有限会社芸者ネットワーク

クライングフリーマン

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16.はい。芸者ネットワーク。

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 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 島代子(しまたいこ)・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。
 飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。
 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
 烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。
 貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。
 西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。
 茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

 =====================================

 ※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。
 現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。
 ※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。
 リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子(しまたいこ)である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。

 午後3時。芸者ネットワーク本部。
「よう間に合ったなあ。」と稲子が言うと、塔子が、「代子は顔が広いのよ。」と言った。
「東栄の社長さんもウチのスポンサーなんえ。知らんかった?」
 代子が平然と言うと、「恐れ入りました。」と、稲子は頭を下げた。
 外国人が『都をどり』に乱入するという情報に、チエと相談し、女性警察官に扮装させるより、芸妓・舞妓に拳銃持たせた方が意外性もあるし、着替えに手間がかからない、という結論になったのだ。
「今月、無事に終るといいですねえ。」と、烏丸は呟いた。
「やるわねえ、京都府警。」塔子が声を上げたので、稲子がPCを覗き込むと、京都府警の『犯罪・交通事故マップ』を見ていた。
 代子は、塔子のPCを共有にして、覗き込むと、確かに、凄いマップだった。
「チエちゃんの提案が通ったのね、流石、未来の警視正、いや、未来の警視総監。」と代子は言った。
「これを見た市民が『そう言えば』と情報をくれるかも知れない、って訳ね。例えば河原町丸太町を通った時、この時間に不審車両を見かけた、とか。」と稲子が言うと、「そう言えば、交通事故起こったら立て看板建てるけど、役に立ってるのかしら?」と烏丸が言った。
「あれねえ。言っちゃなんだけど、警察は捜査してます、ってパフォーマンスで、その場所をクルマで通過すると、一瞬でしょ。立て看板があった、位しか記憶に残らないのよねえ。」
 塔子の言葉通りだった。たまたま通りがかった通行人か自転車くらいしか気に留めない。
「以前、クルマの後部に『自転車は左側通行しましょう』ってステッカー貼ったことがあるけど、それを見るのは『正しく』左側通行している自転車なのよ。思いついたのは、交通安全協会の女性職員さんらしいけど、間が抜けているわ。」稲子も乗ってきて、警察の悪口を言い出した。
「おいおい。ここは、警察の協力機関だぞ。」と、代子は咳払いして言った。
「あ。五条で死亡事故だって。凄いシステムね。取り敢えず、ダウンロードしておくわ。」と、塔子が言った。
 代子のPCには、東山署のチエからメールが届いていた。
「あの外国人達が持っていたガイドブックのこと、ジョンシーさんに報告しておいたわ。CIAから、出版社に『国際問題の根源になり得る』として注意するって返事が来たわ。」
「最強のメル友ね。」と、代子は社内メールで皆に転送した。
 芸者ネットワークは、特殊な会社である。
 表向きはタウン誌の会社だが、実態は、芸者・舞妓を守る為に警察と連携する情報会社である。
「はい。芸者ネットワーク。」烏丸が電話を取った。
 また、市民からの「タレコミ」かも知れない。
 代子は、捜査権が無くても、逮捕権がなくても、世の中に貢献していることに誇りを持っていた。
「社長!」烏丸の声に我に返った代子は、「転送して。」と、いつもの調子で言った。
 ―完―


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