異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第52話 ――今日みたいな日が、ずっと続きますように

「今日は、街へ行こうか」

「えっ……ほんとに?」

「ふたりの家になったからには、ふたりの暮らしを揃えたい。
 ――食器も、カトラリーも、“君と選びたい”んだ」

そうして馬車で向かった王都の雑貨街。
ふたり並んで歩くのは、まるで夢のようだった。

「見てザディク、これ! 花模様のカップ、めっちゃ可愛い!」

「……ユウトが持つと、カップより君のほうが可愛く見えるから困るな」

「そういうこと言う人はこのティーカップでお仕置きです」

「冗談抜きで、君の笑顔に値段をつけるなら――」

「はい没収ー!」

一方その頃。

ザディクは真剣な顔で鍋売り場に立ち尽くしていた。

「鋳鉄か、魔導合金か……悩むな。
 火力保持時間は魔導合金だけど、味の染み込みなら鋳鉄……」

「王様、まさかの“料理用具で1時間悩むタイプ”だった……?」

「家族のための鍋は、命に関わる選択だからね?」

「愛が重い!!」

買い物袋をぶら下げて、帰り道。
ユウトは手を繋ぎながら、ぽつりと言った。

「今日みたいな日が、毎日続けばいいな」

「続けよう。“毎日が特別”って思える暮らしを、君となら」

その言葉に、ユウトの胸がきゅっとなって、
そっと頬を赤らめた。

夜。

ふたりはソファに並んで買った食器を並べ、
「明日このカップでお茶しようね」と笑い合って――
そのまま、自然に、唇がふれた。

「……今日、楽しかったね」

「うん。でも……これからもっと楽しくなる。
 君と一緒に生きていく日々は、これからだから」

ベッドの中、
ユウトの服を脱がせながら、
ザディクは静かに囁く。

「ユウト……今日の“楽しい”を、身体にも刻ませて」

「うん……ザディクに、刻んでほしい……」

挿れられた瞬間、
昼間の笑顔が、熱に変わって身体の奥に届いた。

「んっ、あ……っ、今日、ずっと触れたくて……っ」

「俺も……君を“日常”として愛せる今が、幸せで仕方ない……」

やさしく、でも深く。
まるで“暮らし”を交わすような甘い愛撫。
ふたりはゆっくりと、幸福のなかでとろけていった。

「明日も、あさっても、ずっとこうしていられたらいいな……」

「“ずっと”は、俺たちが作っていくんだよ、ユウト」

日常にある愛。
ふたりの時間が重なるたび、
その絆はさらに深く、確かなものになっていく。
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