異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第11話 ――目覚める力、竜と番の共鳴

「……ユウト。目を閉じて、俺の魔力を感じてみろ」

静かな室内。
ザディクと向かい合って座り、両手を重ねる。

目を閉じると、確かに――感じる。
彼の奥深くを流れる、大きな、大きな力のうねり。
熱く、けれど安定していて、包み込むような魔力。

「これは……ザディクの?」

「ああ。そしてその魔力は、おまえの中にも流れている。……俺たちは、すでにひとつだ」

ゆっくりと、胸の奥に意識を沈めていく。
すると、不意に脳裏に浮かぶ光景。

――炎のような赤い結晶。
――風のように舞う光の粒子。
――そして、深く沈んだ湖の底に眠る、何か巨大な力。

「見えたか?」

「……うん。でも、まだぼんやりしてて」

「構わない。初めてなら当然だ。だが、確かに“番の共鳴核”が目覚めはじめている」

「共鳴核?」

「おまえの中にある、“俺と共振する核”。それが魔力の源となり、同調すればするほど、おまえ自身が力を行使できるようになる」

「……俺も、戦えるようになるの?」

「いずれはな。だが、まずは“護る”力から始めよう」

ザディクが軽く手を掲げると、魔法の障壁のような光がふわりとユウトの周囲を包んだ。

「この防壁は、俺の魔力を核にしている。だが今後は、おまえ自身の魔力で、これを張れるようになる」

「……すごい」

思わず見とれた。
自分が魔法を使えるなんて、想像もしていなかった。

「ただし――」

ザディクの声が少しだけ低くなる。

「おまえの力に気づいた者が、必ず動き出す」

「……やっぱり、昨日の人みたいに?」

「そうだ。あれは氷山の一角にすぎない。竜王の番が、“力を持つ”というのは……この世界にとって異例中の異例だ」

「俺が……そばにいるだけじゃなく、力を持ったら、危険視される?」

「される。だからこそ、俺の隣で生きるには、力が必要なんだ」

ユウトは小さく頷いた。
怖さがないわけじゃない。
けれどそれ以上に――彼の隣にいたいという想いが、強かった。

その日の夜――
ザディクが執務に出た隙を突いて、何者かが城内に侵入した。

目的は明確。
ユウト――番の命。

「侵入者、北棟通路を突破! 封印警戒層、魔障壁展開! 近衛、急行せよ!」

怒号が響き、結界が唸りを上げる。

ユウトの部屋にも、警報の魔紋が浮かび上がった。

(来た……!)

けれど彼は逃げない。
ザディクの魔力の一部――そして自らの共鳴核の“初動”が、今この瞬間、脈を打っていた。

(俺は……“竜王の番”だ)

ザディクが戻ってくるその時まで――
守る。立つ。逃げない。

新たな力の目覚めが、ユウトの体を中心に広がっていく。
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