胡椒弾とは、胡椒その他の台所用調味料を捏ねた丸薬であり、胡椒ガンとは、その胡椒弾の小型のものを発射する銃だ。
水流ガンとは、飛び出すとグミ状の液に変化する水を撃つ銃だ。
ネバネバは着いても、このコスチュームでは、あまり意味が無い。
次の指示を、なぎさが出そうとした瞬間、なぎさは凍り付いた。
いつの間にか、黄色い全身タイツの男達が50人以上、グレート・グリフォンの回りに群がっていた。皆、機関銃や日本刀を持っている。
そこへ、別方向からやってきた護送車が止まり、4人の男達が出てきた。
米軍特殊部隊のグリーンベレーのような出で立ちだ。
「そっちはそいつらに任せて、正面の敵を迎え撃て!!」なぎさのイヤリングに伝子の声が響いた。
なぎさもエマージェンシーガールズも、メダルカッター、バトルスティック、バトルロッドで闘い始めた。
メダルカッターとは、中央部を押すと回転刃が飛び出す道具だ。バトルロッドとは、戦闘棒であるバトルスティックの3段変形出来るものだ。
闘ったいる内、川からまた、アクアラング集団が現れた。
ホバーバイク隊が到着した。
「お待たせ。」筒井の声がなぎさのバトルユニフォームのインカムに聞こえた。
ホバーバイクとは、『宙に浮くバイク』のことで、民間会社が開発、EITOが採用、改造して戦闘または運搬に使用している。
筒井達、ホバーバイク隊のEITOガーディアンズは、冷凍銃やハープーンを用いて敵を攪乱させた。
また、違う方向から川の縁から、アクアラング集団が出てきた。
その時、リムジンが登場し、エマージェンシーガールズ姿の伝子が飛び出した。
そして、リムジンの後方から、夥しいドローンが飛び出した。
ドローンは、縦横無尽に飛び回り、紙吹雪を撒き散らかした。
これには、アクアラング集団も視界が遮られ、右往左往した。
そこに、SAT隊員達がジープで到着した。
守谷は突撃命令を出した。
そんな時、違う方向からバイク集団が現れた。
そのバイク集団を追って、田尾・工藤・早乙女が率いる女性白バイ隊が到着した。
田尾達は、公園の周囲にいた集団を追い詰めたのだ。バイク乗り達は、忽ち包囲され、車座に正座させられた。
ジジイの前の集団には、急遽駆けつけた、ジャック・タウ、ジョー・タウ、元オクトパスこと山下、元『枝』の大上が立ち回っていた。
タウ兄弟はトンファー、山下は三節棍、大上は長刀を用いて闘っている。
集団の中の機関銃を持った男が構えた時、伝子の五節棍が叩き落した。
そして、2つのブーメランで、伝子はタウ兄弟達と間合いを取りながら、拳銃、機関銃を弾き跳ばした。
4人の男達は、ニヤリと笑いながら、黄色い全身タイツ集団と闘った。
ジジイこと、グレート・グリフォンは車椅子の上でぐったりとしていた。
1時間半後。
全身タイツ集団は皆、地面に仰向けになっていた。
アクアラング集団も迷彩服集団も仰向けになっていた。
迷彩服集団には負傷者が出たかも知れない。
MAITOのオスプレイが現れ、「あれ?終ってるよ。ゴメンねー。」という声がスピーカーから流れ、去って行った。
山下は、ジジイことグレート・グリフォンに近づいた。
「助けて・・・くれたのか。オクトパス。」
―完―
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田嘉三・・・誠の叔父。警視庁管理官。交渉案件があれば「交渉人」の仕事もする。EITO初代指揮官。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。
草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。
中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。
馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
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守谷哲夫・・・SAT隊長。
早乙女藍・・・元警視庁女性白バイ隊隊長。
工藤由香・・・元警視庁女性白バイ隊隊長。
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村越警視正・・・副総監付きの警察官幹部。警視庁テロ対策室室長。
ジョー・タウ・・・かつて、伝子と闘った、ダークレインボウの組織の用心棒。恩赦でシャバに出ている。
ジャック・タウ・・・かつて、伝子と闘った、ダークレインボウの組織の用心棒。恩赦でシャバに出ている。
山下いさみ・・・元ダークレインボウの組織の『幹』オクトパス。
大上・・・元ダークレインボウの組織の『枝』。恩赦でシャバに出る予定。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
==EITOガーディアンズとは、エマージェンシーガールズの後方支援部隊である==
※少年死亡事件。
夜を徹してバイクで爆走する若者、騒音に悩む周辺住民―。昭和59年、トラブルの渦中にあった水元公園で事件は起きた。
若者の夜の〝レース場〟となっていた東京都葛飾区の水元公園で、道を横断する形で路上にロープが張られ、仲間十数人とバイクで走っていた高校2年の男子生徒=当時(17)=が首をひっかけ転倒、死亡した。警視庁亀有署は何者かがロープを張ったと判断し捜査を開始した。しかし、事件は未解決のままとなった。
3月28日。午前0時。警視庁。
ジジイこと、グレート・グリフォンからの挑戦状が警視庁にメールで届いた。
EITO東京本部、会議室。
マルチディスプレイには、村越警視正が映っている。
「転送したメールの通り、グレート・グリフォンからの招待状、いや、挑戦状だ。『2025年3月30日。水元公園で待つ。午後1時で良いだろう。グレート・グリフォン。』嫌に、あっさりした内容だ。それだけじゃない。闇サイトハンターの名前で、久保田管理官に『速達』が届いた。差出人の名前がないが、本文で名乗っている。『今回の最終決戦に邪魔者が入る。詳細は分からないが、パラ・リヴァイアサンという名前の組織で、以前闇サイトで暗躍していた組織の上部組織と思われる。傾向と対策は任せる。』あの悪名高い水元公園とはな。」
「ハッキングがばれているから、今回は私の所に送ってきた。山並は、余程大文字君に惚れ込んでいるんだな。有り難く情報を頂いて、お互い共有しよう。しかし、山下からも聞いているが、敵の幹は、作戦が終るまでは手を出さないのが不文律の筈だが・・・。どう思うね、大文字君。」村越の隣の画面の久保田管理官が言った。
「どうもこうも、あの『枝』の言う通り、ジジイは病気なのでしょう。但し、インフルエンザごときではない。ひょっとしたら、毒を盛られているかも知れないし、がんのような大病かも知れません。」
「明後日か。万全の体勢で臨む必要があるな。夏目君。大阪支部は?」と、理事官が夏目警視正に尋ねた。
「それが、大阪支部にも、というか、大阪府警にも挑戦状が届いています。期日は明後日、30日。30日は、兵庫県の伊藤知事の再選を批判する団体と、伊藤知事を支持する団体のデモが同時に行われます。吉本知事は、テロリストの絶好のチャンスなので、EITOに警護応援を依頼してきています。因みに、吉本知事は伊藤知事擁護の為、演説に参加します。大前君は、デモの警護を引き受ける代わりに、街頭演説を回避するように、要請。演説はリモート演説、詰まり、テレビ局からの放送に切り替わりました。切り替わったことは事前告知せずに。」
「賢明だな。じゃ大文字君。支部の救援なしで闘ってくれ。」と、理事官は堅い表情で言った。
「了解しました。」伝子は、短く応えた。
マルチディスプレイが消え、村越警視正も久保田管理官も消えた。
「やっぱり、ジジイなのかなあ。」と、あつこは言った。
「精神年齢は、ジジイでもなさそうだがな。」
「俺もそう、思う。あの人形遣い、即席じゃないだろう。」と、筒井が言った。
「昔取った杵柄、ですかね。」草薙の言葉に、「そうかも知れんな。公園の詳細を調べておいてくれ、草薙。」
「了解しました。」「それと、渡も草薙も可能な範囲で参加しろ。」
「了解しました。」と、渡と草薙は元気よく応えた。
30日。午後1時。葛飾区。水元公園。中央広場。
グレート・グリフォン側の集団は、迷彩服を着ていて、手榴弾も持っていそうだった。
やって来た、エマージェンシーガールズを見付けると、リーダーらしき男が言った。
「お前が隊長か。」「いや、副隊長だ。オタクのボスはどこだ?」
「ああ、あっちだ。」リーダーが指さした方向は、『キャンプ広場』のエリアだ。
車椅子に乗った、仮面を被った人物がいた。
「俺達を倒せたら、会えるよ、副隊長さん。」
男が深呼吸すると、集団は散開した。
なぎさ達も散開した。
男達は、いきなり手榴弾を投げてきた。
だが、命中することは無かった。
なぎさ達はシューターとブーメランで叩き落としたからだ。
シューターとは、うろこ形の手裏剣で、先端に痺れ薬が塗ってある。
男達は、自分の投げた手榴弾の爆風で倒れた。
男達は、更に手榴弾を投げたが、マセラティでやってきた、田坂達『弓矢隊』が手榴弾を矢で落とした。
川から、敵の別動隊が現れた。
野外ステージ裏からだが、川から上がってきたのだ。
アクアラングとマスクを着けている。
これでは、胡椒弾も胡椒ガンも、水流ガンも効かない。
胡椒弾とは、胡椒その他の台所用調味料を捏ねた丸薬であり、胡椒ガンとは、その胡椒弾の小型のものを発射する銃だ。
水流ガンとは、飛び出すとグミ状の液に変化する水を撃つ銃だ。
ネバネバは着いても、このコスチュームでは、あまり意味が無い。
次の指示を、なぎさが出そうとした瞬間、なぎさは凍り付いた。
いつの間にか、黄色い全身タイツの男達が50人以上、グレート・グリフォンの回りに群がっていた。皆、機関銃や日本刀を持っている。
そこへ、別方向からやってきた護送車が止まり、4人の男達が出てきた。
米軍特殊部隊のグリーンベレーのような出で立ちだ。
「そっちはそいつらに任せて、正面の敵を迎え撃て!!」なぎさのイヤリングに伝子の声が響いた。
なぎさもエマージェンシーガールズも、メダルカッター、バトルスティック、バトルロッドで闘い始めた。
メダルカッターとは、中央部を押すと回転刃が飛び出す道具だ。バトルロッドとは、戦闘棒であるバトルスティックの3段変形出来るものだ。
闘ったいる内、川からまた、アクアラング集団が現れた。
ホバーバイク隊が到着した。
「お待たせ。」筒井の声がなぎさのバトルユニフォームのインカムに聞こえた。
ホバーバイクとは、『宙に浮くバイク』のことで、民間会社が開発、EITOが採用、改造して戦闘または運搬に使用している。
筒井達、ホバーバイク隊のEITOガーディアンズは、冷凍銃やハープーンを用いて敵を攪乱させた。
また、違う方向から川の縁から、アクアラング集団が出てきた。
その時、リムジンが登場し、エマージェンシーガールズ姿の伝子が飛び出した。
そして、リムジンの後方から、夥しいドローンが飛び出した。
ドローンは、縦横無尽に飛び回り、紙吹雪を撒き散らかした。
これには、アクアラング集団も視界が遮られ、右往左往した。
そこに、SAT隊員達がジープで到着した。
守谷は突撃命令を出した。
そんな時、違う方向からバイク集団が現れた。
そのバイク集団を追って、田尾・工藤・早乙女が率いる女性白バイ隊が到着した。
田尾達は、公園の周囲にいた集団を追い詰めたのだ。バイク乗り達は、忽ち包囲され、車座に正座させられた。
ジジイの前の集団には、急遽駆けつけた、ジャック・タウ、ジョー・タウ、元オクトパスこと山下、元『枝』の大上が立ち回っていた。
タウ兄弟はトンファー、山下は三節棍、大上は長刀を用いて闘っている。
集団の中の機関銃を持った男が構えた時、伝子の五節棍が叩き落した。
そして、2つのブーメランで、伝子はタウ兄弟達と間合いを取りながら、拳銃、機関銃を弾き跳ばした。
4人の男達は、ニヤリと笑いながら、黄色い全身タイツ集団と闘った。
ジジイこと、グレート・グリフォンは車椅子の上でぐったりとしていた。
1時間半後。
全身タイツ集団は皆、地面に仰向けになっていた。
アクアラング集団も迷彩服集団も仰向けになっていた。
迷彩服集団には負傷者が出たかも知れない。
MAITOのオスプレイが現れ、「あれ?終ってるよ。ゴメンねー。」という声がスピーカーから流れ、去って行った。
山下は、ジジイことグレート・グリフォンに近づいた。
「助けて・・・くれたのか。オクトパス。」
―完―
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この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
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