37 / 118
37.【妄想(delusion)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『忍の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
「敗戦の日」祈念式典会場。今日は8月15日。
俺は来場者の1人だった。
「80年前の戦争は『ひとえに』『忍の国』の責任であり、国民は永代に渡って償う必要がある。ここに、補償金と、『移民・在住の外国人優先』・・・。」
まるで、デジャブだった。『重の国』のトップと同じことを言い出したからだ。
来場者は、皆目をつぶり、耳を覆った。
『忍の国』のトップ、三輪総粗相の演説の声はスピーカーから聞こえず、違う方向から聞こえてきたのは、先々代の皇帝の所謂『玉院放送』だった。皆は顔を上げ、声に聞き入った。
『玉院放送』が終った頃、三輪の隣に立って、はっきりした声で、現在の皇帝が言った。
「この国に、『死刑』しか罰が存在しない犯罪が『2つ』あるのを知っていますね。」
三輪は、逮捕連行された。
数時間前。跳んで来たのは、皇帝の部屋だった。
俺は、南極ぼけを封じ、正直に話した。
「では、並行世界でも、同じように暴君が執政し、国を隣国斉齊国に明け渡す準備をしていたのですね。」
「国民を助けられるのは、陛下だけです。」
「・・・お任せします。貴方が神なのかどうかは分かりません。でも、『敗戦の日』は、英霊を偲ぶ日です。国としての責任として、祖父は王国を止め、共和制にしたのです。戦犯と呼ばれる軍部指導者も外国の審判を受けました。現在の、これからの国民は関係ありません。国民の子孫を守ることは私の死命です。お任せします。」
三輪は、いきなり最高等裁に呼ばれ、裁判長に言い渡された。
「選択肢は2つあります。我が国で死刑になるか、我が国より厳しい隣国に追放されて、隣国の法で捌かれるか。」
その時、乱入した者達がいた。感量と呼ばれる、事務員達だった。
三輪は、感量達と船で逃げた。『母国』に向けて。
隣国の船に接近した所で、船は沈んだ。船は隣国斉齊国製だった。
沈むのをゆっくり眺めながら、俺は呟いた。「文字通り、『泥船』か。三輪の妄想も終わりだな。」
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
さ、次の世界だ。陛下、ちゃんと臣民を守ってくれ。
―完―
0
あなたにおすすめの小説
道化たちの末路
希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。
後の祭り
ねこまんまときみどりのことり
ライト文芸
母親を馬車の事故で亡くしたナズナは、馬車に乗っていた貴族の男性に、義理の娘として引き取られた。引き取られた先の子爵邸では、義母や義妹に傷付けられて泣いて過ごすこともあったが、懸命に生きていく。引き取られた裏には、別の理由もあったようで。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
乙女ゲームは始まらない
まる
ファンタジー
きっとターゲットが王族、高位貴族なら物語ははじまらないのではないのかなと。
基本的にヒロインの子が心の中の独り言を垂れ流してるかんじで言葉使いは乱れていますのでご注意ください。
世界観もなにもふんわりふわふわですのである程度はそういうものとして軽く流しながら読んでいただければ良いなと。
ちょっとだめだなと感じたらそっと閉じてくださいませm(_ _)m
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる