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連絡先
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いつも通り手紙を用意しお兄さんを待ち構える。すると電車に乗ってきたお兄さんからメモを渡されたのだ。驚きすぎて自分の手紙を渡すのも忘れて、お兄さんの顔を見つめるが、お兄さんは私の様子は気にせずにスタスタと座席に座りに行ってしまう。私はへなへなと力が抜けてしまいそうなのを必死に耐えて、メモを開く。
『LINEは無理だから、こっちに連絡しろ sato.0503@×××』
そう書かれたメモにはフリーメールのアドレスが書かれていた。お兄さんのアドレスGETだ!! フリーメールだけど連絡先をついに手に入れた!!! 嬉しさに叫びそうになるが、なんとか抑えてお兄さんの方を見るが、スマホを開いており私のことなんて気にしてない様子。しかし今の私はそんなの気にしない! 何を送れば良いのか必死に考えるが、緊張しすぎて何も思い浮かばない。satoって名前なのかな、それとも佐藤さん??
『さっそく連絡しちゃいました! satoってお名前ですか? 佐藤さんですき?』
お兄さんがいる間に最初のメールを送らなければと思い、急いで送る。お兄さんは今もスマホを開いているからチャンスだ!
『ですきって何だよ(笑) 佐藤だよ』
すぐに返事が来るが、慌てすぎて入力ミスをしていたみたいだ。初のやり取りだったのに恥ずかしい。しかしそうしている間にお兄さんが降りる駅までついてしまうので、慌てて返信する。
『慌ててミスっちゃいました! お仕事頑張って下さい! また夜に連絡しても良いですか?』
そう返事を返すが、その時にはお兄さんはもう立ち上がって降りる所だった。その後も何も返信はない。仕事だからと分かっているのに、何度もメールを開いて確認してしまう。LINEだったら既読か分かるのに、それが分からないメールだとちゃんと読んでいるか分からないから、あのメールは気まぐれで、もうやり取りしてくれなくなるんじゃないかと不安になってしまう。放課後はバイトだから、それが終わるまではスマホを触ることが出来ない。21時30分にバイトを上がると、休憩室ですぐにスマホを開く。するとお兄さんからメールが入っていた。
『連絡するなって言ったら、また毎日あそこで立ってるんだろう。それは迷惑だから連絡は許す。だから立ってないで座っておけ』
『ありがとうございます!! 今バイトが終わりました! 帰ったらまた連絡しますね!!』
迷惑とか言いながら、私がずっと立ちっぱなしだったのを気にしているんだろう。やはりお兄さんは優しい。正直ずっと立ちっぱなしなのは辛かったので助かる。最初はお兄さんが乗る駅の直前までは座っていようと思ったのだが、誰かにあのドアの横を取られたらたまらないと思い、席が空いていても座らなかったのだ。家に帰って夕飯を食べるとお兄さんにさっそく連絡する。
『お兄さんのフルネームを教えてください! ちなみに私は山下千尋(やましたちひろ)です』
返事を今か今かと、スマホの画面をずっと見つめているが返事がなかなか来ない。仕方なしにお風呂に入り帰ってくるとスマホが光っているのが見える。
『個人情報は簡単には教えない。 お前も簡単に知らない男に名前を晒すな』
『お兄さんは知らない人じゃないですもん!』
『今日まで名前を知らなかったのに?』
お兄さんはメールでも結構意地悪だ。
お兄さんとのメールのやりとりは2週間くらい続いた。その中でお兄さんは27歳であることや、接客業についていて平日の休みがあること等少しずつ情報を手に入れた。私とは10歳差だけど、よく芸能人でもそれくらいのカップル居るもんね。そう前向きに捉える。ポジティブなのが私の長所だ。
◇
「おぉ! すごいじゃん! 連絡続いてるんだね」
「うん、そろそろデートとか誘っても大丈夫かな!?」
「うーーん、早まらない方が良いかも?」
「だよね……。相変わらず直接は話してくれないもん」
あのメールで、電車で立って待ってたりしないように言われてしまった為、待ち伏せ作戦はやめている。そうすると直接挨拶する機会がないので、毎朝おはようメールをしているのだ。基本的に私が朝と昼とバイト終わりにメールして、日付が変わる前頃にお兄さんからの返信が届く。どんだけ私が長いメールを送ってもお兄さんからの返信は長くて3行くらいだ。
しかしそう話していた日に奇跡が起きたのだ。バイト終わりに今日の質問を送って家に帰り、ご飯やお風呂を終えていつものようにベッドに入りながらスマホをチェックしていると、お兄さんからのメールが入る。今日の質問は『好きなタイプは何ですか?』だったから、ちゃんと返してくれたか気になる。しかしメールを開くと、その返信に驚いて思わずスマホを落としてしまった。
『ところで今週の土日どっちか予定は空いてるか?』
これはデートのお誘いだろうか!? 質問の答えはもらえていないけど、デートへの期待でテンションが爆上がりだ。
『今週の土曜はバイトですけど、日曜なら1日フリーです!!』
『それなら日曜出掛けるか?』
いつもは私が返信しても次の日まで返信が来ないのに、今日はすぐに返信が届いた。お兄さんも私とのお出かけを楽しみにしてくれているのだろうかと嬉しくなる。
『はい、大丈夫です!!!! どこに行きますか?」
『どこか行きたい場所考えておいて。職場の近くは外したいから少し遠いくらいが良いかな』
『分かりました! 良いところがないかチェックしてまた連絡します』
「やっ、やっ、やったああああ!!!」
とうとうお兄さんとのデートだ!!! 今人生で一番幸せかも知れない。千里にどこに行けば良いか相談のLINEをすぐに送る。どうしよう、人生初デートだ。遊園地も憧れるけど、お兄さんはあんまりそういうの好きじゃなさそうなイメージだし、水族館とか動物園も子供っぽいと思われないだろうか。
千里からはすぐに返信が届いた。
『まじ!? すごいじゃん!! デートのお誘いって脈ありじゃんよ!』
『やっぱりそう思うよね!? どこに行ったら良いかな!?』
『やっぱり最初は水族館とか?』
『子供っぽいと思われないかな?』
『うーーん、映画は今あんまり面白そうなのないしね』
『映画かぁ……』
『あとはボウリングとか? ラウワンだったらカラオケもあるけど』
『うーーん、初デートでカラオケってハードル高くない? お兄さんの歌ってるところは見たいけど』
『だよね。やっぱり映画が無難かなぁ。ちょっと調べてみる!』
ネットで『初デート』と検索する。やっぱり水族館や映画館がオススメみたいだ。映画は今何をやっているのだろうか。映画に行くとしたら、私の地元から5駅先に出来たショッピングモールに映画館が入っていたはずだ。あそこなら映画を見た後に買い物やご飯も行けるしいいかも知れない。お兄さんの職場とも逆方向だから安心なはずだ。そう決めた私はその映画館の上映スケジュールをチェックする。
うーーん。ガッツリ恋愛物はお兄さん嫌だろうし、ちょっと一緒に見るのが気まずいシーンもあるかも知れないから却下でしょ。学園物も私は見たいけど、お兄さんに年の差を意識されたら嫌だし。ホラーやアクション物も私が興味ないから却下だし……。あっこれが良いかもしれない!!
そうと決まればさっそくその映画を観に行こうと連絡する。
『俺は好きだからそれで良いけど、君はそれ観ても面白くないんじゃない? 結構昔からのアニメだし』
私が選んだのはジャンプが原作のアニメの映画版だ。毎週ジャンプを読んでるのだからこれが良いと思った。その作品は10年間の連載がこの前終了して、映画で完結版が放映されたのだ。アニメと言ってもファンはもう皆大人なので、私達が見に行っても浮かないだろう。
アニメで放送してたのは、かなり前なので私の周りにはそのアニメが好きな人はあまり居ないのだが、私にはお兄さんと同い年の兄がいる。その兄が良く観てたので、私もそのアニメのファンなのだ。
『兄と一緒に見てたので私もこのアニメ好きなんです! 周りの友達とは一緒に行けないので楽しみです』
『分かった。じゃあ13時に待ち合わせてそのまま映画で良いか?』
『分かりました!!』
どうしよう。日曜日が楽しみで仕方ない。何を着ていこうか悩んでしまう。ここはちょっとでも大人っぽく見られたいけど、そんな服持ってただろうか……。クローゼットを開くが、普段は短パンを履くことが多い為大人っぽい服はなさそうだ。これは土曜のバイト終わりに千里に付き合ってもらおう。
『LINEは無理だから、こっちに連絡しろ sato.0503@×××』
そう書かれたメモにはフリーメールのアドレスが書かれていた。お兄さんのアドレスGETだ!! フリーメールだけど連絡先をついに手に入れた!!! 嬉しさに叫びそうになるが、なんとか抑えてお兄さんの方を見るが、スマホを開いており私のことなんて気にしてない様子。しかし今の私はそんなの気にしない! 何を送れば良いのか必死に考えるが、緊張しすぎて何も思い浮かばない。satoって名前なのかな、それとも佐藤さん??
『さっそく連絡しちゃいました! satoってお名前ですか? 佐藤さんですき?』
お兄さんがいる間に最初のメールを送らなければと思い、急いで送る。お兄さんは今もスマホを開いているからチャンスだ!
『ですきって何だよ(笑) 佐藤だよ』
すぐに返事が来るが、慌てすぎて入力ミスをしていたみたいだ。初のやり取りだったのに恥ずかしい。しかしそうしている間にお兄さんが降りる駅までついてしまうので、慌てて返信する。
『慌ててミスっちゃいました! お仕事頑張って下さい! また夜に連絡しても良いですか?』
そう返事を返すが、その時にはお兄さんはもう立ち上がって降りる所だった。その後も何も返信はない。仕事だからと分かっているのに、何度もメールを開いて確認してしまう。LINEだったら既読か分かるのに、それが分からないメールだとちゃんと読んでいるか分からないから、あのメールは気まぐれで、もうやり取りしてくれなくなるんじゃないかと不安になってしまう。放課後はバイトだから、それが終わるまではスマホを触ることが出来ない。21時30分にバイトを上がると、休憩室ですぐにスマホを開く。するとお兄さんからメールが入っていた。
『連絡するなって言ったら、また毎日あそこで立ってるんだろう。それは迷惑だから連絡は許す。だから立ってないで座っておけ』
『ありがとうございます!! 今バイトが終わりました! 帰ったらまた連絡しますね!!』
迷惑とか言いながら、私がずっと立ちっぱなしだったのを気にしているんだろう。やはりお兄さんは優しい。正直ずっと立ちっぱなしなのは辛かったので助かる。最初はお兄さんが乗る駅の直前までは座っていようと思ったのだが、誰かにあのドアの横を取られたらたまらないと思い、席が空いていても座らなかったのだ。家に帰って夕飯を食べるとお兄さんにさっそく連絡する。
『お兄さんのフルネームを教えてください! ちなみに私は山下千尋(やましたちひろ)です』
返事を今か今かと、スマホの画面をずっと見つめているが返事がなかなか来ない。仕方なしにお風呂に入り帰ってくるとスマホが光っているのが見える。
『個人情報は簡単には教えない。 お前も簡単に知らない男に名前を晒すな』
『お兄さんは知らない人じゃないですもん!』
『今日まで名前を知らなかったのに?』
お兄さんはメールでも結構意地悪だ。
お兄さんとのメールのやりとりは2週間くらい続いた。その中でお兄さんは27歳であることや、接客業についていて平日の休みがあること等少しずつ情報を手に入れた。私とは10歳差だけど、よく芸能人でもそれくらいのカップル居るもんね。そう前向きに捉える。ポジティブなのが私の長所だ。
◇
「おぉ! すごいじゃん! 連絡続いてるんだね」
「うん、そろそろデートとか誘っても大丈夫かな!?」
「うーーん、早まらない方が良いかも?」
「だよね……。相変わらず直接は話してくれないもん」
あのメールで、電車で立って待ってたりしないように言われてしまった為、待ち伏せ作戦はやめている。そうすると直接挨拶する機会がないので、毎朝おはようメールをしているのだ。基本的に私が朝と昼とバイト終わりにメールして、日付が変わる前頃にお兄さんからの返信が届く。どんだけ私が長いメールを送ってもお兄さんからの返信は長くて3行くらいだ。
しかしそう話していた日に奇跡が起きたのだ。バイト終わりに今日の質問を送って家に帰り、ご飯やお風呂を終えていつものようにベッドに入りながらスマホをチェックしていると、お兄さんからのメールが入る。今日の質問は『好きなタイプは何ですか?』だったから、ちゃんと返してくれたか気になる。しかしメールを開くと、その返信に驚いて思わずスマホを落としてしまった。
『ところで今週の土日どっちか予定は空いてるか?』
これはデートのお誘いだろうか!? 質問の答えはもらえていないけど、デートへの期待でテンションが爆上がりだ。
『今週の土曜はバイトですけど、日曜なら1日フリーです!!』
『それなら日曜出掛けるか?』
いつもは私が返信しても次の日まで返信が来ないのに、今日はすぐに返信が届いた。お兄さんも私とのお出かけを楽しみにしてくれているのだろうかと嬉しくなる。
『はい、大丈夫です!!!! どこに行きますか?」
『どこか行きたい場所考えておいて。職場の近くは外したいから少し遠いくらいが良いかな』
『分かりました! 良いところがないかチェックしてまた連絡します』
「やっ、やっ、やったああああ!!!」
とうとうお兄さんとのデートだ!!! 今人生で一番幸せかも知れない。千里にどこに行けば良いか相談のLINEをすぐに送る。どうしよう、人生初デートだ。遊園地も憧れるけど、お兄さんはあんまりそういうの好きじゃなさそうなイメージだし、水族館とか動物園も子供っぽいと思われないだろうか。
千里からはすぐに返信が届いた。
『まじ!? すごいじゃん!! デートのお誘いって脈ありじゃんよ!』
『やっぱりそう思うよね!? どこに行ったら良いかな!?』
『やっぱり最初は水族館とか?』
『子供っぽいと思われないかな?』
『うーーん、映画は今あんまり面白そうなのないしね』
『映画かぁ……』
『あとはボウリングとか? ラウワンだったらカラオケもあるけど』
『うーーん、初デートでカラオケってハードル高くない? お兄さんの歌ってるところは見たいけど』
『だよね。やっぱり映画が無難かなぁ。ちょっと調べてみる!』
ネットで『初デート』と検索する。やっぱり水族館や映画館がオススメみたいだ。映画は今何をやっているのだろうか。映画に行くとしたら、私の地元から5駅先に出来たショッピングモールに映画館が入っていたはずだ。あそこなら映画を見た後に買い物やご飯も行けるしいいかも知れない。お兄さんの職場とも逆方向だから安心なはずだ。そう決めた私はその映画館の上映スケジュールをチェックする。
うーーん。ガッツリ恋愛物はお兄さん嫌だろうし、ちょっと一緒に見るのが気まずいシーンもあるかも知れないから却下でしょ。学園物も私は見たいけど、お兄さんに年の差を意識されたら嫌だし。ホラーやアクション物も私が興味ないから却下だし……。あっこれが良いかもしれない!!
そうと決まればさっそくその映画を観に行こうと連絡する。
『俺は好きだからそれで良いけど、君はそれ観ても面白くないんじゃない? 結構昔からのアニメだし』
私が選んだのはジャンプが原作のアニメの映画版だ。毎週ジャンプを読んでるのだからこれが良いと思った。その作品は10年間の連載がこの前終了して、映画で完結版が放映されたのだ。アニメと言ってもファンはもう皆大人なので、私達が見に行っても浮かないだろう。
アニメで放送してたのは、かなり前なので私の周りにはそのアニメが好きな人はあまり居ないのだが、私にはお兄さんと同い年の兄がいる。その兄が良く観てたので、私もそのアニメのファンなのだ。
『兄と一緒に見てたので私もこのアニメ好きなんです! 周りの友達とは一緒に行けないので楽しみです』
『分かった。じゃあ13時に待ち合わせてそのまま映画で良いか?』
『分かりました!!』
どうしよう。日曜日が楽しみで仕方ない。何を着ていこうか悩んでしまう。ここはちょっとでも大人っぽく見られたいけど、そんな服持ってただろうか……。クローゼットを開くが、普段は短パンを履くことが多い為大人っぽい服はなさそうだ。これは土曜のバイト終わりに千里に付き合ってもらおう。
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