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君と未来を重ねていく
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あの約束の日、ふたりで決めた場所へ。
桜は散ってしまっていたけれど、風はやさしかった。
「……晴れたね」
そう言って笑う陽翔くんの声が、少しだけ震えていた気がした。
私は、うなずいた。
「うん。よかった。ちゃんと、来られて」
予定がのびて、気持ちが少しずつ不安になって、
それでも「会いたい」と言ってくれた声に、救われた。
今日、彼の隣を歩けることが、
この上なく大切だった。
ベンチに並んで座って、しばらく無言のまま風を感じた。
前みたいに、ただ黙っていられる時間が――今は、とても愛しかった。
ふと、陽翔くんが切り出した。
「君と出会ったあの日のこと、今でも覚えてる。
本の背表紙をじっと見てた君の横顔、たぶんずっと忘れない」
「……そんなに印象的だった?」
「うん。なんか、声をかけなきゃって思った。今なら言えるよ。あれが、僕の“はじまり”だったんだって」
私は、静かに微笑んだ。
「私もね、思うの。あの日から全部が始まったって。
でも、それだけじゃなくて……“これからも”きっと続いていくって、信じてる」
陽翔くんが、まっすぐこちらを見つめた。
「これからも、君の隣にいたい。
今日だけじゃなくて、明日も。春も、夏も。――その先も、ずっと」
まっすぐなその言葉に、涙が浮かびそうになった。
だけど私は、笑った。
「うん、じゃあ……その未来、いっしょに考えていこう」
ふたりの手が、そっと重なった。
強く握るわけじゃない。
でも、離れることはもうないと、どこかで確信していた。
“恋をすること”は、勇気がいる。
でも、“恋を続けること”は、もっと勇気がいる。
それでも――私はこの人と、生きていきたいと思った。
---
完
桜は散ってしまっていたけれど、風はやさしかった。
「……晴れたね」
そう言って笑う陽翔くんの声が、少しだけ震えていた気がした。
私は、うなずいた。
「うん。よかった。ちゃんと、来られて」
予定がのびて、気持ちが少しずつ不安になって、
それでも「会いたい」と言ってくれた声に、救われた。
今日、彼の隣を歩けることが、
この上なく大切だった。
ベンチに並んで座って、しばらく無言のまま風を感じた。
前みたいに、ただ黙っていられる時間が――今は、とても愛しかった。
ふと、陽翔くんが切り出した。
「君と出会ったあの日のこと、今でも覚えてる。
本の背表紙をじっと見てた君の横顔、たぶんずっと忘れない」
「……そんなに印象的だった?」
「うん。なんか、声をかけなきゃって思った。今なら言えるよ。あれが、僕の“はじまり”だったんだって」
私は、静かに微笑んだ。
「私もね、思うの。あの日から全部が始まったって。
でも、それだけじゃなくて……“これからも”きっと続いていくって、信じてる」
陽翔くんが、まっすぐこちらを見つめた。
「これからも、君の隣にいたい。
今日だけじゃなくて、明日も。春も、夏も。――その先も、ずっと」
まっすぐなその言葉に、涙が浮かびそうになった。
だけど私は、笑った。
「うん、じゃあ……その未来、いっしょに考えていこう」
ふたりの手が、そっと重なった。
強く握るわけじゃない。
でも、離れることはもうないと、どこかで確信していた。
“恋をすること”は、勇気がいる。
でも、“恋を続けること”は、もっと勇気がいる。
それでも――私はこの人と、生きていきたいと思った。
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完
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