異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第12話 ――この手は、君を守るために

「侵入者が防壁層を突破。標的は“番”――ユウト様です!」

警報と共に、部屋の結界が軋んだ音を立てる。

(来た……でも、大丈夫。俺は、ザディクと繋がってる)

右手に意識を集中する。
ザディクと共鳴したあの夜を思い出し、心の奥にある“核”に語りかける。

――護りたい。あの人に、守られてばかりじゃなくて、今度は俺が。

「――《結界:共鳴障壁(リンク・アーク)》!」

声と共に、魔力が爆ぜた。

発動したのは、竜王の魔力と共振する特殊な結界。
周囲に光の輪が広がり、ユウトの体を包むように光壁が展開された。

「……防いだ?」

次の瞬間、闇の中から飛び込んできた影が、結界にぶつかり火花を散らす。

「この程度の魔力……なぜ“番”が!」

「俺はただの番じゃない……“竜王の番”だ!」

そこに――轟音と共に、黒い影が降り立った。

「ユウトに、指一本でも触れてみろ――存在ごと、焼き尽くす」

燃えるような金の瞳。
背には、幻影のような竜の翼が広がっていた。

ザディク――その姿は、半ば“竜化”していた。

「ザディク!」

「待たせたな。……見事だった。俺が来るまで、しっかりと“自分で守った”な」

彼の手が、優しく俺の頬に触れる。
安心した途端、涙が溢れそうになった。

「……敵は俺が処理する。ユウト、おまえはもう頑張った」

ザディクが前へ出る。
その一歩と共に、空気が一変した。

「――すべて燃やし尽くせ、《黒焔竜王陣(エンブレス・ヴァルグ)》」

暗殺者が叫ぶ間もなく、漆黒の炎が空間を呑み込み、全ての闇を浄化していった。

全てが終わったあと――
俺は、彼の寝室に抱き寄せられていた。

「怖かったか?」

「ううん……ザディクが来るって、信じてたから」

「……ユウト。俺は、今まで誰かを“対等に”見たことがない。誰も、番になど選ばなかった。だが、おまえだけは……」

「俺も、あなただけは特別だと思ってる」

「……愛してる」

囁かれ、唇を塞がれる。
穏やかで、深くて、熱のこもったキス。
今夜は、“守ったご褒美”のような甘い夜。

「もう、少しだけ……抱かせてくれ」

「……うん。俺も、あなたを感じたい……」

そうして交わされた体温は、
恐怖を上回る幸福を、俺の中に残していった。
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