大文字伝子の休日

クライングフリーマン

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38.江島一周忌

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 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。
 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。
 愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。
 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。みちるの夫。
 斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目警視正・・・EITO副司令官。夏目リサーチを経営している。EITO副司令官。
 須藤桃子医官・・・陸自からのEITO出向。基本的に診療室勤務。
 高坂一郎看護官・・・陸自からのEITO出向。
 増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。
 金森和子二尉・・・空自からのEITO出向。
 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。
 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。
 飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向。
 江南(えなみ)美由紀警部補・・・元警視庁警察犬チーム班長。EITOに就職。
 伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 財前直巳一曹・・・怪人二十面相財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。
 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁からEITO出向の警部。伝子の同級生。
 青山たかし元警部補・・・以前は丸髷署生活安全課勤務だったが、退職。EITOに再就職した。
 草薙あきら・・・警視庁からのEITO出向。特別事務官。
 渡伸也一曹・・・自衛官からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。
 河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
 本郷隼人二尉・・・海自からEITO出向。
 大蔵太蔵(おおくらたいぞう)・・EITOシステム部部長。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当だが、ホバーバイクにも乗る。
 前田空将・・・空自の、上から2番目に偉い人。
 渡辺副総監・・・警視庁副総監。あつこの叔父。
 村越警視正・・・副総監付きの警察官幹部。あつこがEITOに移ってから、副総監の秘書役を行っている。
 橋爪警部補・・・丸髷署生活安全課刑事。
 中津敬一警部・・・警視庁警部。村越警視正の部下。
 久保田誠警部補・・・あつこの夫。丸髷署時代から、大文字家と付き合いがある。
 久保田嘉三管理官・・・EITO前司令官。久保田警部補の叔父。
 柴田管理官・・・警視庁管理官。立てこもり犯の交渉担当。
 物部一朗太・・・伝子の大学の翻訳部の副部長。故人となった蘇我義経の親友の妻であった同級生逢坂栞と結婚した。
 物部(逢坂)栞・・・伝子の大学の翻訳部の同輩。物部とも同輩。蘇我と学生結婚したが死別。物部と再婚した。
 福本英二・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。大学は中退して演劇の道に進む。今は建築事務所に就職し、演劇活動は休止している。
 服部源一郎・・・伝子の高校のコーラス部後輩。シンガーソングライター。昭和レトロなレコードを探して、伝子達に紹介している。
 服部(麻宮)コウ・・・服部の妻。夫を何とか音楽家として世に出したいと願っている。
 南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。高校の国語教師だったが、今は妻と共に学習塾を経営している。
 南原(大田原)文子・・・南原の妻。学習塾を帰営している。
 山城順・・・伝子の中学の書道部後輩。愛宕と同窓生。海自の民間登用の事務官。
 依田(小田)慶子・・・やすらぎほのかホテル東京副支配人。
 小田祐二・・・やすらぎほのかホテルグループ社長。慶子の叔父。
 みゆき出版社編集長山村・・・伝子と高遠が原稿を収めている、出版社の編集長。
 藤井康子・・・伝子のお隣さん。EITO準隊員待遇。モールで料理教室をしている。

 ==================================================
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO精鋭部隊である。==

 午後3時。やすらぎほのかホテル東京。宴会場。
 今日は、みゆき出版社山村の奢りで、焼き肉パーティー。
「済みませんね、編集長。豪華な食事用意して頂いて。」と、DDメンバーを代表して、物部が言った。
「いいのよ、たまにはね。藤井さんのレシピ本、好調でね。シリーズ化が決まったのよ。その、お祝いだから。私は挨拶回りがあるから、ごゆっくり。」と言うと、編集長はすぐに出て行った。
「大文字。夜中に大変だったって?」「そうなんだよ、本部から連絡あって。まあ、私は結局行かなくて済んだけど。愛宕、どうだったんだ、結局、寝たか?眠いか?」
「先輩。慣れてますよ、警察官なんだから。」と、愛宕は笑った。
「何があったんだ?高遠。」と、依田が皆に給仕しながら言った。
「僕もね、『おんなだけ』で、何か見落とししたような気はしてたんだ。『コンパニオン』だよ。催しものの案内がかり。あれ、意外と男性はレアケースなんだ。管理官に『全ての催し物のコンパニオン』外して欲しいって進言するのを忘れてた。昨日は、たまたま、国会図書館の夏休みイベント『恐竜関係展示会』の打ち合わせ日だった。都庁のスタッフや国会図書館のスタッフの手違いが重なって、御池都知事とコンパニオン代表がいなくなっているのに気づかなかった。午前零時を過ぎた頃、会議室で、コンパニオン代表の三田悦子と御池都知事は目が覚めた。側に目覚まし時計があった。都知事カンカン。夜中にパトカーと白バイ隊に送られて帰還。」
「ちょっと待てよ、高遠。夜中にわざと起きるようになってた、ってことか?」
「うん。オクトパスの『いたずら』だよ。日付変わったら、作戦予定の日を過ぎるからな。コーヒーに眠り薬が入っていたのは分かっている。御池都知事は、突然行ったらしいよ。今日から開催だから、今日見学に行く筈だったのに。」と、高遠は福本の問いに応えた。
「つまり、本命の『おんなだけ』は三田悦子だった、ということさ。で、珍客がやって来た。何をする積もりだったか、予定変更をした。多分、国会図書館のスタッフか都庁のスタッフにスパイがいるな。」
「あれ?先輩。都知事も『おんなだけ』に該当するんじゃない?」と蘭が言った。
 すると、隣の文子が「都知事のくくりなら女は1人だけど、知事のくくりで考えると、女1人じゃないわ。女だけ、って女特有、って意味合いもあるかも知れないし。」と、言った。
「うん。理事官は苦手だからって、逃げたから、夏目さんは、『都知事に恐れをなして逃げたんでしょう』って言ったら、納得したらしい。」と、伝子は笑って言った。
「お肉、足りてる?追加してくるわ。」と言って、慶子は席を立った。
「すまんな、ヨーダ。ゆっくり食べられなくて。」「いいっすよ。仕事半分で。みんな、どんどん食べて。今回は予算内じゃなくて、消化した分の請求でいいって言われてるから。藤井さん。余ったら、貰って帰って、教室で使っていいですからね。」
「ありがとう、お言葉に甘えて。」と、藤井はにっこり笑った。
「ここに、江島がいればなあ。」と、伝子はぽつりと言った。
「おねえさま。覚えておられたのですね。」と、なぎさは言った。
「勿論だ。『おねえさま』って呼んでいいか?と言ってね、『勿論だ、妹よ』って言ったよ、私は。」
「おねえさまは優しいから。だから、私たちはついて行ける。お仕置きされても、ちゃんと反省出来る。」と、みちるは言った。
「明日が、一周忌だったんだね。」と高遠が言うと、「行ける者は参加してやってくれ。行けなくとも、黙祷だけでいい。」と、伝子は言った。
「僕らは行きますよ、先輩。また、何か送る歌、歌っていいですか?」と服部が言った。
「ああ。一ノ瀬さんの時は2人で送ってくれたな。」と、伝子が言うと、「ええ。コウさんも、あの時はありがとうございました。」と、なぎさはコウに頭を下げた。
 コウは、「私たち二人は歌っただけ。皆で送ったのよ。」と笑った。
「そうだね、またみんなで送ってあげよう。」と山城は言った。
「私も行っていいかしら?」と、慶子が肉を運びながら言った。
「勿論だよ、君もDDメンバーじゃないか。あ。でも・・・。」と依田が言いかけると、「仕事は遅番にすればいい。言って来なさい、二人とも。」と社長の小田が言った。
「じゃ、明日は臨時休業、決まりね。」と栞が言うと、「ん、まあ、そうだな。」と物部が応えた。
 翌日。午後1時。港区芝公園。増上寺。
 江島きよみ1尉(生前は3尉)の一周忌法要が大々的に行われた。
 DDメンバー達も多く出席した。
 午後2時半。
 法要の後、三々五々、皆が帰宅する中、伝子は前田空将に呼び止められた。
「大文字君。少し話せるかな?」「はい。いつも隊員達が世話になっている、改めて礼を言う。」「礼だなんて・・・江島は、私の腕の中で旅立ちました。『おねえさまと呼んで』と言って。今でも忘れられません。今でも『妹』です。」
「ありがとう。君の優しさ厳しさに惹かれて、自衛隊から出向した者で、感謝していない者は一人もいない。君の統率力指導力は警察でも評判がいいそうだよ。残された、僅かな私物で、こういうものがあった。」
 そう言って、前田空将が伝子に日記とお守りを渡した。伝子は、ざっと読んだ後、少し離れた所で見守っている、増田3尉を手招きして、呼んだ。
「増田。日記はお前が『預かって』いてくれ。お守りは身に着けろ。江島が守っていてくれる。」「了解しました。」
 増田は敬礼をすると、去って行った。
「では、また、いつか。」
 物部達が近寄って来た。「あのお守り。手垢で真っ黒だった。」
「お守り、守ってくれなかったんだ。」という依田に、「違うよ、ヨーダ。私物の中にあったってことは、当時身に着けていなかった、ってことだ。」と、高遠が言った。
「そうか。あの時は、先輩に習って『ワンダーウーマンの格好』だったから、仕舞い込めなかったんだ。今のエマージェンシーガールズの格好なら、全身タイツだから、どこにでも身に着けることが出来るけど。」と、福本が言った。
「増田は、一緒の時期に参加したから、同期のようなものだからな。」と、伝子が言った。
「空将が言ってたけど、先輩は色んな人を束ねている。僕らの誇りだ。そうだ、忘れてた。江島さんに、鎮魂歌歌ってあげましょうよ、先輩。あの時のように。『上を向いて歩こう』を。」
 DDメンバーは、『上を向いて歩こう』を歌いながら、ゆっくりと歩いて帰った。
 思い思いの江島きよみを脳裏に浮かべて。
 ―完―
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