異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第54話 ――青空と腕枕、ふたりきりの休日

「今日はいい天気だし、ピクニックに行こうか」

「ほんと? やった……! お弁当、作るね!」

朝のキッチン。
ふたり並んで、卵を巻いたり、ウインナーを焼いたり。
たどたどしい包丁さばきに笑い合いながら、
愛情たっぷりのお弁当が完成する。

丘の上、
ふたりでレジャーシートを広げて、春風の中に腰を下ろす。

「いただきます!」

「うん……うん、おいしい。すごく頑張ったね、ユウト」

「えへへ……今日のウインナー、ちゃんとタコにしたんだよ?」

「タコというより……ウミウシっぽく見えるけど、君が作ったものは全部大好き」

「もしかしてそれ、フォローじゃなくて失礼じゃない!?」

食後。

風に吹かれて横になったユウトが、
ザディクの膝をまくらにして目を閉じる。

「気持ちいい……こんなに、空が近いの初めてかも」

「君が隣にいる空は、世界で一番綺麗だよ」

「うまいこと言ってごまかそうとしてるでしょ……でも、好き」

「俺も」

ザディクはユウトの髪を撫でながら、
そっとその頬に口づけた。

夜。
帰宅して、お風呂を済ませたあと。
ユウトはふわりと微笑みながら、
ソファに座るザディクの肩に頭を預ける。

「今日も、幸せだったね」

「うん。こんな毎日がずっと続いたら、
 俺はたぶん、君なしでは生きていけない」

「もう、溶けそうなくらい甘い……」

「じゃあ今夜は、そのまま溶かしてあげようか?」

ベッドへ移動しながら、
シャツを脱がせていく指が、やさしく背をなぞる。

「ねえユウト。今日は、ゆっくり愛したい。
 風の音や、君の寝息みたいに、静かで深い愛を交わしたい」

「うん……今夜は、ずっと抱かれていたい……」

挿れられた瞬間、
ユウトの体に自然と熱が溶けていく。

「ん……っ、やさしくて……ザディクの温度が、すごく安心する……」

「君の中、あたたかくて……まるで、帰る場所みたいだ」

リズムはゆるやかに、
呼吸と鼓動が重なるように、
ふたりだけの“夜の自然”が流れていく。

「こうして……明日もまた、君と目覚めたい……」

「もちろん。
 そのために、今夜も全力で愛するんだから」

春風のようにやさしく、
深く、甘く、心ごと包まれる夜――
ふたりは新しい季節の訪れを、
身体で感じながら愛を交わした。
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