こちら中津興信所

クライングフリーマン

文字の大きさ
15 / 85

15.フェミVS連

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。
 中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。
 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
 泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
 根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。
 矢野警部・・・警視庁警部。中津警部の友人。

 =================================================

 ※2024年5月10日。『2024阿波踊り協賛』の受付が開始された。
 徳島市阿波おどりは2024年8月11日~15日開催される予定である。
『連』とは、阿波おどりを踊る団体のことである。

 ある日。午前6時。目黒川。
 地元住民が、ゴミ出しに行って、犬の散歩に出た時、犬が何かに向かって吠えている。
 妙なものが浮いて移動しているのが見えた。しかも2個。異変を感じた住民の通報で、二体の水死体が発見、引き揚げられた。
 午前9時。中津興信所。所長室兼会議室。
 マルチディスプレイに中津警部が映っている。
「今朝、上がった、ご遺体だが、本庄弁護士からお前達に素行調査の依頼にあった、中込とおると、フェミで有名な『女性差別撲滅組合』の幹部、島根敦子と判明した。中込は、島根が所属する団体が、女性の漫画キャラクターのポスターの絵が阿波踊りみたいだと言ったことに端を発して、中込が激怒、名誉毀損で訴えていた、と本庄さんから聞いている。島根の団体が、本庄さん経由で素行調査を依頼したのに間違いないか?」
「そこまで分かってて、間違いないか?は無いだろ、兄貴。」
「形式的なものだ。今、録音されている。」「間違いありませーん。」
「了解した。取り敢えず、資料を送ってくれ。」「何で?」「何で?敵対する者同士が、仲良く心中するか?下手すると、ダークレインボーかエイラブが関係しているかも知れない。そういうことだ。」
「了解。午前中にメールで送るよ。」マルチディスプレイから中津警部が消えた。
「根津。準備して送ってくれ。高崎、泊。手分けして、ガイシャの関係者を当たろう。」
 午後1時。中込邸。
 高崎と公子が、到着すると、黄色いテープが張り巡らされていた。
「ご苦労さん。野次馬が多くてね。捜査妨害されちゃ、たまらんから、事件現場みたいにした。」と、高崎もよく知っている、矢野警部が言った。
「こちらは、お隣の草津さんだ。昨日、出掛ける前の中込さんに会ったらしい。」
「この人達も、刑事さんですか?」と尋ねる草津に、「ああ。今回は『合同捜査』なんだ。よろしく。」と「言って、矢野は中に入って行った。
「何時頃、話されたんですか?」「4時前かなあ。夕刊来る前だったから。急に帰宅出来なったら新聞頼みますね、と言って。ほら、そこの新聞受けに。2日分しか入らないから、溜ると、新聞配達が適当に投げ入れちゃうんでしょ。それで、溜っているようなら、取りだして、保管してあげるんです。」と、草津は新聞受けのビニール付き袋を指さした。
「成程。」と言って、高崎は白い手袋を嵌め、昨日の夕刊と今朝の朝刊を取り出して確認した。
「あ。何だろう?」と言って、公子が白い手袋を嵌めて手帳を取りだした。
 高崎は、ざっと確認して「公ちゃん、矢野さんに。」と言って、手帳を公子に手渡しして、新聞を元に戻して、草津と世間話をした。
 公子と矢野はすぐ出てきた。
「後は、鑑識に任せて、我々は引き揚げよう。あ。草津さん、ご協力ありがとうございました。」
 高崎と公子は、矢野に習ってお辞儀をして、中込邸を後にした。
 午後2時半。女性差別撲滅組合。
 事務員と、代表の上条に、事情を聞いていた中津と泊は、スマホが鳴動したので、スマホを耳に当てた。
「上条さん、見て貰いたい写真があるんですが・・・。」と中津は上条に言った。
 泊が、スマホを弄り、写真を上条に見せた。
「あなたの隣にいる人は、半グレの舞阪久ですよね。どういうご関係かな?今、手入れに向かっています。2人の始末を依頼しましたか?まさかねえ。売春斡旋業をやってる半グレと、オタクは無関係ですよねえ。『可哀想な女性の救済』の為の団体ですものねえ。」
 午後5時。中津興信所。所長室兼会議室。
 マルチディスプレイに中津警部が現れた。
「完落ちしたよ。中込は、ただの連じゃなかった。調査員だった。と言っても、お前達とご同業じゃない。独自の調査をして、週刊誌にネタを売ったり、脅したりする、通称ネズミというゴロツキ記者の類いだった。中込は、半グレの月山商事と女性差別撲滅組合の関係を調べていたんだ。そこへ、女性差別撲滅組合の島根が、漫画に難癖つけたので、自分は阿波踊りの参加者候補だから、と島根に近づいた。そして、口論になった時に、島根が中込を突き飛ばした。即死だ。上条は、月山に相談した。月山は、島根も殺して、心中に見せかける為に、目黒川に放り込んだ。棚ぼたの検挙に刑事達は大喜びだ。高崎君の拾った手帳に手掛かりは沢山あった。中込のPCのデータは消されていたが、アナログのバックアップを取ってあったんだ、中込は。危険を承知で出掛ける前に、隣人にヒントを残して行った。こんなところかな。」
「じゃ、ダークレインボーともエイラブ系とも関係無かったんだね,兄貴。」「そういうことだ。お手柄だった。でも、金一封は期待するなよ。お前らはプロだからな。」
 画面から、中津警部は消えた。
 中津は気がついた。もう誰もいない。時計を見ると、午後5時10分だった。
「優秀な興信所だよな、ウチは。」と、中津は呟いた。
 ―完―
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

短編集

かすみ
青春
気まぐれに書く短編集 短編というか、いろいろな場面を集めたようなもの。 恋愛メインになるかも。 何もわかんない人が書いてます。あたたかい目で見ていただけると嬉しいです。 いつかこのひとつの場面から短編でもいいからちゃんとオチまで書いてみたいなって思ってます。 とりあえず思いつくのと書きおこすのに時間がかかるのでひとつの場面、として公開してます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...